聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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toi toi toi!!
今日の日がうまくいく、おまじないの言葉。
そんなモノ……気の持ちようでしかない…。
温もりから遠ざかっているような気がして…ふと睡魔が遠ざかる。
「…さむっ…」
かかっているはずの上掛けから、身体半分外に出ている…それじゃ寒い訳だ…。
ぶるっと寒気を感じ、手を伸ばして上掛けを手繰り寄せる。そして、しっかりと上掛けの中に納まると、ほっと一息。
けれど…温もりが一つ、足りない…。
「…エース?」
目を開け、身体を起こしてみれば…隣に寝ていたはずの姿はない。
時計を見れば、まだ日も昇らない程早い時間…と言うより、まだ真夜中。
枕元の明かりを灯して部屋の中に視線を向けても、その姿はない。
「…何処行ったんだ?彼奴…」
一応、ベッドから起き出して窓の外を覗いたり、廊下を覗いたりしてみるが…気配すらない。
溜め息を一つ吐き出した時、枕元にあるのテーブルの上に走り書きのメモがあることに気がついた。
----急な任務が入った。落ち着いたら連絡する エース----
「…ったく…」
再び、溜め息が零れる。
折角二名揃っての休暇だったのだが…これでまた、暫く休暇は合わなくなるだろう。
まだ起きる時間でもないのに、すっかり目も覚めてしまった。
「…やれやれ。さて、どうしようかな…」
どうせ、ベッドにはいったところで眠れる訳はない。だからと言って、一杯引っ掛けるにも…相手がいないのだから、面白くもない。
諦めた彼は、読みかけだった本を手にベッドへと戻る。
ぬくぬくとしながら再び睡魔が訪れるまで読書でも勤しもう。
そうして時間を持て余した結果…明け方近くに二度寝をして、昼近くに目覚めると言う、だらけた…否、のんびりとした休暇となった。
休暇も明けた彼を待っていたのは、エースが呼び出された任務の詳細だった。
そしてその書類を持ってきたのは、彼の片腕の一名、ルーク。
「御免ね。折角の休暇中にエース呼び出しちゃって…」
申し訳なさそうにそう口にしたルーク。
「…別に、お前の所為じゃないさ」
そう口にしたものの、書類に目を通しながら溜め息を一つ。
休暇に入ったエースを呼び出してまでの任務は、確かに一筋縄ではいかないくらい、面倒なモノだった。
「…ったく…」
幾度溜め息を吐き出したところで、エースの休暇が戻ってくる訳でもなく…二名の時間が戻ってくる訳でもない。それはわかっているのだが…やり場のないストレスは溜め息で消化するしかない。
書類を片手に、もう片手の指先は無意識に机をトントンと叩いている。
その様子を見ていたルークは、くすっと小さく笑いを零した。
「何かさ、リズム取ってるみたい」
「…そんな楽しい気分じゃないけどな」
「でもさ、なんかなかったっけ?テーブル叩いて歌うヤツ」
「………あぁ……」
ルークの記憶と彼の記憶が同じかはわからないが…ふと、思い出したことはある。
昔…彼自身が歌った歌。
「…テーブルを三回叩くのは、幸せを願うおまじないなんだ」
ふと口をついて出た言葉に、ルークは首を傾げる。
「幸せを願う?悪魔が?」
「…まぁ、良いじゃないか。それはそれで」
「…変なの」
くすっと笑いを零すルーク。そして彼のサインを貰うと、流石に忙しいのか、珍しくすんなり帰って行った。
その背中を見送り、彼も小さく笑いを零す。
本当に…そんなおまじないなど、信じている訳じゃない。けれど…気の持ちようだとは言え、気持ちを落ち着けるには…まぁ、久し振りに歌ってみるのも良いか、と思ってみたり。
「…歌詞、なんだったかな…」
残念ながら、全部は覚えていない。多分…思い出せないだろうし。
メロディーなら、何とか思い出せる。
彼は、鼻歌を歌いながら、テーブルをトントントンと軽く叩く。
----toi toi toi 大丈夫、きっと、きっとね、大丈夫 いいことがあるように、心から願う、頑張れ、きっと、きっと、うまくいくよ
「…上手く行くと良いな」
くすっと笑いながら、ちょっとだけそう願ってみる。
ほんのりと…胸の奥が、暖かくなるような気がした。
翌日の夕刻。
定時を少し過ぎ、今日はもう帰ろうか…と彼が机の上の書類を片づけ始めた時。執務室のドアがノックされる。
「…はい?」
帰り支度を始めてからの来訪に、怪訝そうな色を乗せ答える。
けれど、ドアを開けて入って来た姿に、思わず目を丸くする。
「…どうした?」
「…何だよ、それは…無粋な出迎えだな…」
