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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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STILL ALIVE 5
こちらは、以前のHPで2003年08月09日にUPしたものです
 ※シリーズ小説はカップリング小説です。
(勿論DxAですが、ダミアンxルークもあります。
でもこのシリーズのメインはRXです…多分/^^;
13話完結 act.5

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◇◆◇

 さてこちらはデーモンの屋敷。
 デーモンにどう説明しようかと思案に暮れながら、エースはデーモンが眠っている寝室へとやって来た。
 案の定、まだデーモンは眠っている。その寝顔を眺めつつ、エースは溜め息を一つ。
 今は穏やかに眠っているが、昨夜の惨劇を思い出すと、デーモンの身体がどれくらいのダメージを受けているかと言うのは、一目瞭然である。
「…ったく…こんなデーモン相手に、どうしろって言うんだよ…」
 溜め息と共に零れた言葉。
 幾らエースと言えども、デーモンを案じていれば、本来出すべき答えは、否、だったはずである。
 しかし、そこに魔界の存亡がかかっているとなれば、もうどうしょうもない訳だ。
 再び溜め息を吐き出そうとした時、思いがけずデーモンの口が開いた。
「…何を、どうしろって言うんだ?」
「…起きてたのか」
 呆れた溜め息を吐き出したエースに向け、デーモンはくすくすと笑いを零す。
「いつまでも寝てられないだろう?折角のオフを無駄にしたんだから、そろそろ起きないとな」
「…無理するな」
 それが、強がりであることがわかっている以上、笑い飛ばすことも出来ない。
 エースのその真剣な表情の前、デーモンも流石にそれ以上は口を噤んだ。
「…御前にな、話があるんだ」
 そう切り出したエース。その唇から語られたのは、尋常ではない状況、だった。
 ゆっくりと、一言一言を丁寧に、エースは言葉を紡いでいく。その一つの事実も、漏らさないように。
 全ての言葉を発し終わった頃、寝室は夜の帳に包まれていた。
 エースが枕元のライトを点けると、一つ、大きな溜め息が零れる。それは、デーモンの唇から。
 薄闇の中、ライトに照らされたその顔。伏せられた眼差しが、酷く苦痛そうだった。
「…ウイルス、か…」
 自分が、得体の知れないウイルスに侵されているとは、思ってもみなかった。そして何より、治る可能性すらわからないとなったら、それは当然苦痛でしかない。
「そんな顔、するな。御前の所為じゃない。それに、治る可能性だって、まだ僅かにだがあるんだ。それをやってもみないで、悲観するな」
「エース…」
「御前には、俺が付いてるだろう?」
 くすっと、笑いが零れる。その表情に、先の未来を悲観する色はなかった。柔らかく微笑みを浮かべるエースに、デーモンも僅かに表情が緩んだ。
「…相変わらず、だな。御前は」
 エースはいつだって前向きで、自分を導いてくれる。それは、デーモンがエースに対して抱いている姿だった。勿論、エースにとってみれば、デーモンが自分を導いてくれている、と思っているのだが。
 御互いの存在の大きさは、御互いが最も良く知っているはずだった。
「…本当は…魔界がどうなろうと、俺の知ったことじゃない。俺はただ…御前を失いたくないだけだ」
 ダミアンもルークも、大切な存在であることには間違いない。だが、エースにとって、デーモンの生命と比べてしまえは、それは問題にもならないところにあると言っても過言ではないのだ。
「馬鹿を言うな。魔界が滅んだら、吾輩だって御前の傍にはいられないだろう?」
 僅かに眉を潜めたデーモンに、エースは微かな笑いを零す。
