聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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キスの意味から始めよう 後日談
ライデンに振り回されてから約二週間後。
執務時間が終わってからデーモンの執務室を訪れたルークは、そこでエースとゼノンと顔を合わせた。
「あぁ久し振り」
まず、そう口を開いたルーク。
「あぁ。珍しく会わなかったな」
それぞれ、報告書の兼ね合いでデーモンとは顔を合わせている。だが、ルーク、エース、ゼノンの三名で顔を合わせるのは久し振りだった。
「ちょっと待ってて。ダミ様も呼んで来るね」
そう言って、ルークは一旦デーモンの執務室を出る。その間。
「…ダミアン様まで呼んでの話って何だ?」
「…さぁ…吾輩は、職務が終わったら集まりたいから、ここで待っててくれと言われただけなんだが…」
怪訝そうに眉を寄せるエースに、デーモンも首を傾げる。
そう。今日は、職務終了後にデーモンの執務室で集まりたい、とルークからの申し出があったのだ。だから皆足を運んだのだが…その理由までは聞いていない。
だが、そんな話をしている間に、ダミアンを連れてルークが戻って来ると、全員ソファーへと腰を落ち着かせる。
「…で?今日は何で呼び出した訳?」
呼び出された理由が思いつかない。そう言いたげな表情で、ゼノンが口を開く。
「あぁ…そう。これなんだけどね…」
そう言いながら、上着の内ポケットから畳んだ紙を取り出す。そして、テーブルの上に広げた。
「…ちょっと、これって…」
その内容を一瞥したエースとゼノン…そしてデーモンもまた、一つ息を飲む。平然と眺めているのは、ダミアン一名。
「ほとぼり冷めたら流しといて、ってライデンから言われてたんだよね。忙しくてなかなか時間取れなかったんだけど、やっとみんな集まれそうだったしね。二週間もあればみんな経験済みだろうから、だったらもう良いかな~って…」
そう言いながら、ルークは一番気になっていたゼノンの顔色を窺う。
「…いる?これ…」
何気なく問いかけてみると、くすっと笑ったのはゼノン。
「ホント、こんな紙一枚に振り回されたのかと思うと、我ながら呆れるよね」
「御前に怒られた、ってライデン落ち込んでたぞ?一体、何が原因だったんだ…?」
なかなか真相が聞けずにいたが、このタイミングに…と、デーモンがゼノンへと問いかける。
「原因?別に、これが直接の原因じゃないけど?」
平然とそう答えるゼノンに、デーモンとルークは首を傾げる。
「…は?だって、御前の機嫌悪くて、怒らせて御仕置された、って…」
「御仕置?」
「あぁ、俺も本魔にもダミ様にもそう聞いたよ。あんたが嫉妬した挙句に御仕置された、って…そうですよね?」
「そうだね。嫉妬云々はわたしは聞いていないが、御仕置に関しては確かにライデンはそう言っていたね」
一応、ルークはダミアンにも確認を取る。ダミアンは小さく笑いながら、頷いて見せる。
一名、ライデンがゼノンと会う前にしか会わなかったエースだけがきょとんとした顔をしていたが、デーモンとルークは首を傾げている。
「御仕置、って…言い方酷いなぁ、俺は御仕置をした訳じゃなくて……」
「でも、ライデンが落ち込むくらいだろう?一体何したんだよ」
普段、ライデンには激甘で周りから甘やかすなと言われるくらいのゼノンが、ライデンが落ち込むくらいの"何か"をした、と言うだけで、当然興味津々である。エースも身を乗り出して話に参戦している。
「別に…あみだくじに従っただけだよ。いつもとは方向性の違う選択肢だったからね。まぁ…嫉妬したのは確かだし、釘は刺したけど」
「方向性、ね…」
確かに。それは、デーモンやルークにも心当たりがある訳で…まぁ、ダミアンとエースは一笑で済むのだが。
「…じゃあ、怒ってる訳じゃないの?あんな"遊び"を持ち込んだライデンにさ」
一応心配そうに問いかけるルークに、ゼノンは笑いを零す。
