聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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真玉手
このところ…やたらと、視線を感じる。
それも…その視線の先にあるのは、手。
全く…意味がわからない。
夕闇が落ちた、執務室。当然、もう執務時間は終わっている。
その執務室に、二つの姿。
一つは、主たる副大魔王デーモン。もう一つは、恋悪魔たる情報局長官のエース。
「…で、いつになったら終わるんだ…?」
「…もう直…かな?」
「一時間前もそう言ったな?御前…」
「…悪い…」
ソファーに座って読みかけの本に視線を落としたまま大きな溜め息を吐き出したエースに、デーモンは気まずそうに小さく溜め息を吐き出す。
仕事終わりに呑みに行こう!と約束はしたものの…どう言う訳か、終了時間の間際になって、大量に舞い込んで来た仕事。しかも、緊急を要する、と来た。
そして、迎えに来たエースを待たせること二時間余り…。
「…腹減った…」
「…済まん…もうちょっと……」
申し訳なさそうに書類に向かうデーモンを眺めながら、エースはぼんやりとその手元ばかり見つめている。
以前は…余り気には留めていなかったが…この恋悪魔の手が、非常に好みの部類だと言うことに気がついた訳で…そうなると、目が離せなくなる。
「…御前、最近手袋しないな」
ふと問いかけた言葉に、デーモンは小さく笑う。
「机に向かう仕事で、手袋って…やり辛いことこの上ないだろうが。あれは、外交用だ」
「…そう、か…」
言われてみれば、その通り。手袋をして書類を捲るのは非常にやり辛い。
まぁ、そのおかげで、堪能出来るのだが。
「…これでよし。終わったぞ」
「…そうか」
うーんと大きく伸びをするデーモン。その姿に、エースは徐ろにソファーから立ち上がると、デーモンの傍へと歩み寄る。
そして、その手を取る。
「…エース?」
突然手を握られ、何事か…と怪訝そうな表情を見せたデーモンに、エースは小さく笑う。
「今まで何度も手を繋いだりしたが…じっくり眺めるのも良いモンだな」
「…は?」
きょとんとするデーモン。だが、自分の手を、エースが甚く気に入っているようだ、と言うことは察した。
エースは、まるでエスコートでもするかのように、デーモンの手の指先の方を握り直す。
「ちょっと痩せたか?」
「…そうかもな。最近忙しくてな」
まだエースの真意がわからないデーモンは、普通にそう返す。
「そうか…だから、尚更目が行くのか…」
今までとはちょっと違う。それが、エースが急にデーモンの手に目を奪われた理由なら、納得は行く。
エースは、その指先に唇を寄せると、触れる直前でにやりと笑った。
「腹減ったから、これを喰う」
「…はい?」
口を開けたエースは、デーモンの目を見つめたまま、デーモンの掌に口付けると、指先に向かって軽く舐め上げ、甘噛みする。
「…んっ…」
背筋がゾクッとして、思わず声が零れる。
流石に恥ずかしかったのか、開いている方の手で慌てて口を押さえ、真っ赤になっているデーモンを、エースは笑って眺めている。
「エロいな~。何想像してんだ?」
「…誰の所為だ、誰の…っ」
普段から、掌や指先を舐められて噛まれることなどないのだから、自分の反応に自分で驚いてしまっていたのだが…まぁ、どう考えてもエースがちょっかいを出した結果なのだが。
「掌にキスされると、意外と感じるだろう?」
笑いながら、エースは再びその掌に口付ける。
「…ば~か」
真っ赤な顔のまま、エースの手を振り解き、椅子から立ち上がる。
「ほら、呑みに行くぞ…っ」
「散々待たせたクセに、態度がでか過ぎるぞ」
くすくすと笑いながら、デーモンの後について執務室を出る。
その後、やっと二名の空腹も満たされることとなった。
その夜。デーモンの屋敷にそのままやって来た二名。
デーモンの自室で改めて呑み直しながら、デーモンはエースの手をまじまじと見ていた。
「…まぁ…なかなか良い手だとは思うが…吾輩はそこまでそそられないがなぁ…」
デーモンのその言葉に、エースは小さく笑う。
「まぁ、普通はそんなもんだよな。俺だってそうだったしな」
「じゃあ、どうして急に?」
先程の姿を思い出し、ほんの少し頬を染めながら問いかけると、エースはちょっと首を傾げた。
「…さぁ?少し痩せたからかな?」
「御前なぁ…」
痩せていなければ論外だったのだろうか…?
