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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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かがやきのつぼみ 水端(後半) 2

第四部"for CHILDREN" (略して第四部"C")

こちらは、以前のHPで2005年10月22日にUPしたものです。
第四部は徐々にオリキャラメインとなりますので、御注意ください。
興味のある方のみ、どうぞ。(^^;
3話(後半) act.2

拍手[1回]


◇◆◇

 デーモンの屋敷の書斎の前にやって来たライデンは、そのドアを軽くノックする。
「はい?」
 中から聞き慣れた仲魔の声。
「俺、ライデン。入るよ~」
 そう声をかけ、ドアを開ける。その向こうには、驚いた表情の仲魔と…こちらに無関心の姿が一つ。
「どうしたんだ?何で、御前がここにいるんだ?」
 魔界にいるはずのないライデンの姿に、エースは驚いているようである。
「遊びに来たの。丁度、休暇も取れたしね。ララは留守番だけど」
 くすくすと笑う姿。
「暢気だな、御前は…」
「そうでもないよ?」
 笑いながら言葉を返すライデンに、エースはまるで無関心な姿に視線を向ける。
「…シリウス様。紹介致します。雷神界の雷帝、ライデン陛下です」
 そう声をかけると、その姿はようやく顔を上げ、ライデンへと視線を向けた。
 ダミアンと同じ、透き通った蒼の眼差し。それはとても綺麗で。
「初めまして、シリウス殿下。わたくしは、雷神界の雷帝、ライデンと申します。ダミアン陛下には、昔から随分御世話になりました。以後、御見知りおきを」
 にっこりと微笑んでそう挨拶するライデンに、シリウスは小さな溜め息を一つ。
「…シリウスです。宜しく…」
 ライデンの前に立ち、頭を下げてそう挨拶するシリウス。仏頂面ではあるが、シリウスにしては上出来の挨拶である。
「…で、その後ろにいるのは…」
 ライデンの後ろに張り付いている小さな姿に、エースも不思議そうに問いかける。シリウスも怪訝そうにライデンの背後を見つめている。
「あぁ…ゼゼなんだけどね…ちょっと訳ありで、今はこんな状態」
 苦笑するライデン。けれど、その状況は本来は苦笑などでは済まされない状況なのだが。
「…ゼゼ。エースは知ってる?」
 張り付いているゼフィーに声をかけると、ゼフィーは僅かに顔を上げ、視線を巡らせた。
 魔界に降りた時に出会った悪魔。勇気を与えてくれた、赤き悪魔。久し振りに見たその姿は、あの時よりもほんの少し、年輪を重ねたように見える。
 自分の周りでは、着実に時間は廻っている。時は、待ってはくれないのだ。
「…ゼゼ?」
 エースに呼びかけられ、胸が苦しくなる。
 勇気を、貰ったはずなのに…いつの間にか、それを無くしてしまったようで。自分だけが…置いていかれてしまったようで。
 溢れて来た涙を隠すように、ゼフィーは再びライデンの背中に顔を押し付ける。その背中が涙で濡れるのを感じると、ライデンは今までの笑いを納め、小さく吐息を吐き出す。そして、再び小さな微笑みと共にエースに向かった。
「…御免ね、ちょっと、不安定なんだ。また後で顔出すよ。ちょっと、ゼゼと散歩して来るから」
「…あぁ…」
 尋常ではないゼフィーの姿に、エースも怪訝そうに眉を寄せたものの、口出しはしない方が良いと判断したらしい。そのまま黙ってライデンを見送ることにした。
「…では、また後ほど」
 ライデンはシリウスにも頭を下げ、ゼフィーと共に書斎を後にする。
 まだまだ、状況は上向きにはならなかった。