「怒ってないって。それに…各々、満足したんじゃないの?」
「………」
その言葉に、思わずそれぞれのパートナーへと視線を向ける。まぁ…言わずもがな。不満があればもっと早く文句が出るのだが、それをしないと言うことはそれぞれ楽しんだ、と言う結果となる訳だ。
「まぁ、頻繁に持ち込まれると混乱するだろうが、たまには良いと思うよ。ライデンとて、悪気があった訳じゃない。それに、各々…色々思うところがあったんじゃないのかい?だからこそ、ゼノンもライデンに釘を刺すと言う結果になったんだろう?ただの悪ふざけではない、と言うことだよ」
にっこり笑ってそう言うダミアンに、ルークは少しだけ赤くなる。
確かにダミアンの言う通り。ただの性的な行為では片付けられない想いは、そこにある。ふと視線を向けてみれば…デーモンも同じ顔をしている。
「因みに…軽~く流れたが…嫉妬って…何に?」
ふと問いかけたエースの言葉に、ゼノンは溜め息を一つ。
「…何で全部報告する羽目になるんだろう…」
「言ってしまったんだから仕方がないだろう?ほら、何に嫉妬したんだよ」
くすっと笑うエースが言及する。
だがゼノンの答えを聞く前に、ルークが思い出したように口を挟む。
「そう言えば、ライデンが封筒渡した時にデーさんが変な顔してた、って言ってたけど…デーさんも嫉妬してた?ライデンがエースん家の私用の便箋と封筒使ったことに」
「………」
ルークの言葉に、皆の視線がデーモンへと向く。当然デーモンは…薄っすらと赤くなる。
「…俺ん家の封筒に、嫉妬なんかする訳ないだろう?デーモンだって持ってるよな?俺が愛の言葉をしたためて進呈したんだから」
咄嗟に返せないデーモンとは反対に、エースは平然とそう言って退ける。
「愛の言葉をしたためて、って…今更?」
当然、ルークの追撃が入る。
「別に良いだろう?なぁ、デーモン?」
助け舟を出したエースに、デーモンは赤くなった顔を伏せる。
確かに、あの後約束通りエースから手紙を貰った。しっかりと、愛の言葉をしたためたラブレター。当然、デーモンは赤面だったが…そんな些細な約束さえ、しっかり守ってくれたその気持ちが、非常に嬉しかった。そしてデーモンにとっての宝物ともなったのだ。出来れば内緒にしておきたかったところなのだろうが…助け舟のつもりで、実は暴露しているエース。さり気なく…デーモンは自分のモノだとの念押しなのだろう。まぁ、エースにも悪気はない。
「…貰ったは貰ったが……いや、今はそれはどうでも良いだろうが…」
「…まぁね。惚気はいらないけど」
結局、この二名が最近では一番穏やかで、甘くて、倖せそうで…何の問題ないのではないか…と、ちょっと羨ましくも思う。ただ、ルークも決して不幸ではないし…寧ろ、倖せではあるが。
小さく溜め息を吐き出したルークに、今度はゼノンが口を開く。
「ルークこそ、ライデンの話に警戒しなかったの?いつもなら、もっと用心深いのに」
「…警戒、って…あんた、ライデンを何だと思ってんの」
その言葉のチョイスに、思わず苦笑する。
「何だ、って…伴侶ですけど?だからこその言葉のつもりだけど。このところ色々と持て余し気味でね。俺も極力時間は作ってるけど…そうそう雷神界にばかり行っていられないし、監視している訳にもいかないしね。みんなで何か楽しいことをやりたい、って気持ちが大きいから…何を持ち込むか、俺にもわからないんだよ」
「…わかってんなら、もうちょっと時間を融通してやんなよ。ただ単に寂しいんじゃないの?あんただって、何だか良くわからないけど嫉妬してるんだし」
「俺の嫉妬は関係ないでしょ?これでも、ちゃんと定期的に雷神界に行ってるんだから。今回のことは、直ぐに連絡しないライデンがいけないでしょ?」
「…やっぱりそう言うことか」
やはり、ルークの予想通り。ライデンがロクに連絡も入れずにうろうろしていた結果の嫉妬とは。来ていることがわかっているからこそ、何処にいるのかわからないことがまず心配だったのだろう。その結果が、ライデンが"御仕置"と称した結末だった、と言う訳だ。
