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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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PERFUME
こちらは本日UPの新作です

拍手[2回]


◇◆◇

「…なぁ…エースって時々良い匂いしないか…?」
 ふと、思い出したようにそう口にしたのは、副大魔王たるデーモン。
「…そう?別にエースは香水だとか何か付けてる訳じゃないし…いつもと変わらないけど…あ、もしかして加齢臭?」
「…臭い訳じゃないぞ?加齢臭とか言ってると、またエースに怒られるぞ…」
 くすくすと笑う仲魔を前に、デーモンはちょっと眉を寄せる。
「冗談に決まってるじゃない」
 相変わらず、くすくすと笑っている彼は、まぁ…エースよりも若いのだから、からかうのも無理はないのだが。
「でもさ、別に俺は良い匂いとかわかんないけど?ダミ様は始終良い匂いしてるけど」
「…ダミ様はまた別だろうが…」
 確かにダミアンには、皇太子たる彼だけが使うことを許された、個悪魔所有の香料がある。髪や衣服だけからではなく、身体の奥深く、一滴の血液からでさえも、わかる者には容易に判別出来る程、その香りは別格なのだ。
 そして目の前にいる仲魔…ルークは、その一滴の血からも、ダミアンの匂いを嗅ぎ分けられる。それだけ敏感なはずなのだが…。
「もしかして、あれじゃない?フェロモンとか言うヤツ。だから、デーさんしかわからないのかもよ?」
「…フェロモンねぇ…」
 その辺りは、目に見えるモノでもないし、どうもピンと来ないようだが…それでも、本当にデーモンにしかわからないのかどうかは、他の者に聞いてみなければわからないのだが。
「ま、確認も兼ねてさ。またエースに会ったら、俺もちょっと嗅いでみるよ。もしかしたら、俺にもわかるかもよ?」
 笑ったまま、報告書を置いて去っていく背中を眺めつつ…溜め息を一つ。
 もし本当にフェロモンだとしても、他の悪魔が反応されても困るんだが…と、密かに思っていたりした。

◇◆◇

 その日の夕方。彼の執務室を訪ねて来たのは、恋悪魔たるエース。勿論、仕事で来たのであるが。
「……じゃ、そう言う事で宜しく」
「あ、ちょっ…」
 書類を渡し、現況報告をして踵を返したその背中を呼び止めるように、思わず声をかけてしまったが…。
「…どうした?まだ何かあるのか?」
 どうやら、今日はまだ仕事が残っているのだろう。いつもならのんびりしていくはずなのに、さっさと仕事に戻りたいようだ。
 勿論、呼び止めてしまったデーモンの方も…つい声をかけてしまったが、特別、これと言った用事はなかったものだから、つい言葉に詰まってしまう。
「いや…その……」
「…何だ?用事がないなら帰るぞ。また、時間が出来たらゆっくりするから」
 そう言い残し、エースは執務室を出て行く。
 エースが帰った後、デーモンは椅子に寄りかかったまま、大きな溜め息を一つ。
 今日は…特別、良い匂いもしなかった。
 だからこそ、尚更この前感じた"良い匂い"がわからないのだった。