「だから、御前を最初に助けるんだろう?」
「…ったく…」
 エースが強引なのは、わかり切っていたことであるが、改めてその目茶苦茶な理屈には溜め息が零れる。
 しかし、エースにとっては冗談でも何でもない。真剣にそう思っているのだから、これはこれで仕方がない。
 すっと表情を引き締めたエースは、真っ直にデーモンを見つめていた。
「…抱いても、良いか?」
「…仕方ないだろう?それが魔界を救う手立てだと言うのなら……」
 ここで、拒否することは出来ない。例え自分の体調が優れなくても、今の優先順位は自分の体調よりも魔界の存亡なのだから。
 思わず、エースの唇から溜め息が零れた。
「…何だ?」
 怪訝そうに眉を潜めるデーモンに、エースの一言。
「…せめて…もう少しムードが欲しかったな。こんな、必要に迫られて…じゃなくて」
 目の前の現実から逸れた言葉に、小さな笑いが零れる。
「吾輩はいつだってムード満載だと思っているんだが?どんな状況であっても、御前が吾輩を抱く時は…何と言うか、こう……」
「…わかったから、もう良いよ」
 エースは僅かに頬を染める。そんな時の自分がどう見られているかなど…流石に、聞くに忍びない…。
「…で、少しは手加減、してくれるんだろうな…?」
 そう問いかけると、再び溜め息が一つ。
「手加減、しない訳にはいかないだろう?俺だって、御前を壊すつもりはないんだから」
 そう、壊す訳には…失う訳にはいかないのだ。
 ゆっくりと腕を伸ばし、デーモンを抱き締める。
 冷え切った身体。体温の戻らないその身体が、現実を忘れさせてはくれない。
「…デーモン」
 名を呼び、瞳を覗き込む。
「いつでも良いぞ、エース。吾輩の心の準備は出来てるからな」
----御免な、身体が冷たくて。
 エースの耳元で小さく囁いた言葉。
 エースを信じよう。
 デーモンのそんな想いが伝わり、大きく息を吐き出したエース。
「大丈夫。俺がちゃんと…暖めてやるから」
 耳元でそう囁くと、そっと唇をその首筋へと押し当てる。
 いつもよりも熱いその感覚に、デーモンは思わずきつく目を閉じた。
「そう力むな」
 そうつぶやき、そっとデーモンの身体をベッドへと沈めると、深く口付ける。
 自身の体温でデーモンの身体を温めるかのように身体を重ね、その熱を分け与える。
 何よりも…一番大切な悪魔を、護る為に。

◇◆◇

 時計は、刻々と時を刻んでいた。
 文化局の研究室に籠もっているゼノンは、大きな溜め息を吐き出していた。
 夜はだいぶ更けて来たが、エースからの連絡は、まだない。その状況が酷く不安に感じているのは確かだった。
 もし、ここで失敗すれば、《赤の種族》を残して全滅するだろう。
 しかし今のゼノンには、そのことよりも他に、更に追い詰められるべき原因があったのだ。
 先ほど発覚したその事実に、動揺の色を隠し切れない。
 自分は、取り返しのつかないことをしてしまったのかも知れない。
 再び、溜め息が零れる。
 その時、やっと待ち兼ねた連絡が届いた。
 壁の液晶に写し出されたエースの姿。
 汗なのか、シャワーを浴びた後なのか、その髪がしっとりとしているように見える。
「どう?デーモンの様子は」
 問いかける声に、エースは溜め息を一つ。
『今のところは、落ち着いてる。流石に今は体温もだいぶ上がっているが…一時的の可能性もあるから、こればっかりは何とも言えない。結果だって、直ぐに出る訳じゃないだろう?』
「まぁね。最低、一週間は様子を見たいんだけど…今は副作用が出なくても、時間が経つにつれ、現れることもあるから。安心は出来ないんだ…」
 そう告げなければならないことが、どれだけ苦痛であることか。
 出来ることなら、早く結論を出したいのは、ゼノンだけではない。結論さえ出れば、早めに次の手段を取ることが出来るのだから。
『…ルークの方は?』
 問いかけた、エースの声。
