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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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誘惑 outside
こちらは本日UPの新作です。一応、前作の続編です。
パスワードはありませんが、
些かエロっぽいのでお気をつけて…(笑)

拍手[3回]


◇◆◇

 甘い口づけに、心が蕩ける。
 零れる吐息に混ざる微かな嬌声は、更なる深みへと誘い込む。
 指先が触れる度、小さく震える身体。
 汗ばんだ肌に唇を落とし、紅い花弁を散らす。
 重ね合わせた身体は、お互いにまだ満たされない。
 長い夜は、まだ、終わらない。
 それは…一組の恋悪魔同士だけではなかった。

◇◆◇

 大きな欠伸を隠すこともなく零しているのは、そこが自分の執務室であり、他には誰もいないから。
 けれど、その姿をくすっと笑う者がいた…。
「寝不足?」
 執務室のドアに寄りかかり、そう問いかけるのは…。
「…そ、寝不足。御前の相方のおかげでな」
「…それは失礼…」
 くすくすと笑いながら、執務室へと入って来たゼノン。
「…ったく…ライデンに良く言っとけよ?遊び半分でデーモンを煽るな、って。後が大変なんだから…」
「…ホント、もう年かね。流石に、明け方近くまでは後がきついね…」
「…おい…?」
 てっきり、また年齢のことでエースをからかっているのかと思いきや…
「…何だよ、そっちもかよ…」
 呆れた溜め息を吐き出すと、ゼノンは笑いを零した。
「何だろうね、この変な親近感。今までそんなに感じたことないけど…あ、これ。頼まれてた書類、ね」
「あぁ、サンキュー。まぁ、御前も年取った、って事だろうが。まぁ…彼奴等は相変わらず元気そうだけどな…って言うか、御前デーモンと同い年だろうが」
 苦笑しつつ、エースはゼノンが差し出した書類を受け取る。
「コーヒーでも飲んで行くか?」
「…そうしようかな」
 こちらも、いつになくお疲れ気味のゼノンは、素直にエースの提案に乗ったらしい。
 ソファーに深く腰を下ろすと、大きく伸びをする。
「珍しいな。御前がそこまで疲れてるのは。いつもは平然としてるのに」
 コーヒーを淹れ、ゼノンの前に置きながら、思わず問いかける。その拍子に、首元に散らされた花弁が視界に入る。
「…見えてるぞ。良いのか?」
「ん?あぁ…良いよ、別に。上から覗き込まれなければ見えないし」
「…ホント、そう言うところは滅法男前だよな、御前は」
「そう言うところは、って何よ…」
 エースの言葉に、思わず苦笑するゼノン。
 確かに、上から見なければわかりはしない。まぁ、肝が据わっていると言えばそれまでだが。
「御前がキスマーク付けられてるのも珍しいな。いつもはそんなことないだろう?一体、何したんだよ…」
 いつもはそんな無粋なことは聞かないのだが…ゼノンの草臥れ様に、ちょっと気の毒になってしまったり…。
 するとゼノンは入れて貰ったコーヒーのカップを片手にエースを見上げ、にやりと笑う。
「…何って…それを聞くんだ。まぁ…状況がいつもと違ったもんでね。知りたい?」
「…遠慮しとく…別に、御前等の性癖なんぞ、知りたくもない…っ」
 我に返ったエースは、溜め息と共にそう言葉を吐き出す。
「別に、そんなに逸脱してる訳じゃないけど?」
 笑いながらそう言うゼノン。相変わらず、そんな時でも飄々としている…。
「誰と比べて逸脱とか言ってるんだよ…。それに、逸脱していようがいまいが、それは御前たちの自由であって、俺が関与することじゃないだろう?」
 思わずそう言い返した時。小さなノックの音が聞こえた。
 そして顔を覗かせたのは、今回は唯一被害(?)を免れているルーク。
「珍しい。あんたたちが揉めてるなんて、何があった訳?」