 数日後の夜。デーモンは手土産に自慢の酒を携え、ゼノンの屋敷を訪れていた。
 そして、暫くずっともやもやしているあのエースの"良い匂い"について、話を切り出した。
「…なぁ、ゼノン…お前、エースから良い匂いがすると思ったことあるか?」
「…はい?エースから良い匂い…?さぁ、俺にはエースからは煙草の匂いしかわからないけど…?」
「そうか…」
「…どうしたの?珍しくお酒持って訪ねて来たかと思ったら、匂いの話って…」
「いや、時々エースから良い匂いがすると思ったんだ。それが気になって仕方なくてな…ルークに言っても、彼奴もわからないらしいし。挙句、フェロモンだとか言い出してな…でも、その話の後エースに会ったんだが、特に良い匂いもしなかったんだ。だから、ちょっと聞いてみようかと思ってな…」
「成程ね…」
 デーモンが持って来た酒を嗜みながら、そんな話を聞き、小さく笑うゼノン。
「ねぇ…その、良い匂いがした、って言うのは、どんな状況だったの?」
 そう問いかけられ、デーモンはその状況を思い出す。
「どんな状況って……まぁ…その……」
 デーモンの顔が、見る見る赤くなる。その顔を見るに、その状況は容易く想像出来る訳で。
「まぁ、そう言う事じゃないかな?」
「…どう言う事だよ…」
 言わんとしていることは何となくわかる。だが、そう言う事、の一言で纏められてしまうと、まだイマイチピンと来ない訳で。
 思わず問い返した言葉に、ゼノンはくすくすと笑う。
「フェロモンってそう言うものでしょ?異性を惹きつける誘引物質だもの。まぁ、御前たちは同性だけどね。でも、恋悪魔同士だったらわかるんじゃない?そう言われれば心当たりがあるでしょう?」
「…そうか。お前も、ライデンの匂いには敏感だったしな」
「…ちょっと…俺たちは関係ないじゃない…」
 そう言って、ちょっと赤くなるゼノンに、今度はデーモンの方が笑い出した。
「お前は昔からライデンの匂いフェチじゃないか。他の奴等は知らんが、吾輩は知ってたぞ?つまり、そう言う事なんだろう?」
「…何で知ってるのさ…」
 思わずそう零して、ハッとして口を噤む。そして、更に真っ赤になるゼノン…。当然デーモンは、ニヤニヤと笑っている訳で。
「……あれは石川であって、俺では……」
「ここにいないからって、石川の所為にするのか?お前だって好きだったろう?ライデンの匂い。そうでなければ、石川だってあそこまで執着しないだろうが」
「……何なんだよ、もう…」
 大きな溜め息を吐き出すゼノンに、デーモンは相変わらず笑いを零す。
「…言っておくけどね、ライデン…もとい。湯沢に対する匂いフェチは石川だからね。俺じゃないよ」
「どうだかな~。まぁ、吾輩はお前じゃないからわからないけどな~」
「もぉ…」
 すっかり話が変わってしまい、ゼノンは赤くなったまま再び溜め息を吐き出す。
「…ところで、何で知ってたのさ…ライデンが言ったの?」
 ここまでからかわれたら、その話の根源を聞かずにはいられない訳で。
「いや?彼奴等からは何も聞いとらんぞ。吾輩は、普通に気付いただけだが?嫌煙家のクセに、あれだけべったりくっついていたんだ。余程好きじゃなきゃ無理だろう?」
「…そう言うところばっかり鋭いんだから…」
 半ば呆れたような溜め息を吐き出し、ニヤニヤと笑っているデーモンを軽く睨む。
「…絶対、内緒だからね…」
「わかってるって。今まで、誰にも言わなかっただろう?」
「…もぉ…」
 溜め息を吐き出しつつ、両手で赤くなった顔を覆う。
 だが、直ぐに顔を上げる。そして、デーモンへと視線を向けた。
「そう言えば、エースの匂いのことルークに話したんでしょ?明日は我が身、だよ」
「…そうか…拙いな…」
 今更ながらに、言わなければ良かった…と軽く後悔してしまう。まぁ、ゼノンに関しては…デーモンもゼノンの秘密も握っているのだから、口外はしないだろうが。
「ルークの口からエースの耳に入る前に、自白した方が良いよ」
「自白って御前なぁ…」
 その言い回しに、デーモンはちょっと顔を顰める。
「先にルークから聞いたら、目一杯、からかわれるからね」
「…想像はつくな…」
 デーモンも溜め息を一つ。
「エース、忙しいんだっけ?」
 問いかけたゼノンの声に、デーモンは頷く。
「そのようだ。最近はロクに会ってないからな。まぁ、そろそろ落ち着くとは思うんだが…」
「今から行って、確かめてみれば?夜なら、きっと…"良い匂い”がするよ?」
「…ゼノン…」
 くすっと笑ったゼノンに、デーモンは再び赤くなる。
 だがしかし。良いチャンスかも知れない、と思ったのは…本当にまた良い匂いがするのかどうか、確かめてみたかったから。
「ほら、ぐずぐずしないっ」
「…こう言う時ばっかり行動的なんだから…」
 文句を言いつつも、結局デーモンはゼノンに見送られるまま、エースの屋敷へと向かうことになった。