「今は大丈夫。ライデンがついてるから、何かあったら連絡が入るよ。ただ…問題はルークよりも、ダミアン様、だよね…」
 溜め息が、また一つ。
 ダミアンが発病してから、もう一週間は経っている。
 ウイルスは、確実にダミアンの身体を侵していると言うのに、まだ直接手を下すことが出来ない。
 後何日、持ち堪えられるかどうかもわからないと言うのに。
 大きな溜め息を吐き出したゼノンに、エースの声が届く。
『少し、休んだ方が良い。このままじゃ、御前の方が先に可笑しくなるぞ』
 ゼノンを案じる声にも、素直に頷けない。
「駄目、だよ。ここを離れる訳には行かない。俺が休んでいる間に、ダミアン様やルークの症状が悪化するかも知れない。それに、もっと多くの患者の症状が悪化するかも知れない。そう考えると…不安で、ここを動けない」
 ゼノンが追い詰められているのは、画面を通したエースにも察することは出来た。
 多くの患者を抱え、一名でそれを背負い込んで、身動きが取れなくなっているのだと。
『…朝までには、誰かをそっちに行かせる。だから、御前も休むんだ』
「エース…」
『デーモンに関して、やるだけのことはやった。後は結果を待つしかない。そうだろう?ダミアン様やルークだって同じことだ。デーモンの結果が出なければ話にならないんだったら、待つしかないだろう?御前がそこで悩んでたってしょうがないんだから』
「…それはそうだけど…」
『良いか、言うことを聞くんだぞ』
 そう言って、エースからの連絡は途絶える。
 一方的なエースの言葉に、ゼノンには、大きな溜め息を吐き出すことしか出来なかった。

 ゼノンとの通信を終えたエースは、大きな溜め息を吐き出しながら、デーモンの寝室へと戻って来た。
 ベッドの上には、未だ先ほどまでの余韻に浸っているかのように、身を丸くして上掛けに包まっているデーモンが横たわっている。
「…ゼノンは、なんて?」
 エースの表情で、デーモンも尋常ではないと察したのだろう。
 エースはベッドの端に腰を降ろし、デーモンの、しっとりと額に張り付いた黄金の髪を後ろへと流してやる。
「…ホントは、朝まで一緒にいたかったんだが…」
「…エース?」
 その奇妙な言葉の言い回しで、そこに何かがあったことを感じたデーモンは、身体を起こして真っ直にエースの眼差しを捕えた。
「誰かに、何かあったのか?ダミアン様か…ルークか?」
 その声に、エースは眼差しを伏せる。
「いや…今のところ、"患者"には異状はない。問題は…ゼノンだ」
「…ゼノンが?」
 思いがけない言葉に、デーモンは目を丸くする。
「だって、彼奴は…」
 ゼノンが自分に見せたのは、医師としての気丈な姿。
 そのゼノンに、何があったと言うのだろう。
 不安そうな表情を浮かべたデーモンに、エースは更に言葉を続けた。
「精神的に、ちょっと不安定みたいなんだ。追い詰められてるって言うのが正しいだろうな。ウイルスの繁殖を食い止めることが出来なかったことに、雁字搦めになってるのかも知れない。だが…それ以上の何かが、彼奴を縛り付けた様な気がするんだが…」
「いつものゼノンではないと?」
「…尤も、俺の推測にしか過ぎない。彼奴は別に、何も言わなかったからな。ただ単に、責任に追われてるだけかも知れないんだけどな」
 エースの溜め息に、デーモンも心苦しくて、小さな溜め息を吐き出す。
「…ゼノンだからなぁ…やっぱり全部背負い込んだか…」
 誰も、ゼノンの所為だとは思っていないのに。その責任の全てを、背負い込んでしまっているのだ。
 それが、医師としての責任だと言わんばかりに。
 だが気になるのが、エースの推測。
 エースの直感は実に良く当たり、決して馬鹿に出来ないとわかっているからこそ、その推測を簡単にあしらうことも出来ないのだ。
「取り敢えず俺はライデンに事情を説明して、ゼノンの所へ連れて行く。その後様子を見て、ルークの所へ留まるかも知れない。だから、悪いんだが……」
----一悪魔で大丈夫か?