 心配そうに問いかけるルークの声に、エースとゼノンは思わず顔を見合わせる。
 恐らく、ゼノンと同じに書類を届けに来たのだろう。それにしても間が悪い…。
「…別に揉めてた訳じゃないけど……知りたい?」
 再び、にやりと笑いを零したゼノン。
「…止めとけよ。御前の話は、ルークは…ドン引きだと思うぞ…」
 既に悪趣味の域に入りつつあるゼノンに、エースはそう忠告したが…その顔は、苦笑している。
「…何?何の話…?」
 全く意味がわかっていないルークは、怪訝そうに首を傾げる。
 するとゼノンはくすくすと笑うと、ルークを手招きして隣へ呼ぶ。そして、その耳元でひそひそと何かを耳打ちする…と、途端にルークは顔を真っ赤に染めた。
「ちょっ……何の話かと思ったらそんなこと…っ」
「試してみる?ダミアン様と」
「……ばーかっ!そんなことしないもんっ」
 真っ赤な顔のまま、書類をエースの机に叩きつけるように置くと、そのまま執務室を出て行く。
「…あ~ぁ。機嫌損ねたぞ?一体、何処まで教えたんだよ…」
 執務机の上で頬杖を付きながら溜め息を吐き出したエースに、ゼノンはくすっと笑う。
「最初の方の、マイルドなところをぐらいだよ?このところ、ダミアン様が忙しいから欲求不満なんじゃない?上半身裸の上にこの制服着せられて、半分脱がされた上に撫で回された辺りまでしか話してないし。その後散々ライデンに喘がされたなんてとてもとても…」
「俺に言わなくて良いから…寝不足でリミッター可笑しくなってるぞ。って言うか、御前たちそっちもありなのかよ…」
 エースも、いつもは絶対聞かないのに、今日に限って何を聞いているのだろう…と自分でも可笑しいと自覚しつつ…溜め息を一つ。
 ゼノンは…と言うと、別段表情も変わらず、いつも通り飄々としているが。
「確かに寝不足で、自分でも何言ってるのか頭回ってない時あるしね。今日は大人しくしてるよ。で、そっちって何さ。聞きたいの?俺たちのことなんか大して興味ないクセに。夕べのことは、ただ単に主導権取られたってだけの話だけど?」
「……わかったよ。言及して悪かったよ。もう良いから」
 呆れ顔でそう言いつつも…夕べのデーモンと、やってることが大差ない事を、ぼんやりと思い出す。それがPVの影響であることは明らかだった。
 まぁ、エースはゼノンと違ってアンダーシャツは着ていたが。
「…デーモンのところのPV…没収、だな…」
 ポツリとつぶやいた声に、ゼノンは状況を察して再び笑う。
「早々に…ね。責任持って、没収しといて。でないと、また眠れないよ?」
「…了解…」
 溜め息を吐き出すと、ついでに笑いも零れた。
「…単純だな、彼奴等…」
「ホントに。変なところで、結託しないで貰いたいね」
 苦笑いをしつつも…御互いに、頻繁でなければ、まぁあれはあれで…と思っていたりもする。
「さて、そろそろ戻らないとね」
 ゼノンはそう言うと、コーヒーを飲み干してソファーを立つ。
「お邪魔しました。コーヒー、ご馳走様。また報告に来るね」
「…夜の方の報告はいらないからな」
「…なぁんだ。残念。じゃ、またルークにでも…」
「…やめとけ。本気で嫌がられるぞ…」
 くすくすと笑いながら、エースもそう言葉を返す。
「大丈夫だよ。あれでも、ちゃんと恋悪魔やってるんだから。ダミアン様が忙しいからあんまり会えないみたいだけど、言わないだけでそれなりのことはやってるでしょ?まぁ…ダミアン様が知ったら…確実に面白がるね」
「…PV、ダミアン様に横流しするか…」
「ダミアン様に渡したら、そのうちまたデーモンのところに戻っちゃうよ?」
「…それは却下、だな…」
 真面目な顔をしてそう言い合う二名。顔と話の内容が全く違うので、実に奇妙ではあるが…。
「…じゃあね」
 にっこり笑って、執務室を出て行くゼノン。その背中を見送り…エースは、再び欠伸を零していた。
「…ったく…」
 苦笑いと共に零れた、小さな言葉。
 まぁ、あれはあれで…。
 楽しんだのは、お互い様、と言うことで…。