そんな表情を浮かべたデーモン。
するとエースは、再びデーモンの手を取ると、その手の甲を撫で回す。
「理由なんてモノは、後付だろう?そう言えばあの時…とか、その時の状況から判断する為につけるものだ。だから、理由を聞かれてもわからないしな。ただ、この手を色っぽい手だな、と思ったのは事実だ。それが、どんな理由であれ…な」
そう言うと、今度はその手の甲にそっと口付ける。
「…あんまり煽るな…」
「馬鹿だな、敬意を表しているんだろう?」
「…ったく…」
くすくすと笑うエースの姿に、デーモンも小さく笑いを零す。
その時間さえ、いとおしい。
「じゃあ、煽りついでに…」
エースはそう言うと、デーモンの手を握ったまま、そっと顔を寄せる。
エースの顔が近づいて来ると、デーモンも薄く目を閉じる。
全部閉じなかったのは…エースの顔が、見たかったから。
長い睫毛の奥に見える、僅かに潤んだ金色の眼差し。
その色っぽさに、エースでさえも、一瞬ゾクッとした。
唇を重ね、吐息を交わす。長い睫毛が微かに震え、うっすら開いた眼差しは未だエースを見つめていて。
「……その眼は卑怯だ…」
うっすらと上気した頬と、官能に酔い痴れたような瞳。
その余りの色っぽさに、寧ろ笑いが込み上げて来た。
顔を伏せ、肩を揺らして笑うエースの姿に、デーモンも笑う。
「御前だってずっと見てたクセに…」
そう。デーモンの眼差しがわかると言うことは、エースもデーモンを見つめたままだった、と言うことに他ならない訳で…要は、どっちもどっち。
「御前の顔も、充分エロいから」
冗談めかしに言った言葉に、エースはニヤリと笑う。
「そそられるだろう?」
そう言葉を放ち、舌先でなぞった赤い唇は…確かに色っぽくてそそられるものがある。
「…まぁな」
小さく笑いを零したデーモンは、再びエースへと顔を寄せ、その下唇を軽く噛むと、上唇から下唇へと舌先で軽くなぞる。
「おい、エロ過ぎるぞ。今日はどうした?」
「黙ってろ」
零したエースの言葉を拾うように、デーモンはそのまま深く口付ける。
いつもはシャイなデーモンが珍しく積極的なのは…煽られた所為か。それとも…自分の手に、嫉妬した賜物か。
自然と絡めた指先は、熱い夜の始まりだった。
ふと目を覚ますと、まだ外は薄暗かった。
今日は、月夜だったはず。けれど、その光の一筋も入らない部屋の中は、うっすらと辺りが見える程度だった。
隣では、小さな寝息を立ててエースが眠っている。
寝返りを打とうとして…身動きが取れないことに気が付く。
「…ったく…」
小さく溜め息を吐き出したデーモン。その片手が指を絡めた状態でしっかりと繋がれていることに気が付いたのだ。
いつになく、自分の手に執拗な姿に…ちょっと、奇妙な気持ちになってしまっていた。
デーモンは、空いている方の手を目の前に翳す。
少し痩せた所為だと言った通り、手の甲が以前より少し筋張っている。それがどうやら、エースの気を引いたらしいと言うのはわかった。けれど、自分ではそんなに色気のある手ではないと思う。
「…変なヤツ…」
小さくつぶやいた声に、エースは僅かに身動いだ。けれど、起きる気配はない。
まぁ、そのうち変な執着も落ち着くだろうが…まだ当分は、弄り倒されることは必至だろう。
それもまた…愛されている証だろうか。
「それにしても寝辛いな…」
思わず本音が零れると、再びエースが身動ぐ。そして、空いていた方の腕でデーモンを抱き寄せる。
「…寝てるのか?起きてるのか…?」
抱き寄せられたその耳元で、小さく問いかけてみる。
返事はない。閉じられた眼差しも、相変わらず。
それなら…と、デーモンは更にその耳元に囁く。
「……あんまり、吾輩の手ばっかりに執着するな。嫉妬するから」
その瞬間。思わずプッと噴出したエース。
「自分の手に嫉妬するな」
くすくすと笑いながらそう言ったエースに、デーモンは溜め息を一つ。
「やっぱり起きてたのか」
「起こされたんだろう?耳元であんまり変なこと言うもんだから」
尚も笑いを零すエース。
「しょうがないだろう?御前が、吾輩の手にばかり執着するんだから」
そう零したデーモンに、エースは抱き締める力を強くする。そして顔を寄せると、そっと口付ける。
「馬鹿だな。御前の手、だからだろう?御前じゃなかったら、見向きもしない」
「…ったく…」
そう零しながらも…そんな風に言われれば、満更悪い気もしない。
「御前だけだから」
耳元で囁かれ、押し当てられた唇。その熱い吐息は、再び甦って来る興奮の波。
舌先で擽り、舐め上げ、甘噛みされる。当然、じっとしてなどいられない訳で。
「…こら、耳ばっかり…っ」
今度は、執拗に耳ばかり攻めるエースに、デーモンは思わず身体を捩り、声を上げる。
「手ばっかりって文句言うからだろう?」
にやりと笑うエースの顔が目の前にある。
「だからってなぁ…」
文句を言いかけたデーモンに深く口付け、反論を抑える。
勿論…エースは、手や耳だけに執着している訳ではない。
デーモンの、全てが愛しい。ただ、それだけのこと。
その肌に触れる指先が身体を弄る度、ゾクッと痺れるような感覚が這い上がって来る。
「…ぅん…っ」
甘い吐息が、塞がれた唇の隙間から零れる。
「…盛り過ぎだ…」
唇を離すと、デーモンは苦笑しながらそう言葉を零す。
「それだけ愛されてると実感しろ」
笑いながら、エースもそう言葉を返す。
「そうだな。でも、御前も同じだぞ?愛されているから、想いを返して貰えるんだぞ?御前じゃなかったら、大人しく応じる訳がない」
「嫌って程実感してる」
デーモンの言葉に笑いながら、エースは体勢を変えてデーモンを組み敷くと、まるで首元に喰らい付くかのように唇を押し当てる。
甘い嬌声が零れる。そして、身体を這う唇の感触に耐え切れず、身悶えする。
「…エース…」
強請るように名前を呼ぶ声も、とても甘い。
顔をあげ、潤む金色の眼差しに小さく笑いを零し、再び口付ける。唇を割って差し入れられた舌が、とても熱い。
再燃した熱は、一時の休息さえ、奪って行った。
求めるモノは、決して手放さない。
握った手の強さが、それを物語っていた。
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プロフィール
HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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