 デーモンの精神状態を案ずるように、問いかけられた言葉。
 その言葉に、デーモンはくすっと小さな笑いを零した。
「そんなに心配するな。吾輩は大丈夫だから。だって吾輩は、御前の愛情を、一心に受けてるんだから」
「……」
 照れもせず、そう言うデーモンに、エースの方が僅かに顔を赤らめた。
 そっと、エースの首に回されたデーモンの腕。その腕は、数時間前とは違ってちゃんと温もりを感じられた。
 傾けられた頬を寄せ、その耳元で、囁く声。
「…嬉しかった。御前が、吾輩を大切に思ってくれていることが……愛されていることが」
「…デーモン…」
 身体を合わせることが初めてだった訳ではないのに、改めてそう実感したのは…不安、だったからかも知れない。
 突然の事態。魔界全土が揺らいでいるこんな時に…病に冒されて冷え切った身体を必死に暖めてくれて、変わらずに必要としてくれる。そんなエースの存在が、改めて大切だと思えた。
「御前の為に、必ず生き延びるから」
 唇が、軽く触れる。
「愛してる、エース」
 更に深く唇を合わせ、御互いの存在をしっかり確認すると、デーモンは自ら身体を引いた。
「ゼノンを、頼むな」
「…あぁ」
 後ろ髪を引かれる想いを裁ち切るかのように、エースはルークの屋敷へと向かった。

◇◆◇

 既に深夜は回っていたのだから、そこに静寂があったとしても、何ら不思議はない。
 当然、明かりの消えた屋敷の全員を起こす訳には行かなかったので、エースはライデンが与えられているはずの部屋のテラスへと降り立った。
 幾度かその窓を叩くうち、やっとライデンが目を覚ました。
「…あれ?エース。どうしたの?こんな時間に…」
 寝惚け眼を擦りつつ、窓を開けたライデンに、エースはするりと窓の内側へと滑り込む。
「今からで悪いんだが、ゼノンの所に行ってやってくれないか?」
「…ゼノンの所?」
 まだ何処か寝惚けているライデンに、エースは溜め息を一つ。
「彼奴、酷く取り乱してる。今は、休息が必要だ。だから御前に、彼奴を屋敷に連れ戻して欲しい」
 そこまで話を聞いて、やっと目を覚ましたライデンの表情がすっと変わる。
「…どう言うこと…?ゼノンが取り乱してるって…」
「全部、自分の責任だと思ってる。ロクに休んでいないクセに、あの研究室から離れるのが怖いと言って、あそこから動こうとしない。ただ、それがいつものゼノンと、何処か違うような気がするんだ。気の所為で済めばそれで良いんだが…ちょっと気になってな。多分、彼奴を引き摺ってでも休ませることが出来るのは、御前だけだろう?」
「……」
 ゼノンの状態を聞かされ、ライデンの表情も曇り始めていた。
 ゼノンが、取り乱すだなんて。
 その状況に…ライデンも不安を隠し切れない様子だった。
「ルークのことは、俺に任せろ。今は軍事局の夜勤担当の医師だが、前にゼノンの研究室にいたリンってヤツが、ゼノンの代わりに研究室に控えてくれるらしいから、心配はいらない。だから、ゆっくり休ませてやってくれ」
「…うん…」
 エースの声に頷くライデンの返事も、何処か虚ろで。
「…大丈夫か?」
 思わず、問いかけたエースの声。
 その声に、ライデンは大きく息を吐き出した。
「…大丈夫。無理矢理にでも寝かしつけてやるから」
「頼むな」
 今は、頼みの綱はライデンしかいないのだ。
 そんなエースの想いを察したのか、ライデンは大きく頷いてみせた。

 ルークのことをエースに任せたライデンは、軍事局へとやって来ていた。
 静寂さが、酷く神経を高ぶらせる。
 その高ぶった神経を落ち着かせるかのように、大きく息を吐き出したライデンは、リンがいるであろう当直室へとやって来た。