◇◆◇

 エースの執務室を出た後、ダミアンの執務室へとやって来たルーク。勿論、仕事の都合で…なのだが。
「…どうした?その顔は…」
 先程、ゼノンから打ち明けられた話を思い出し…思わず、赤面するルーク。それを、不思議そうに見つめるダミアン。
 その姿は、夕べのエースとデーモンと同じなのだが…まぁ、ルークがそれを知る由もない。
「…何でもないです…っ」
 力強くそう言い切ったものの、どうにも…振り払うことが出来ない。
 別に、ゼノンとライデンの姿を想像している訳ではない。悲しいかな、そこは自分と最愛の恋悪魔に…と、入れ替わってしまう。
 恋悪魔同士なのだから、当然それ相応の経験はある。だからこそ、赤面しているのだ。
「わたしに、隠し事かい?」
 ルークの姿を眺めつつ、何となくその思考を察してみる。そして、くすくすと笑いながら問いかけるダミアン。その姿は…実に、楽しそうで。
「…そう言う事じゃ…」
「じゃあ、何だろうね?ゼノンに…何か、吹き込まれたかい?」
「……また連絡網ですか…っ」
 自分がここに来るまでの間に、既にダミアンが知っていると言うことは…全く以って恐ろしい連絡網である…。
「ビンゴだね?」
「それは、その……」
 くすくすと笑うダミアン。
 相変わらず、どこから情報が入って来るのか謎だが(実際は、エースかゼノンなのだろうが、そう言う事は絶対口は割らないので出所がわからないまま…)ルークは真っ赤な顔のまま言い澱む…。
「相変わらずだね、御前は。恋悪魔だろう?もっと、堂々としていれば良いのに」
「そう言われても…」
 仲魔内では黙認されているものの、公に出来ない関係で、どうやって堂々としろと…。
 小さな溜め息を吐き出したルーク。そんな姿に、ダミアンは笑って椅子から立ち上がると、ルークの元へと歩み寄る。そして、その手を掴むと、奥の間へとそのまま連れて行く。
「…ダミ様……?」
「しーっ。大きな声を出すと、デーモンに聞こえるよ…?」
「…ちょっ……」
 そう。この執務室の隣は、デーモンの執務室。大きな声を出せば、聞こえるかも知れない…。ダミアンもそれを承知で、ルークの反応を楽しんでいるのだろう。
 ダミアンは、奥の間のドアを閉めると、そのドアにルークの背中を押し付け、逃げられないよう、その手をルークの両側に着く。
「…執務中に何を…」
「うん?折角御前の心も煽られたみたいだから、我々も、ちょっとだけ楽しいことを…ね」
 ダミアンはそう言うと、その顔をそっとルークに近付ける。
「…欲求不満ですか?」
 思わず口を突いて出たルークの言葉に、ダミアンはにっこりと笑った。
「そう、だね。このところ忙しかったからね。たまには、欲望に正直にならないと」
 吐息が頬を掠め、耳許へ。
 ダミアンは、ルークの耳にかかる髪を掻き上げると、徐ろにその耳に口付ける。
「ちょっ…ダミ様…っ」
 思わず身を竦め、声を上げる。けれどその声には、甘い響きが混ざっていて…拒否するものではないことは明確だった。
「…ゼノンの話を実行するかしないかは、御前次第だよ?」
 ルークの耳に唇を押し当てたまま、囁く声。その声に、思わず心臓が跳ね上がる気がした。
 ダミアンの手が、ルークの胸に触れる。
「鼓動が早いね。緊張してるのかい?それとも…興奮してるのかい?」
 そのまま、ルークを煽るように、その唇は髪を掻き上げられて露になった首筋に落とされる。
「……ぁっ」
 僅かに身を捩ったうなじにもそっと口付けると、ダミアンはやっと顔を上げる。
「どうする?ルーク…?」
 片手で顎を持ち上げられ、強制的に視線を合わせる。目の前の眼差しは…真っ直ぐにルークの黒曜石を覗き込んでいた。
「…ダミ様…」
 名を呼んだルークの唇に、ダミアンの唇が重なる…直前。
 ルークの背中を押し当てているドアが、ノックされた。
『…ダミアン様、ここにいるんですか…?』
 様子を伺うように聞こえた声。それは、聞き慣れた副大魔王の声に他ならない。
 その瞬間、ルークは我に返り、かぁっと真っ赤になる。
「…あぁ、いるよ。今開けるから、ちょっと御待ち」
