聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
confidence
それは、酒の席での戯言。
数ヶ月振りに休暇を取って雷神界を訪れて来た、同い年の仲魔。
そして、愚痴零しと言わんばかりに呑み始めてから暫し。
いつの間にか、何気ない話から、プライベートの深い話へと変わっていた。
「…え?……ベッド以外でしたことないって…?」
思わず声を上げかけ、流石に内容が内容だけに声を潜めてひっそりと問いかけた声。
雷帝の自室でのんびり呑んでいたので、特に他に誰も聞いてはいなかったのだが…そこは念の為、と気を回したのだろう。
「…驚くってことは、あんたはあるんだ。"あの"ダミ様と、ベッド以外で」
馬鹿にされているのだろうか。ちょっとムッとした表情を浮かべながらそう問いかけた声に、一瞬の間。
そして。
「……あるっちゃあるけど…って言うかさ、"あの"って何よ。それに、今更何さらっとそんなこと暴露してんのさ…」
そう零しながら、僅かに赤くなる。
「だってさ?ダミ様って、誰よりも紳士じゃん?まさか、そのダミ様がねぇ…想像つかない訳よ。同じ皇太子として育ったって、俺は一名で野山駆け回ってたタイプだし?育った環境も随分違うのに」
平然とそう言う彼に、溜め息が一つ。
「…曲がりなりにも一国の皇太子が、何で侍従も連れずに一名で野山駆け回ってんのさ…そりゃ、上皇様が心配する訳だよ…」
「だって、森の方は誰もいないし。流石にさ、街の方にはフィードも連れて行ったから、一名じゃなかったよ?」
何が悪いんだ、とでも言いたげなその表情に、更に溜め息を一つ。
「まぁね、俺だって何もないところで育ったから、野っ原や森ん中うろうろしてたし、湖泳いだりしてたけど……」
そう言いながらふと過ぎった昔の記憶に、思わず首を横に振る。
彼にしてみれば、現恋悪魔が初めての相手ではない。だがそこには触れたくはない訳で。言ってしまえば、昔は寧ろベッドで…と言う方が経験がない。まぁ、相手が想像しているのは現恋悪魔。状況が状況なのでそこには触れず黙っているが。
「…いや、俺の昔話は良いや。それよりもさぁ、俺にそんな話して、あんた何がしたい訳?そう言う事は、ゼノンに言いなよ…」
呆れたようにそう零すその姿に、拗ねたように頬を膨らませる。
「改めてゼノンに言うほどでもないかと思ってたんだけど…別にさ?不満は何もないんだ。十分満足だし、マンネリ化してる訳でもないしね。ただ、ちょっと…何て言うの?興味がある、って言うかさぁ…」
「だからゼノンに言えってば……って言うか…マンネリ化したことないの?凄くない?あんたたち、もう何年の付き合いさ…」
指折り数えながら、誰よりも長いその年数を考えれば、その方が珍しい。結婚したのは数年前だが、出会ったのは雷帝が魔界に修行に来て間もなくと聞いている。言わば、ルークと出会ってからとそう変わらない。それだけの年数だが、未だに付き合いたてと言わんばかりの激甘ぶり。それもさることながら、マンネリ化させない上に、十分満足させてくれる相手を褒め称えるべきではないか…と、ふと思ってみたりもする。
「そんなに驚くってことは、あんたマンネリ化してんの?まだそんなに経ってないでしょ…?」
「…ヒトの言葉尻だけ取って、揚げ足取るんじゃねぇよ…別にマンネリ化なんかしてないからっ」
先ほどの自分がやったように相手が指折り年数を数え始めると、思わず赤くなってその手を軽く振り払う。
そして、咳払いを一つして、平生を取り戻す。
「…ってか、褒めてやりなよ、ゼノンをさ。不満、ないんでしょ?そんだけ長い間満足させてくれるってことは、それだけ愛されてるんでしょ?別に、誰と比べるもんでもないじゃん」
くすっと笑いを零した仲魔に、溜め息が一つ。だが、その頬がほんのりと赤い。
「まぁ…わかるけどさ…」
「何処でやるだとか、別に関係ないじゃん。まぁそれが不満だってなら、言えば良い話だしな。でも、あんた雷帝だからね?その辺、ちゃんと考えないと。興味本位でやって誰かに見つかろうモンなら、威厳も何もあったもんじゃないからな?」
くすくすと笑いながらそう言った姿に、彼も笑いを零す。