 当直室の中を覗くと、数名の夜勤の局員と共に、こちらに背中を向けた、銀糸のストレートの髪をした一名の医師がいた。
「リン」
 呼びかけた声に振り向いたのは、前にも見かけたことのある顔。
 確か、最初にデーモンが倒れたと連絡があった日にゼノンが状況を確認していたはずであった。
「ライデン様、御待ちしておりました」
 軽く微笑んでみせる彼に、ライデンは思わず魅入ってしまう。
 その微笑みは、とても穏やかで。彼が医師として、患者に与える癒しと同じ感覚を、ライデンは感じていた。
「…悪いね、ホントは軍事局(こっち)の夜勤なのに…」
「大丈夫です。夜勤の担当医は他にもおりますから、都合はつけて貰いました。それよりも、わたしもゼノン様の方が心配で…」
「それは、俺がなんとかするから」
 そうは言ったものの、ゼノンが納得してくれるかどうかはわからないが…と、心の何処かでは、ライデンにも不安はあるのだが。
 そんな話をしながら、二名で連れだってゼノンがいる文化局の研究室へと足を向ける。
 その間、リンはゆっくりと言葉を紡いでいた。
「ゼノン様は、ルーク様の御屋敷から御戻りになられてから、直ぐに研究室に籠もられたそうです。ですが、研究員は誰一名、中に入ることは出来ず、締め出されてしまったそうです。わたしも聞いた話ですので、詳しい状況はわからないのですが…何でも、酷く不安げな表情だったと聞きました」
「…そう」
 嫌な予感がする。
 そう思いつつ、ライデンは歩みを進める。
 エースが真夜中にも関わらず、自分をここへ追い立てたことと言い、研究員を締め出して、一名で籠もっていることと言い…確かに、常のゼノンの様子ではないのだろう。
 大きく息を吐き出し、せめてもの心意気として、気丈に振舞うことを決めたライデンは、辿り着いた研究室の前で足を止めた。
 意を決してそのドアをノックすると、暫しの沈黙の後、そのドアが薄く開かれた。
「…ライ…」
 そこから顔を覗かせたゼノンは、さして驚いた様子も見せず、そう口を開いた。
「入らせて貰うよ」
 半ば無理矢理そのドアの向こうに押し入る。
 ゼノンは然したる抵抗も見せず、すんなりとライデンとリンを中へと通した。
「…エースに叩き起こされたんだ」
 壁に寄りかかったまま、入って来る一部始終を見ていたゼノンは、その状況を察してくすくすと小さな笑いを零す。だが、その表情は、とても楽しんでいるとは思えない。
 その態度に、大きな溜め息を吐き出したライデン。
「俺のことは良い。俺もエースも、あんたのことを心配してるんだ。勿論、ここにいるリンだって」
「叩き起こされたのは事実なんだね」
 そうつぶやくと、壁から身体を起こす。そして徐ろにライデンの腕を取った。
「じゃ、行こうか」
「え…?ちょっ……」
 呆気に取られたのはライデン。
「俺を、連れ帰るつもりだったんでしょ?」
「そりゃ……」
「じゃ、行こう。リン、後は頼むね」
「…はぁ…」
 呆気に取られているのは、リンも同じだった。
 先程までは想像も出来ないくらい穏やかなゼノンの姿。それが、酷く不釣合いに思えて。
「ごゆっくり…御休み下さい」
 ライデンを連れて研究室から出て行くゼノンの背中に向け、リンはそう声をかけた。
 このまま、これ以上何事もなく過ぎてくれれば…そう、心に願いながら。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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