聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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Spoil 後編
数日後。
残業をして少し遅めの帰宅をすると、出迎えた使用魔がくすくすと笑っている。
「…何?どうしたの?」
怪訝そうに問いかけた声に、笑いを含んだ声が返る。
「御客様、ですよ」
「……御客?」
思わせ振りな言い回しと、くすくすと笑う姿に…思い当たる節がある。
「もぉ…連絡くれれば良いのに…」
溜め息を吐き出しながら、それでも足早にリビングへと向かう。そしてそこで、待ち悪魔の顔を見た。
「御帰り」
想像通り。御茶のカップを手に、にっこりと微笑む姿が出迎える。
「何でいつも、俺が残業した日を狙うように来るんですか?連絡一つ入れてくれたら、早く帰って来るのに…」
どれだけ待たせてしまったのだろう?そう思いながら困ったように言葉を零すと、相も変わらず笑いながら言葉を返す。
「良いんだよ、わたしが好きで待っているのだから。彼らには、歓迎はされていると思うが?」
そう言いながら視線を送る先には、片目を眼帯で覆った使用魔がにっこりと微笑んで頷いている。
「…そりゃあ、蒼羽はダミ様好きですし、朱凛たちもみんな喜んでますけど…」
主としては、何も知らないで待たせてしまうことが申し訳ない。それも、普段忙しい恋悪魔なのだから、尚更。
こっそりと…小さな溜め息を吐き出す。その姿に気付いているのかいないのか…にっこりと笑った待ち悪魔は、ソファーから立ち上がった。
「さて。ではルークも帰って来たことだし、場所を変えようか」
「…はぁ…」
主を置き去りにして、率先して歩き出すその背中。
顔を合わせるのは、本当に暫く振り。だったら…もっと、一緒にいたいと思うのに。
冴えない表情は、自室に着くまで変わらなかった。
自室に入ると、ソファーに相手を待たせたまま、ざっと着替えをする。そして改めて向かい合って座る。
「どうして…連絡してくれないんです?それに、わざわざウチに来なくても…連絡さえしてくれれば、俺が出向くのに…」
用意したグラスに酒を注ぎながら、そう問いかける。すると、くすっと笑いが零れる。
「連絡を入れないのも、わたしの屋敷に呼ばないのも…御前に気を使わせない為、だ。待っていたと言っても、緊急性がない残業であることはわかっているからね、御前が残業する時間はたかが知れている。御前がしっかりと仕事を片付けてからの方が、明日を気にする必要はないだろう?それに、わたしの屋敷は…御前には、居心地が悪いだろう?」
「ダミ様…」
連絡を入れてくれれば、もっと早く帰って来ることは出来る。だが確かに、残して来た仕事は翌日上乗せになる。そして緊急性はないにしても…場合によっては、気になって仕方がないこともなくはない。それは、当然。そんなことは、わかりきっていた。
そしてもう一つ…指摘された通り。もし…相手の屋敷に呼び出されていたとしても…何処か、気持ちがすっきりしない。いつ何時、妨害が入るとも限らない。そう考えたら、のんびりいちゃつくことも憚られる。
所詮…そこは、自分が立ち入る場所ではないとわかっているから。
それを全部わかった上で…こうして、黙って帰りを待ってくれている。
それが何よりの…愛情の証として。
「少なくとも、ここは御前のテリトリーだからね。朱凛も蒼羽も、しっかりわたしの相手をしてくれているから心配しなくても良いし、御前もそんな顔が出来るくらい、素が出せるだろう?」
グラスを手に、そう言って微笑む姿は、先ほどまでのいつもの笑顔とは随分違う。
それは、愛おしい相手に向ける柔らかい微笑み。
「…さて。久々に顔を合わせたが…今夜はどうする?連絡を入れ直して、出直した方が良いかな?」
「……もぉ…何言ってるんですか…」
思わず…大きな溜め息を吐き出す。そしてソファーから立ち上がると、自分の前に座る相手の元へと歩み寄り…その首へと腕を回して抱き着いた。
「どうした?」
「…だったら、遠慮しませんからね。残業もするし、気も使いませんよ?目一杯……甘えますよ…?」
「…ルーク…」
その肩口へと額を寄せると、小さな笑い零れた。そしてその頭を抱き寄せるように、髪へと指を絡ませ、頬を寄せる。
「勿論…良いよ。何がしたい?」
甘い声。その声に誘われるように…顔を、あげる。
「…キス…したいです」
真っ直ぐに見つめる黒曜石に、すっと目が細められる。そして、傾けられた頬。
期待するように薄く開けられた唇に、そっと重なる。そしてそのまま、深く。