「そりゃそうだ。そう考えると、ダミ様ってすげぇなー?ヒトに見つからないところって何処よ?あのダミ様だしね、執務室ってことはないだろうから、やっぱり前の皇太子宮でしょ?」
そう言われ…思わずふっと、記憶が甦る。
あの時は…大魔王宮への引越しが前日に終わって、使用魔はみんな新居の片づけに行っていた時。あの皇太子宮には、自分と皇太子しかいなかった。必然的に、何処にいても誰にも見つかる状況ではなかった訳で…取り立てて、見つからない場所を探した訳でもない。雰囲気に流されて…と言うか…ルークにしてみれば、ただ単に求められた場所が外だった、と言うだけの話なのだが。
…と言うか、そんな状況を事細かに伝える必要性は何処にもない訳で。
「…俺の話は良いってば……絶対教えないし…っ」
赤くなった顔でそう返すと、ニヤリと不敵な笑みが返る。
「思い出して赤くなるなんて、可愛いなぁルークは」
「…ったく…そう言う話になると強気だよな、あんたは」
「まぁ、経験値だけは誰よりもありますから?」
「…素直に、それだけ相手に出来るゼノンがすげぇわ…」
くすくすと笑うその声に溜め息を吐き出しつつ…仲が良いだけに出来る話であることも確かなこと。
相手は、一国の王。けれど、それを微塵にも感じさせないこの低レベルな会話に参加している自分もまた、一国の王に恋をしているのだからどうしようもない。
苦笑しつつ、それ以上の話題は曖昧に話を逃れる。
暫く放置したままだった酒のグラスに口を付けると、他愛もない話で盛り上がる。
そして、久し振りに明け方近くまで話に花を咲かせたのだった。
昨日訪ねて来ていた仲魔が魔界へ戻るのと入れ替わりに、雷神界へとやって来たのは伴侶たるゼノン。
「ルーク、昨日来てたでしょ?」
顔を合わせるなりそう問いかけられ、くすっと笑いが零れた。
「まぁね。ルークが先に来るって聞いてたんでしょ?」
「一応ね。随分早く帰ったんだね?顔ぐらい合わせるかと思ったけど」
「ダミ様に会いに行ったんじゃない?」
笑いながらそう言う雷帝。夕べの話題からなら、恐らくそうなるだろう、とは思っていた。
「ルークさ、前にも増して色っぽくなったね。やっぱり満たされてんのかな」
「多分ね」
くすくすと笑う雷帝に、ゼノンも小さく笑いを零す。
「俺たちには何も言わないけど、御前には惚気てるんだね」
「まぁ、俺からは洩れないと思ってるみたいよ」
住んでいる世界が違うのだから、安全と言えば一番安全。そして意外にも…と言ったら聞こえが悪いが、口も堅い。一国の王であると考えれば当然だが、それも心強い。だからこそ、ルークも安心して素で話せるのだろう。
「御前だから言えるんだよ。吐き出せるところがあるのは何よりだしね」
ソファーに腰を下ろしながらそう口を開いたゼノンだが…雷帝が隣に座ると、ふと、あることが過る。
「……ルークがここで惚気ていく、って言うことは…御前も、同等、ってこと…?色々、ルークに話してる、ってこと…だよね?」
「……えっと……別に変なことは言ってないと……思うんだけど……?」
すっと、視線が外れる。非常にわかり易く…
「…胡麻化す、って言うことは…ぶっちゃけてる訳、だ?」
「…えっと……」
顔を覗き込むと、同じペースで視線を背ける。つまり、わかり易く胡麻化しているのが良くわかる。
「…まぁ…減るもんじゃないから良いけど…あんまり変なこと、言わないでよ…?」
「…御免…」
ゼノンは大きな溜息を一つ。
ルークに知られた、と言うことは…いつの間にかあちこちに広まっても可笑しくはない。まぁ、ゼノンだけではなく、雷帝たるライデンが絡んでいる上に、内容が内容ならそうそう触れ回ることはないだろうが。
「…御免ね…?」
ゼノンが怒っている、思ったのだろう。溜め息を吐き出したその顔を反対に覗き込む。眉根を寄せた申し訳なさそうなその表情に、思わず笑いを零す。
「別に怒ってないから。ただね、御前は雷帝なんだから…例えルークとは言え、何でもぶっちゃけて言い訳じゃないからね?」
「わかってるよ。別にさ、全部を話してる訳じゃないし。ほんのちょっと…ね。ルークにも、雷帝なんだから変なことしないように気をつけろ、って言われたけど…そんなに、危ない橋を渡ってるつもりはないんだけどな…」