ずっと、ただの激甘カップルだと思っていたのだが…蓋を開けてみれば、どうやらこちらはそうでもなかったらしい。だからこそ、ライデンもちょっと暴走してみたり、ずっと穏やかで、嫉妬しても気付かれなかったゼノンもあからさまに出すようになったのかも知れない。
それはそれで、御互いの環境が変わって来た証拠。そうして、少しずつ愛情の表現も変わって来るのかも知れない。
ルークがそんなことをぼんやりと考えていると、再びゼノンが口を開く。
「…で?何で警戒しなかったの?」
改めてそう問われ、再び苦笑する。
「まだ来るんだ。まぁ、良いけど」
別に、詳細な報告を待っている訳ではない。ただ、理由が知りたいだけ。それならば…と、笑いながら、言葉を続ける。
「別にね、警戒しなかった訳じゃないだけど…ライデンの言うことも一理あるかな、って。まぁ、取り敢えず受け入れてはみたんだ。でも実際は楽しめ、って言われてもさ、何か…どう考えたら良いか、ピンと来なかったんだけど…無理しなくても良いのかな、ってさ、思った訳よ。無理しないで…共にいる時間を、大事に出来れば…同じ時間を、共有出来れば…楽しいんだな、って。型に填める必要はない。いつもと違う状況だって、楽しめるんだな、って……」
そこまで言って、ふと現状を思い出して口を噤む。
つい、吐き出してしまったが…隣には、ダミアンがいたはず。余りに静かだったので忘れていたが…その存在を不意に思い出し、恐る恐る隣へと視線を向けると…案の定、くすくすと笑っているダミアンがいる。ソファーに深く凭れていたダミアンに対し、ルークは浅く腰かけて膝の上に両肘を置く前傾姿勢。ルークの視野に、ダミアンは入っていなかった。なので、うっかりしていたのだ。それを思い出したルークは、当然真っ赤になる。
「いや…今の忘れて……」
真っ赤になった顔を両手で覆い、顔を伏せたルーク。その言葉の意味を察するに…
「存分に楽しんだんだね」
誰もが納得のその姿。思わず、笑いが零れる。
「…聞かないで…」
それが答えだと言わんばかりの返答だが、今のルークにはそれが精一杯。
「まぁ、報告する義務はないだろうが…ルークの男前っぷりには感銘を受けた、とだけ言っておこうか」
「だから、やめてくださいって…」
くすくすと笑うダミアンに、ルークは更に真っ赤になる。
一体、何をしていたのかは、本魔たちにしかわからない。それは、デーモンやエース、ゼノンとライデンも同じことなのだが…本魔たちが倖せならば、それで良い。まさに、その典型である。
「まぁ…な。ダミアン様の言う通り、ここで何をしたと詳細を報告する義務はないんだ。ただ、ライデンのことに関しては皆それなりに心配もしていたんだ。後でフォローしておけよ」
すっかり標的になっているルークを庇うようにそう言ったデーモンに、ゼノンは小さく頷く。
「わかってるよ。そんなに怒ったつもりはないけど、それなりに反省してたみたいだし…そりゃあね、ちょっと意地悪はしたけどね。でもこうしてみんな満足していたことがわかったからね。報告がてら顔見に行って来るよ」
ゼノンも、いつまでも嫉妬している訳でもない。勿論、一番大事な伴侶なのだから、フォローするのは当たり前。それは誰に言われなくても勿論そのつもりでいた。
「…でさぁ…これ、どうする…?誰かいる?」
一頻り話が落ち着くと、再び最初に戻る訳で…ライデンが持ち込んだ紙を指さしたルークに、口を開いたのはデーモン。
「吾輩は…別に必要ないんだが…他に欲しいヤツがいれば、貰えば良いんじゃないのか…?」
「デーさん、いらないの?」
思わず問い返したルークに、デーモンは少し赤くなる。
「一々、キスする場所気にしていられないだろう…?」
「確かに。そんなこと気にしてたら萎えるな」
「…面白がっていたクセに…」
口を挟んだエースに、デーモンは呆れたように溜め息を一つ。だがそれも、傍から見ていれば単なる惚気にしか見えない。
「わたしも必要ないが…ルークは貰っておくかい?」
夫婦漫才のようなデーモンとエースを眺めつつ、くすくすと笑いながらそう口を開くダミアン。
