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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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青き惑星
こちらは、以前のHPで2001年5月12日にUPしたものです
 ※シリーズ小説はカップリング小説です。(基本DxAです…/笑)

拍手[1回]


◇◆◇

 昔、誰かが言っていた。
 "自然は循(めぐ)る"と。
《人は、生き方を考えて生きる。
 他人のフリを見て、
 昔の人の生き方を学んで、
 他の生き物と一緒に暮らしてみて、
 他の生き物の感じ方を見て、
 他の人と同じ感じ方をして、
 他の人と違った感じ方をして。》
 そう言っていたのを、覚えている。
 だが、人が生き方を考えなくなったのは、いつからだろう。いつから、それが崩れ始めたのだろう。
 崩れた栄光は、もう二度と輝きはしないのに。
 崩れた栄光を修復することは、もう出来ないのに。
 それをわかっていながら、人は罪を犯すことしか出来ない。だから、愚かだと言われるのだ。
 過去を振り返り、未来を見ることが出来ないから。
 愚かな人類の最期の望み。それは、とても小さな希望。
 見たいモノは未来。しかし、見えるモノは絶望。
 彼等が引き起こした罪は、とても絶大なモノだった。だから、例え人類が滅せようとも、誰も人類を哀れんだりはしない。
 人類のよって傷付けられた、もっと大きな生命が、ここにあるから…

◇◆◇

 青い空は、もうなかった。
 それどころか、地も、植物も、海でさえも、それは元の色がわからない程にまで、褪せていた。
 かつて、青く美しかった惑星。誰が、今の姿を予想しただろうか。このように色褪せた姿を、誰が…
 全ての動植物を排除した惑星は、今眠りに付こうとしていた。
 誰にも冒されることのない、未来を信じて。
 そして、その地に佇む姿があった。
 惑星が眠りに付くのを、見届ける為に。

「…いつまで、そうしているつもりだ?」
 つぶやいたのは、赤き悪魔、エース。そして、その目の前には、ぼんやりと遠くを見つめている青を纏う悪魔。
 黄金の髪は、地を渡る風に靡き、マントも風を受けて靡いていた。
「覚悟は決めていたはずなのにな。いざとなると…こうも離れがたいとは思わなかった」
 ぽつりとつぶやいた声に、エースは大きく息を吐き出した。
「思い入れのある惑星程、別れるのは辛いさ。だが、既に俺たちの任務は終わったはずだ。これ以上…ここにいることは出来ないんだ」
「あぁ、わかっている」
 そうは答えるものの、彼のその眼差しは一途に惑星の姿を見つめていた。
 僅かに、胸が痛む。それがどう言う意味での痛みなのか、その真意をエースは考えあぐねていた。
「そろそろ、出発の時間だ」
「…あぁ」
 短くそう答え、顔を上げる。向けられた眼差しは、とても寂しそうで。その眼差しを受けた赤き悪魔は、腕を伸ばしてそっと彼を抱き締めた。
「…いつまでもそんな顔してたら…彼女も、ゆっくり眠れやしない。御前が、しっかりしなけりゃ…」
「……」
「彼女だけじゃない。御前がいつまでもそんな状態なら、俺は…御前が望んだ別れの時を待たずに、強制的に連れて行くぞ」
「…わかっては、いるんだ…だが…」
 諦めが付かない。
 そう言いたげな表情を見せた彼に、エースは溜め息を一つ。
 そして。
「御前は、誰だ?何処へ、帰るんだ?」
 その腕を緩め、再び眼差しを覗き込む。
「…吾輩は…副大魔王、デーモンだ。帰るべき場所は魔界、だ」
 その答えに、軽く微笑む。
「よし。わかっているなら、心配はいらないな。俺たちは先に行ってるから、後から来いよ」
 赤き悪魔は彼の背を軽く叩きそう言うと、踵を返す。そして、彼の視界に映るのは惑星だけとなった。
「…また…御前の美しい姿が見られる日が、来るのか?」
 彼は、小さくつぶやく。その表情に、僅かな哀しみを称えて。
 惑星がこの姿になることは、彼には最初からわかっていたことだった。だが、こうして実際に目にしてみて、その壮絶さに、心が痛んだ。
 もっと早く、助けることが出来たなら。惑星の色は、残っていたのかも知れない。もっと早く、決着を付けていれば…
 幾らそう思ったところで、それは後悔の念でしかないのだが。しかし、それが彼の所為ではないことは確かだった。
 眠りに付くのは、惑星の意思であり、生命を維持する為の最良の手段だった。
「これで…良かったのか?」
 ふと、彼はつぶやく。惑星は答えない。
 今の惑星の力では、最早彼に言葉を届けることも出来ないだろう。己の生命を維持することが、精一杯で。
 ただ、その想いだけは、彼に伝わった。緩やかな気の流れが、彼の身体に纏わり付き、流れて行く。
「せめて…これぐらいは許されるよな?」
 彼は小さくつぶやくと、その地に跪いた。
 そして、そっと手を触れる。
「待っているぞ。御前が、再び目覚めることを」
 つぶやいた声と共に、彼の手は輝き、その光は惑星に吸い込まれる。
「姿は変わっても、御前は御前だ。吾輩は、御前を見捨てたりはしない。考えたくはないが…御前が再び、危機に晒されるようなことがあれば、きっと助けに来る。だから…」
 吾輩を、忘れるな。
 彼は、そうつぶやいた。それが、今の彼に出来る精一杯の気持ちだった。
「愛している。例え、どんな姿であろうとも…吾輩の記憶には、美しかった御前の姿が、今も鮮明に残っているのだから」
 伝えたいことは、沢山あった。でも、それは口にすれば、きっと過去の栄光を振りかざすだけの、薄汚れたモノになってしまうだろう。
 彼は、敢えて口を噤んだ。
「…またな」
 その一言を残し、彼もまた、惑星から姿を消した。

◇◆◇

 青い色は、もうなかった。
 けれど…その記憶の中には、その鮮やかな青い色は、確かに残っていた。
 いつまでも…その、記憶の中に。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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