ポリポリと頭を掻くその姿は、無防備そのもの。そんな姿だけ見ていれば、確かに雷帝とは思えないほど無邪気に見える。だからこそ、例え中身がしっかりして来ても、みんな心配するのだろうが。
「俺だって…十分、気を付けているんだから…」
「ゼノン…」
思わず零した言葉と共に溜め息を吐き出すと、ゼノンはソファーへと背を凭れる。
「…御免ね。御前には零すつもりはなかったんだけど…俺が気を抜いたばっかりに、御前の雷帝としての威厳を損なわす訳にはいかないでしょ?俺が余計なことをすれば、それ見たことかと直ぐに嫌味を言われるんだから。俺はそれでも大丈夫だけど、御前の立場が悪くなるようなことは十分過ぎるほど警戒して当然なんだ。それだけは…わかってね?」
「…わかってる。御免ね…気苦労ばっかりかけて…」
小さな溜め息を吐き出す雷帝。多少のことはあるだろうと察してはいたものの…そこまで露骨な態度を向けられているとは思わなかった。伴侶を大事にしたい気持ちは山々なのだが…雷帝としては、伴侶だけを融通することは中立の均衡を揺るがす恐れもある。そう考えると、どうしたら良いものやら…と、迷いが生じる。
そんな複雑な表情が見えると、ゼノンはくすっと笑いを零す。
「俺は大丈夫、って言ったでしょ?御前は今まで通り、しっかり雷帝としての立場を保ってくれれば良いから」
そう言って、その頭を引き寄せる。
共に、一緒にいる為に選んだ道。だからこそ、雷帝の為を思えば特に苦ではない。ゼノンはそう思うのだが…どうやら余計な心配を与えてしまったらしい。
頭を寄せたまま、小さな吐息を一つ吐き出したゼノン。そして、どう伝えようか…と考えながら、言葉を発する。
「ねぇ、ライデン…俺は…ずっと、御前が好きだよ。今のままの、御前で良い。雷帝だから、当然責任もあるし…色々難しいことは今でも山のようにあるんだけど…でも俺はね、出来れば…変わって欲しくはないんだけど…」
「…エロエロでも?」
「……あのねぇ…」
困惑顔のゼノンに、くすっと、小さく笑う。
「俺も、どんなゼノンでも好きだよ。勿論、エロエロ大歓迎!」
「…もぉ…」
呆れながらも、やはり笑いが零れる。
半分は本気だろうが、もう半分は暗い表情のゼノンを元気づける為に。その姿は、幾つになっても、何年一緒にいても変わらない。それが彼なのだ。だからこそ、ゼノンもずっと同じ想いを抱いていられるのだろう。
大切な、伴侶の為に。
「…因みに…何ぶっちゃけたの?」
答えないだろう…と思いつつ、取り敢えずもう一度聞いてみた。すると、今まで笑っていた雷帝はちょっと表情を引き締め…暫く考えてから、ゼノンの耳元で小さく囁いた。
「…エロエロですが…聞いてくれます…?」
「……やっぱりそっちなんだ…」
そんな言葉と共に、溜め息を一つ。けれど、上目遣いでそっと寄り添って顔色を窺う姿を見せられたら…惚れた弱み。最早、笑うしかない。
「…じゃあ…取り敢えず、話を聞くところから…ね。実行するかどうかはそれから」
「…ОK。じゃあ、折り合いのつくところまで話しましょう?」
一歩前進。取り敢えずは、無謀ではない範囲で。それを心掛けさえすれば、今のままの倖せを保てる。
「ゼノン、愛してるよ」
「もぉ…調子良いんだから…」
ゼノンも苦笑しつつ、それでも愛おしい。
どちらからともなく、頬を寄せる。目を伏せ、甘い吐息を絡め、その心地好さを堪能する。
二名で過ごす時間は、普段離れて暮らしているからこそ、大事な時間、だった。
現状に、不満はない。それは確かなこと。けれど、時々は…ちょっとだけ、興味もある訳で。
後は、要交渉。
素直にそれを吐き出せるのは、相手を信頼しているから。勿論、ルークに関してもそれは同じ想い。信頼しているからこそ、愚痴も零せるのだ。
雷帝の願望が叶うかどうかは…当然そこは秘密裏に交渉を…と言うところで落ち着いたようだった。
PR
COMMENT
プロフィール
HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
カレンダー
カテゴリー
最新記事
(06/23)
(10/08)
(10/08)
(09/30)
(09/10)
(09/10)
(08/06)
(08/06)
(07/09)
(07/09)
アーカイブ
ブログ内検索