 人気のない裏庭に出て来たライデンとゼフィー。その片隅のベンチに座り、ゼフィーを自分の膝の上に乗せ、向かい合うように抱きかかえたまま、ぼんやりと空を見上げているライデン。ゼフィーも、ライデンの膝の上に抱かれ、その胸元に顔を伏せたまま、動こうとはしない。
「…御前を、こんな風に抱っこしたのは久し振りだね」
 ふと、ライデンがそう言って笑う。
 ゼフィーの背中へと手を廻すと、幾ら大きくなったとは言え、まだまだ小さな背中。双子で生まれた雷神界の片割れは、正当な雷神族の血筋として成長しているようで、ゼフィーよりも身体は大きくなっている。だから、ゼフィーの方がずっと小さく見えて仕方がなかった。
「…朝も少し話したけど…御前が、ゼノンの所に戻って来た理由は…夕べ、聞いたよ」
 ゆっくりと、言葉を紡ぎ始めたライデン。
「…苦しかったよね…辛かったよね。その気持ちは、良くわかるよ。でもね、俺たちもみんなおんなじ。俺だって、一杯傷付いて…辛いことだって沢山あったよ。でも、それを支えてくれたのは…やっぱり、仲魔なんだよね。御前も…そうだと思うよ。今は、ここでゆっくり療養すれば良い。でも…待っている仲魔がいることも、忘れちゃいけないよ。御前を、待っていてくれる。大切に思ってくれる。そんな仲魔たちを、粗末にしちゃいけない。それが…"絆"、って言うものだと思うよ」
 ゼフィーの何倍も生きて来た"親"だから言えること。
 沢山の苦汁も舐め、その度に支えてくれる仲魔たちがいることに感謝し、護られている自分が倖せ者だと思った。
 その思いを、ゼフィーにも感じて貰えるように。
 その"絆"が、ゼフィーを支えてくれるように。
「御前の笑顔、待ってるからね。今は、ゆっくり休むんだよ」
 そう、言葉を紡ぎながら、ゼフィーの背中に添えられた掌。
 その温もりは、雷神界を降りる時、自分を励ましてくれた掌と同じ。
 そんなことを考えながら、ゼフィーはゆっくりと顔を上げ、ライデンを見つめた。
 僅かに潤んでいるライデンの眼差し。優しくゼフィーを見つめるその柔らかな眼差しに、ゼフィーは胸が痛かった。
 あの事件の日から、何もかもが怖くて堪らなかった。ゼノンの屋敷に引き取られてからも、不安と恐怖が常にその意識の片隅にあって、何もかもを拒絶してしまいたかった。
 けれど…立ち直らなければならないと言う思いも何処かにある。それを思い出させてくれたのが、この父親の姿だったのかも知れない。
「…デーさんの身体の中にね、新しい生命の核があるんだよ。俺も、御前たちがまだ生まれる前のこと、ちょっと思い出した」
 ゼフィーを落ち着かせるように、その背中をとんとんと軽く叩きながら、ライデンはくすっと笑いを零す。
「まさか、双子で生まれて来るなんて思わなかったけど、丈夫で生まれて来てくれれば言うことないよね。御前もララも、しっかり育ってくれてる。そりゃ、生きて行く中で壁にぶつかることだって沢山あるだろうよ。でも、それを乗り越えて行くことも必要なんだよね。だからこそ、壁があるんだと思う。乗り越えずに避けて逃げたって、それを乗り越えない以上、前には進めない。生きるって、そう言うことの繰り返しなんだよね。だから…みんな、強くなれるんだと思うよ。御前だってそう。きっと、今の壁を乗り越えたら、一つ大きくなれる。一つ、強くなれる」
 柔らかく細められた眼差し。その小さな微笑みは、沢山の壁を乗り越えて来た自分を思い出していたのだろう。そして、それを乗り越えて来たからこそ、今の自分があると胸を張って言える。その強さが、"雷帝"としての源なのかも知れない。
「ゼノンもね、忙しいのかも知れないけれど…ずっと、御前のこと心配してるよ。医師としての姿以前に、"父親"として、ね。本当は、もっとずっと、御前の傍にいたいんだと思うよ。俺だってそうだもの。もっと、御前の傍にいてやることが出来たら…どんなに良かったかな、って思うよ。でも、御前が独り立ちする為には、自分の力で生きていかなきゃいけないんだもんね…わかってはいるんだけど、やっぱり親としては、もっと一緒にいたかったな」
 にっこりと微笑み、ゼフィーの背中をとんとんし続けるライデン。そのリズムが心地良くて…ゼフィーはライデンの胸に顔を埋めると、次第に目蓋が下がって来る。
 思えば、雷神界にいた頃は、こうして寝かしつけて貰っていた記憶がある。その感覚を思い出し、懐かしい気分になっていた。
 自分の未来に、何の不安も抱かなかったあの頃。もう、あの平和だった時には戻れない。
 けれど…今もこうして、同じ安らぎを与えてくれる父王の存在。そして、忙しいながらも、自分を護る為に必死になってくれるもう一名の父親。その温もりは、今も健在なのだ。
 自分が、彼らの"子供"である限り。
 その思いを、無駄にしてはいけない。
 淡い微睡みの中…どうしても、言っておきたかった言葉。
「……ご…めん…なさい……」
「……ゼゼ…」
 掠れてはいたが、確かに聞き覚えのある声。
 思わず息を飲んだライデンが、自分の胸の上で目を閉じた我が子をじっと見つめる。
 安心しきった表情。規則正しく繰り返される呼吸。そして、閉ざされた眼差し。
「…御休み…」
 くすっと小さな笑いを零し、ライデンはとんとんを続けながら大きく天を振り仰ぐ。
 自分が押しかけて来たことが、無駄にならなくて良かった。
 そんな安堵感と、久し振りに聞いた我が子の声に、その表情は緩みっぱなしだった。
 きっと、乗り越えられる。
 それは、希望の光だった。