「俺も別にいりませんけど…」
ルークもまた、デーモンと同じように少し赤くなる。そんなに物欲しそうに見えているのか…とちょっと思ってみたりもしたのだが…実際のところは、誰もが持て余して押し付け合っているだけに過ぎない。
そんな状況を前に、ゼノンが苦笑する。
「じゃあ…俺が責任持って、ライデンに返して来るよ。それで良い?」
「…あぁ、そうしてくれ。それが一番、丸く収まる」
流石に誰も受け取らないのなら、それが一番良い訳で。結局、ゼノンが受け取って上着のポケットにしまった。
「じゃあ、話がそれだけなら…帰って良い?」
そそくさと腰を上げたゼノン。
「あれ?忙しかった…?」
招集をかけた時点では、特にその後の予定は聞いていなかったのだが…と思いつつ声をかけたルークに、ゼノンは一瞬の間。そして。
「…フォローは早い方が良いかと…」
「二週間近く経ったけどね」
ゼノンらしいと思いながらも、思わず苦笑する。
「行っておいで。ライデンに宜しく伝えておいておくれ」
笑いながらそう言ったダミアンに、ゼノンは小さく笑う。
「はい。じゃあ、御先に…」
そう言い残し、一名先に帰って行った。
「…どう思う?あれ。絶対…使うよね…?」
その背中を見送り、思わずそう零したルーク。
「別に良いんじゃないか?自由だし」
笑うエース。
「まぁな。我々が放棄したんだから、後始末をゼノンに託したようなものだからな。ライデンに返したところで、二名で楽しむ分には問題ないだろう」
デーモンもくすくすと笑う。
「そうだね。ただし、詮索はなしだよ、ルーク。詮索したら最後、自分にも返って来るよ?」
「…それだけは絶対ヤダ…」
ダミアンに釘を刺され、咄嗟に本音が零れる。
自分が詮索されたくなければ、他の相手のことも詮索しない。それは当然。暗黙のルール。
…のはずなのだが、知られたくないこともいつの間にか誰かの耳に入っているのはどういう事なのだろう…とふと思ってみたり。
「じゃあ…我々も今日はこれで解散、で良いか?」
こちらもまるで漫才のようなやり取りに笑いつつ、デーモンがそう問いかける。
「あぁ、うん。大丈夫。有難うね」
言葉の通り、その日はこれで解散となった。
後は…黙秘、である。
夜も遅くなって来た頃。雷神界へとやって来たゼノン。
「来るって言ってなかったよね?」
出迎えつつも、一応そう確認をする。
「うん、御免ね。仕事終わった後、デーモンの執務室にみんなで集まってね。その後そのままこっちに来たから、連絡入れられなくて」
上着を脱ぎながらそう答えたゼノンに、ライデンはちょっと眉を寄せる。
「デーさんのところにみんなで、って…何かあったの…?」
何か急を要する事件でもあったのか…と心配そうに問いかける声に、ゼノンは脱いだ上着のポケットから畳んだ紙を取り出してライデンへと渡す。
「これ、御前に」
ゼノンから渡された紙に、何か重要なことが…と思いつつ、紙を開く。そしてそこに目を通す。
「……これ、って…ルークに渡したヤツ…?」
そう。つい先日、ルークへと渡して来た例のキスをする場所の意味が書いてある紙。
「そう。今日集まったのは、これをどうするか、って」
「…これの行く先についての会議かよ…」
余りに予想外過ぎて、思わず脱力。ベッドへと倒れ込む。
「…で?迷惑だ、って返却されたの…?」
今回のことに関して、やはりかなり落ち込んでいるのだろう。ネガティブな発想の言葉に、ゼノンは笑って隣へと座る。
「大丈夫。みんな、それぞれ楽しんだみたいだから。ただね、こればっかり気にしてたら萎えるってエースが言ってた」
「…いや、エースなら萎えないって…」
思わず、くすっと笑いが零れた。
「うん、デーモンも面白がってたクセに、って突っ込み入れてたよ。別に返却された訳じゃないんだけど、エースの言うことも一理あるかな、って…だったら、俺がライデンに戻しておくから、って持ち帰って来ただけだから」
ゼノンも笑いを零しながら、ライデンの頭にそっと手を乗せる。
「こっちに帰る前に…封筒届けながら愚痴零して行ったでしょ?俺を怒らせて御仕置された、って」