口内を弄られるその甘い感覚に、背筋がゾクッとする。
「…ぁ…ん…」
甘い声が零れる。軽く上げたその顎の先に口付け、そのまま首筋へと落ちて行く唇。その感覚に、再び背中が震える。
首筋を弄る唇は、耳朶に辿り着くと軽く歯を立て、甘噛みをする。そして耳へと舌を這わせ、口付ける。そして耳の後ろに口付け、また首筋へ。顎を辿り、今度は反対の耳へ。それからまた、小さな嬌声を零す唇へと深く口付ける。
いつも以上に執拗に。その快感にずり落ちそうになる身体を膝の上へと抱え上げ、再び唇を重ねる。
暫く振りの逢瀬。まるでその時間を埋めるかのように、執拗に求める想い。
どのくらい経った頃か…既に時間の感覚はなくなっていたが、少し呼吸が苦しくなって、顔を上げて大きく息を吐き出す。
「…苦しくなったか?」
「…ちょっとだけ…」
荒い呼吸を零しながら、その口元を手の甲で拭う。いつも以上に湿り気を帯びているその手の甲を目の当たりにし…さて、自分は今、どんな顔をしているんだろう…と、ほんの少しだけ理性が戻る。
そして、相手へと視線を向けると…相手も上気した顔に、汗が滲んでいた。
何処までも貪欲に。けれどまだそこは序の口で…これで終わり、ではない。
「…ベッドに、行こうか?」
その声に小さく頷き、座っていた膝の上から降りようと床に足を下ろして立ち上がると、途端に膝から崩れそうになる。
「危な…っ」
倒れないように…と、咄嗟に手を伸ばして未だソファーに座る相手へと縋りつくと、くすっと笑いが返る。
「まだキスだけだが、もう腰砕けか?」
「…誰の所為ですか、誰の…」
そう言いながら…思わず、笑いが零れる。
確かに、まだキスだけ。首から下には、御互いに愛撫としては触れていない。つまり…まだ序の口。
ならば…とその手を取った相手は、そのまま手を引いてベッドまで移動する。そしてベッドに腰を下ろした主は、手を伸ばして相手の首へと腕を絡めるとそのまま引き寄せ、再び深く口付ける。
何よりも愛おしい。溢れんばかりのその想い。それは、御互いに。
「今夜は…俺だけのモノ、ですよ」
唇を離した後、耳元で囁かれた甘い言葉。
「勿論。存分に…甘えて良いぞ」
微笑みと共に返した声。そしてそのまま、抱き締めた身体をベッドへと横たえる。
心も身体も、満たされるまで。
重なるその想いは、誰にも邪魔されない甘い時間となった。
愛しい恋悪魔に目一杯愛され、十分に満たされた翌朝。
上機嫌で軍事局へと登庁すると、直ぐに雷神界から通信が届いた。
「どうした?何かあった?」
連絡が入る理由が思い当たらずそう問いかけると、画面の向こうでニヤリと笑う姿。
『ちょっと~何よ、そのつやっつやの顔は~~』
「…うっさいなぁ…自分だってつやつやしてるクセに」
全て見透かされているような言葉にちょっと赤くなりつつ、相手もつやっつやの顔をしていることに突っ込みを入れてみる。すると、満面の笑みが返って来る。
『しょうがないじゃん?ゼノン、休暇中だし』
「…あぁ…そうね、休暇取ってそっち行くって聞いたわ」
そう。確か昨日の午後、そんな連絡が入っていた。と言うことは……まぁ、そう言うこと、だ。
「御機嫌で何より」
くすっと笑ってそう言葉を投げると、相手も笑いを零す。
『あんたもね』
奇しくも同じ日に…と思いつつ、笑いを零す。
満たされた心と身体。それは偏に、愛しい恋悪魔がいるからこそ。
「…愛して貰えるって、有難いね」
思わず零した言葉。
『ホントね。感謝しないと』
画面の向こうからも、そんな言葉が返って来る。
勿論、一方的に与えられる想いではなく、御互いの相手も同じ想いを抱いていて欲しい。
そうでなければ、その関係は成立しない。だからこそ、尚更愛おしい。
『大した用じゃないんだ。ゼノン来たから自慢してやろうと思っただけ。じゃあ、ダミ様に宜しくね』
笑いながらそう言うと、一方的に通信が切れる。
「…何だよ、それ」
苦笑しながら、仕事へと戻る。
また、忙しい時間がやって来る。けれど今は、その忙しさに余裕で立ち向かえる気力に満たされている。
「さ、御仕事御仕事」
大きく伸びをして、書類に向かう。
愛しい恋悪魔と過ごす時間。それが何よりも倖せで、嬉しい時間、だった。
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プロフィール
HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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