 眠ってしまったゼフィーを客間のベッドへと寝かしつけたライデンは、診察を終え、様子を見に来たゼノンと共に、その寝顔を眺めていた。
「…俺ね…ゼゼの声、聞いたような気がする」
「…え?」
 怪訝そうに眉を寄せたゼノンに、ライデンはくすっと笑いを零す。
「俺の気の所為かも知れないし、ホントに喋ったのかも知れない。その辺は曖昧なんだけど…でも、ゼゼが言いたいことはわかった。ゼゼね、俺たちに謝りたかったんだよ」
「…謝る?」
「そう。多分、心配をかけたとか、迷惑をかけたとか…そんな意味なんじゃないかな」
「…謝る必要なんかないのに…」
 眉を顰めるゼノンに、ライデンは小さな吐息を吐き出す。
「俺もさ、昔はそう思ったよ。俺も魔界に修行に来る前は、何をやっても自分が不甲斐なく思えてさ、親父にも迷惑も心配も一杯かけてたし。魔界に来てからだって、色々心配してたみたいだし。そう思うと、やっぱり、申し訳ないなって思う訳よ。だから、ゼゼの気持ちもちょっとわかるな~ってね」
 そう言いながら、ライデンはそっとゼノンの顔色を伺う。
 自分よりも遥かに心配していた伴侶は、自分が先に声を聞いてしまったばっかりに、もしかしたら気を悪くしたのではないか、と。
 けれどゼノンはライデンが先に声を聞いたと言うことを気にするよりも、ゼフィーがそんなことを気にしていたのか、と言うことの方が気がかりだったようだった。
「…"子供"だから…そう思うのかな…?ゼゼが悪い訳じゃないんだから、謝る必要なんかないでしょう?」
 眉を顰めながらそう声を返すゼノン。
 自然発生で、"親"と言う存在がない状態で育って来たゼノンにしてみれば、それは全く理不尽な心理なのかも知れない。
「…多分、子供とか親とか言う以前に、ゼゼの中の気持ちの問題じゃないかな、って思うよ。ほら、あんただって、仲魔に迷惑かけたくないとか、心配かけたくないとかって思って、ゼゼのこと言えなかったんでしょ?それと同じだよ。ゼゼも、自分のことは自分でけじめをつけなきゃって思ったんじゃないかな?それだけ、成長してるってことだよ」
「…成長、ねぇ…」
 ゼノンは小さな溜め息を一つ。
 そう。子供たちは着実に成長している。
 子育てに関して言えば、ゼノンよりもライデンの方が状況を良く把握しているのだ。
「…まぁ、ゼゼにしたって、俺と一緒にいた時間よりも、御前と一緒にいた時間の方が長い訳だし、御前の方が詳しいと言えば詳しいんだから、御前がそう言うのならそうなんだろうけれどね。ただ、そんな葛藤をずっとゼゼが抱えていたのなら、手を差し伸べてやらなければ、って思うのも"親"でしょう?」
「確かにね。でも、闇雲に手を差し伸べるだけじゃ、子供の為にはならないでしょう?ほら、ウチの親父みたいに、ある程度放任してみても良いんじゃないかな、って思うけど…どう?」
「どう?って聞かれてもねぇ…」
 再び溜め息を吐き出すゼノン。
 そんな姿に、ライデンは小さな笑いを零した。
「俺も、ゼゼとララを引き離してみて、初めて実感したんだけどさぁ、"見守る"ことも結構苦痛なのな。手を差し伸べてやれば簡単なんだけど、それじゃララの為にもならないし、だからと言って全部放っておく訳にもいかないしさぁ。"見守る"ことの難しさっての、やっとわかった気がするんだ。でもあんたは、状況が状況だからってこともあるけど、ゼゼにべったりとは出来なかったでしょう?だから、良い距離間があったんじゃないかと思うよ。手を差し伸べることも、護ってやることも必要。だけど、時に"見守る"ことに徹することも必要でしょう?必ず後ろにいて護ってやるから、ってことは、ゼゼだってわかってるよ。だから、今のまま、背中を護ってやれば良いんだと思うよ。自分の壁を乗り越えられれば、ゼゼの声だって戻るよ。自分で勇気を出せれば…ね」
 にっこりと微笑むライデンに、ゼノンは三度溜め息を吐き出す。
 けれど、ライデンの言うことは間違っていない。
 いつまでも状況の変わらないゼゼの姿に焦っていたのは、他ならぬ自分。焦って、必要以上に手を差し伸べようとしていたのだ。ゼノンはそれを思い知らされた気分だった。
「…そう、か。俺が、一呼吸置かないと…ね」
 それは、ゼノンにとっても大きな試練だったと、今頃になって気がついた。
「…俺も、"親"にならないとね」
 大きな吐息を吐き出したゼノンの表情は、ほんの少しだが晴れやかに見えた。
「俺もまだまだ未熟だもの。一緒に成長しようね~」
 くすくすと笑うライデン。その芯の強さと、"親"としての強さは、ゼノン以上。けれど、その強さの源を作ったのはゼノンの存在なのだから、どちらが強いとは言い難い。だが、どちらとも、支え合っていることは間違いない。
「…頑張ろうね」
 微笑むライデンに、ゼノンは小さな笑いを零した。
 ゼノンは一つ、山を越えた。