「…あ~……言ったな…御免…」
何気なく零した愚痴だが、やはりみんなが知るところとなった訳で。流石にゼノンを悪者にしたことが申し訳なく思った。
「別に良いんだけどね。事実だし。まぁ…御仕置と言われるとね…」
「…御仕置、じゃん…焦らすだけ焦らして、満足させてくれないんだもん…」
あの時のことを思い出し、ちょっと頬を膨らませて拗ねた表情を浮かべる。
「ちょっと意地悪しただけじゃない。最終的に満足したでしょ?」
「………足りないし。もっとさ、こう……何て言うの…ぐずぐずになるくらい?」
力説するライデンに、ゼノンは苦笑して頭を撫で回す。
「わかったわかった。考慮するから。俺も言い過ぎたかな、って思ってたんだけど…みんなも心配してたみたい。フォローしとけよって念を押すから…遅くなったけど、こうして会いに来たんだから」
「…フォローって…?」
何をどうフォローしようと思っているのだろう…?そんな想いで、ゼノンを見上げる。
すると小さく笑ったゼノンが、ベッドに倒れているライデンの上に覆い被さると、耳元で囁く。
「改めて…楽しむ?今度は…ライデンの好きなところ、選んで良いから」
「……コレに乗ってくれんの?」
そう言いながら、手に持ったままの紙を広げてゼノンの顔へと向ける。
「良いよ。何処でも選んでくれて」
「…選んで良いって言いながら捨てるってどう言う事よ」
まるで邪魔だと言わんばかりに、その紙を奪って横に投げ捨てるゼノンに、ライデンが苦笑する。
「そりゃあ…あんな紙が目の前にあったら、キス出来ないでしょ?」
そう言いながら、唇に軽く口付ける。
「何処が良い?」
改めてそう問いかけたゼノンに、ライデンはその腕を首へと絡めながら、今度は自分から口付ける。そして。
「…ん~、選べないや。気持ち良いところ、全部で」
「…わかった」
ライデンが気持ち良いと思うところなら、流石に良く知っている。それならば、考え込む必要もない。
「じゃあ…存分に…ね」
くすっと笑うと、徐ろにその耳へと口付ける。そして、耳の中まで、舌を差し入れる。
「あ…ん…っ」
その湿った音と感触に、ゾクッとして首を竦め、声を零す。
丹念に耳を舐め、口付け、甘噛みする。その度に甘い声が零れる。
そのまま首筋、鎖骨、胸元へ。口付け、掌や指先で撫で、丹念に、その身体を愛撫する。
汗ばむ身体を重ね、更に快楽へと誘う。
先日の行為とは違って、ただひたすらに甘く、蕩け、その願い通り、ぐずぐずになるまで。
流石に満足した様子で眠りに落ちたライデンの寝顔を眺めながら、思わず苦笑するゼノン。
「…やっぱり、振り回されてるな」
それでもやはり、そこに愛しい想いがあるからこそ。
だがしかし。流石にこれ以上振り回されるのはいただけない。
「…後でこっそり処分、だな…」
大きな欠伸を零しつつ、そう零した本音。そして、ゼノンもまた眠りに落ちた。
翌朝。ライデンが起きる前にこっそりと例の紙を処分したゼノンだが……何処に潜めていたのか、実はまだ似たようなモノが幾つか眠っていて、後から出て来るとは露知らず。
誰かが収集していたのか、はたまたライデンが潜めていたのかは謎だが…思い出した頃に、またそれを目の当たりにして驚くことになるのだが…流石にその時には、笑い話で終わるのだった。
欲望の赴くまま。結局は、それが一番倖せのカタチ、だった。
*************************************
<おまけ>
鎖骨…性的な欲求
尻…性的な欲求、愛おしさ
足の裏…強い忠誠心や依存心
こめかみ…慰め
顎…恥じらい
肩…確認
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COMMENT
プロフィール
HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
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