◇◆◇

 エースの屋敷にやって来たデーモン。まだ日付は変わらないがそこそこ良い時間。けれど、屋敷の使用魔に丁寧に迎え入れられた。
 だがしかし。
「…まだ帰って来ていないのか?」
「…はい。遅くなると、連絡がありまして…直に戻られるとは思いますが…」
 申し訳なさそうにそう言う使用魔…ティムは、どうしようかと迷っている表情を浮かべたデーモンに、小さく笑いを零した。
「このまま、お待ちになりますか?」
「…そうだな…そうさせて貰おうか…」
 折角来たのだから…と、デーモンはエースが来るまで待たせて貰うことにした。
 案内されたのは、エースの自室。当然そこは、エースが普段いる部屋であり…今まで余り気にしなかったが、ほんのりとエースの匂いがした。
「…拙いなぁ…」
 主不在の部屋。そこに恋悪魔の匂いが漂っているとなれば…まぁムラムラしても仕方のない訳で…。
 ちょっと落ち着かなくなったのか、窓を開けてテラスへと出る。そして暫し、夜風に吹かれているうちに心地良くなってしまい…手摺に凭れたままウトウトし始めてしまった。
 どのくらい、そうしていたのかわからなかったが…背後から声をかけられた。
「…デーモン?そんな所で何してるんだ…?」
「…あぁ…お帰り…」
 大きな欠伸を零しながら部屋へと戻って来たデーモンは、怪訝そうな表情を浮かべるエースを前に、ソファーへと腰を下ろした。
「夜風に当たっていたら、つい気持ち良くて寝てしまった…」
「…あんなところで?立ったまま、手摺に凭れて?」
 相変わらず怪訝そうな表情のエースに、デーモンは小さく笑う。
「あぁ。ここへ来る前に、ゼノンのところでちょっと呑んで来たんだ。その所為もあるかな」
「…珍しいな。ゼノンと呑んでたなんて。で、なのに何でウチに?」
「…暫く会ってなかったからな…」
 そう答えたものの、ゼノンから言われた言葉がふと頭を過ぎり、ちょっと気まずかったりする…。
 そんなデーモンの姿を横目に、エースは軍服の上着を脱いでクローゼットにしまうと、デーモンの前へと腰を下ろした。
「で?ウチに手土産は?」
「…済まん…当初、ここに来る予定じゃなかったから、ゼノンのところで全部呑んで来てしまった…」
「…しょうがないな…」
 小さく溜め息を吐き出したエースは、再びソファーから立ち上がると、洋酒の瓶とグラスを持って戻って来た。
 そして洋酒を注いだグラスの一つをデーモンへと渡しながら、小さくつぶやく。
「…そんなに待ち切れなかったのか?」
「………っ」
 思わずエースへと視線を向けると、にやりと笑う顔が見えた。
「…俺の"匂い"を、確かめに来たんだろう?」
「……ルークか…」
 小さく溜め息を吐き出すと、エースはくすくすと笑った。
「そんな話をルークにするだなんて、迂闊過ぎやしないか?」
「…反省してる…」
 確かに迂闊過ぎたのだが…まさか、こんな展開になるとは思っていなかったのだから、まぁ仕方がないのだろう。
 エースは小さく笑ってグラスに入れた酒を煽ると、デーモンの手を取ってソファーから立ち上がらせ、そっと抱き寄せた。
 そして、その耳元で囁く。
「…どうだ?お前が気にしていた"匂い"がするか…?」
「…エース…」
 ふわっとその鼻先を掠めたのは…甘い、匂い。
 その"良い匂い"に、つい胸が高鳴る。
「…うん、お前の匂いだ…良い匂いだ」
 つい、その首へと顔を寄せクンクンと匂いを嗅いでしまう。その姿に、エースは苦笑する。
「加齢臭って言われなくて良かった」
「お前はまだまだ大丈夫だ。それに…お前の匂いなら、吾輩はきっと平気だぞ?」
 そう言って笑ったデーモンは、そのままその首筋にそっと口付ける。
「いきなりかよ」
 くすくすと笑うエースに、デーモンも小さく笑う。
「吾輩以外に、フェロモン振り撒くなよ?」
「好き好んで振り撒いている訳じゃないけどな。お前だから…わかったんだろう?ルークだって、別にそんな匂いはしない、って言ってたぞ?」
「あぁ、ゼノンも言ってたな」
「何だよ、ゼノンにも話したのかよ…それで、ゼノンのところからウチに来た、って訳か?」
「…まぁ…」
 思わず赤くなったデーモンに、エースは再び笑いを零す。
 何て、無意識に可愛いんだろうか、と。
「…お前も、良い匂いがするよ。エロい匂い、だ」
「…ちょっ…」
 エロい匂い、と言われ、反論しようとした途端…エースのキスで唇を塞がれる。当然、反論は出来ない。
「さ、それじゃお互いに、"良い匂い"を堪能しようか」
 唇を離したエースは、そう言ってにやりと笑う。
「ったく…お前、面白がってるだろう…」
「当たり前だろう?お前だって、こんなに…良い匂い撒き散らしてるんだから」
 耳元でそう囁かれ、デーモンも思わず赤くなる。けれど、いつまでも照れている訳でもなく…。
 エースに深く口付けられ、直ぐに甘い官能に飲み込まれる。
 その夜は、エースの言葉通り…お互いに、その"良い匂い"を堪能する羽目になった。

 それは、天然の香水にも匹敵する。
 愛しいからこその、甘くて良い香り、だった。
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がっつりA宗です。(笑)
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筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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