思わず問いかけた彼の言葉にくすくすと笑う姿は、紛れもない。エースその悪魔、だった。
「どうした、って言われてもな。終わったから帰って来た、としか言いようがないんだけどな」
「…そう、か…」
確かに、自分で言った言葉が可笑しかったと思ったのか、彼もくすっと笑いを零した。
彼は…ちょっと考えたものの、にっこり笑って両手を広げた。
「お帰り」
その姿に、エースも笑いを零す。そして、彼に歩み寄るとそっと抱き締めた。
「…ただいま」
顔に当たる軍服が埃臭い。そして、染み付いた煙草の匂いも鼻をくすぐる。でも…それがとても愛おしい。
「…今度は、起こしても良いから。ちゃんと、吾輩の顔を見てから任務に出かけろよ」
「…あぁ、悪かったな」
エースも、彼の髪にそっと口付けると、その中に顔を埋める。
ほんの数日離れていただけ。けれど…とても長い時間離れていたような気がして。
「…やっぱり、ここが一番落ち着く」
「…この体勢で落ち着かれてもな~。吾輩はこの体勢だと、腰が痛くなるんだが…」
彼にそう言われ、エースは身体を離す。そして再び笑いを零した。
「仕方ないな。じゃあ、報告が終わったらゆっくりまったりするか」
「そうしてくれると有難いな」
彼も再び笑いを零すと、椅子に腰を下ろした。
そして、エースからの報告を受ける。
…と、そこで疑問が一つ。
「…昨日、ルークからこの任務に関する報告を受けたんだが…まだまだかかる予定だったよな?結構、厄介だったはずだが…どうしてこんなにすんなり終わった?」
以前から…時折無謀なことをして勝手に戦いを終わらせてしまう、と言う前例があるエース故に、今回もまた何かしでかしたのでは…と、ふとそんな思いが過ぎり、問いかけた彼であったが…目の前のエースも、それに関しては不思議そうに首を傾げた。
「さぁ…な?俺にも良くわからない。厄介事だと呼び出された割には、そこまで厄介ではなかったし…思っていたよりもすんなり事は運んだしな。俺が呼び出される必要があったか?と思うくらいだったんだが…」
報告書と現場の主観に、ズレが生じていた挙句、呼び出されてもたいした仕事はなかった…と言う現実。
「…そんなこともある、か?」
「…そうだな」
まぁ…笑って済ませられる話であれば、問題はないのだが。
「じゃあ、報告終了。さて、俺は明日から代休~!」
大きく伸びをして、ソファーに座ったエースは、嬉しそうにそう言う。
「残念ながら吾輩は仕事だ」
くすくすと笑いながら、改めて机の上を片付ける。
「でも今日はもう帰るんだろう?せめて今夜は一緒にいられるか?」
彼が片付ける姿を眺めながら、エースが一言。
「あぁ。一段落ついたしな。あぁ、そうだ。お前から報告は聞いたが、ダミ様に届ける任務終了の報告書はきちんと、早目に出せよ」
「…わかってるよ。休暇が明けたらちゃんと出すさ」
折角の休暇に水を差されたエースは、ちょっと苦虫を噛み潰したような顔をした。そしてその顔を、彼は笑って眺めていた。
ふと過ぎったのは…本当に、アテにはしていなかったけれど…もしかしたら、あのおまじないが叶ったのではないか、と言う思い。
「…まさか、な」
くすっと笑いながら、小さくつぶやいた言葉。
「ん?どうした?」
彼のつぶやきを聞きつけたエースは、不思議そうに首を傾げる。
「うん?何でもない」
エースには、内緒にしておこう。彼の表情から察するに、そんなところだった。
「さて、帰ろうか。今夜は、邪魔は入らないだろうし」
「どうかな~?」
くすくすと笑いながら、エースはソファーから立ち上がった。
「きっと、大丈夫だ。おまじないしておくから」
「…は?」
彼の言葉に、エースは怪訝そうに眉を寄せる。
「おまじない?」
「…何でもない…っ」
そう。話してしまったら勿体無い。胸に秘めた想いだから、叶うのだと思う。
だから…。
「さ、帰ろう帰ろう。吾輩は明日も忙しいからな~」
にっこりと笑って、今のつぶやきは、なかったことにしよう。
エースは怪訝そうな表情のままだったが…それ以上、何も言わなかった。
「…ま、いっか」
それ以上、追求しないこともまた必要なのだろう。
要は…誰にも邪魔されず、一緒にいられれば良いのだから。
今日の日がtoi toi toi 健やかでtoi toi toi すばらしいtoi toi toi 良い日であるように
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プロフィール
HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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