 絶妙なタイミングで割入ってきたデーモンに、ダミアンは思わず笑い出す。
「…流石デーモンだね。ピンチの御前を助けに来たようだ」
 ルークの耳許でそう囁くと、ルークは真っ赤な顔のまま、小さく息を吐き出す。
「もぉ…ふざけ過ぎです…」
 小さくそう零すと、ドアの前から横の壁へと身体をずらす。
「…わたしはいつでも本気だよ…?」
 笑いながらそう囁いたダミアンは、にっこりとルークに微笑んで見せると、ルークの姿が見えない角度でドアを開け、執務室に戻る。
 ドアが閉まり、奥の間に独り残されたルークは…大きい溜め息をこっそりと吐き出し、壁に背を着けたまま、ずるずると床へとへたり込んだ。
 バクバクと大きく脈打つ心臓も、真っ赤になった顔も、ルークの胸の内を語っているようで。
「…びっっくりしたぁ……ホント、心臓に悪い…」
 ぐったりと頭を抱えるルーク…まぁ、巻き込まれて被害を被ったと、諦めるしかあるまい…。
 でも…と、一呼吸置いたルークは、今自分が置かれている状況をちょっと考えた。
 どうやら、自分はからかわれているらしい…と。
「…ったく…俺はおもちゃじゃないっつーの…」
 大きな溜め息を吐き出し…暫し、気持ちを落ち着かせる。そして立ち上がると、執務室の様子を伺う。
 話し声は、もう聞こえない。と言うことは…デーモンは自分の執務室に戻ったのだろう。
 そっとドアを開けると、そこにはダミアンの姿だけ。
「…デーさん、帰りました…?」
 小さく声をかけると、ダミアンはにっこりと微笑む。
「あぁ、戻ったよ」
 その声に、ルークは大きな吐息を吐き出しながら、執務室へと戻って来る。
「…俺も帰ります。仕事、残ってますから…」
 ポリポリと頭を掻きながらそう言うルークに、ダミアンはくすくす笑う。
「続きは良いのかい?」
「…良いです。帰ります」
「…そうか」
 ちょっぴり残念そうな表情を見せたダミアンに、ルークは溜め息を一つ。そして。
「…俺は…そんなことで、彼奴等に張り合うつもりはないですよ?俺はただ…誰かの真似じゃなくて、純粋に…」
----貴方のやり方で、貴方に愛されたいだけですから。
 ちょっと照れたように、そう言ったルーク。
 その言葉には、ダミアンも満面の笑み。
「御前も、気障なことを言うようになったね」
「……エースには負けます」
 くすっと、ルークも笑った。
 そして、ダミアンへと歩み寄ると、その頬に手を伸ばし、そっと口付ける。
 ほんの少しだけ…甘い、吐息を吐き出す。
「…夜まで、お預けですよ?」
「良いだろう」
 にっこり微笑むルークに、ダミアンもにっこりと微笑んで返す。
「御前には、敵わないね」
 流石のダミアンも、ルークには敵わず。
 心底、惚れてしまったのは…果たして、どちらが先だったのか。
「じゃあ、戻りますね」
 ルークはそう言うと、微笑みを残してダミアンの執務室を後にする。
「…流されないところは、流石だね」
 ルークの背中を見送り、ダミアンは笑いながらそう言葉を零す。
 でも、ダミアンにしてみれば、ちょっとだけ物足りなかったのだが…致し方あるまい。
「楽しみに待っていようか」
 その時を、楽しみに。そうすれば、喜びも快楽も、きちんと分かち合える。
 惚れてしまったのだから、そのお預けは仕方がない。
 ルークの魅力を再確認したダミアン。
 それはそれで…満足な結果、だった。

 その夜、何があったかは…当然二名だけの秘密。
 これに関しては、この二名は口が堅いので、誰にも漏れることもないのだろう。


 因みに。その日の内に、エースの手によってデーモンの執務室から例の映像が没収されたのは言うまでもない…。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
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がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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