◇◆◇

 眠っているゼゼをゼノンに任せ、ライデンは改めてデーモンの様子を見に行った。
「御邪魔するね~」
 寝室のドアをノックし、顔を覗かせたライデンに、デーモンは心配そうな表情を見せていた。
「…ゼゼはどうした?」
 先程の姿が余程気になっていたのだろう。開口一番、そう問いかけた声に、ライデンは笑いを零す。
「今眠ってる。前に俺が使ってた部屋借りちゃったけど、良いかな?」
「あぁ、それは構わないが…大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。ゼゼはしっかりしてるから。俺たちが考えているよりもずっと、成長してるよ」
 そう言いながら、ベッドの傍に椅子を引き寄せると、そこに腰を降ろす。
「ダミ様は?」
 寝室には、既にダミアンの姿はない。
「あぁ、さっきシリウス様の所に行った。まだ暫くここにいるみたいだから、後でゆっくり話も出来るだろう」
「そう。じゃ、また後でシリウス様にも会いに行くかな」
 そう話す表情は、実に楽しげで。それが寧ろ、デーモンの心配を誘っていたのだが。
「…なぁ、本当に大丈夫なのか?」
 改めて問いかけるデーモンに、ライデンは首を傾げる。
「そんなに心配する必要ないじゃん?俺だって、あんただって、子供の頃は自力で壁を乗り越えたでしょう?ゼゼが今その時期だってだけのことだよ。大丈夫。バックにはちゃんとゼノンが構えているし、何よりゼゼが自分で立ち向かおうとしてるから。下手に手出しするよりも、見守ることが大事だと思ってるからね。俺は心配してないよ」
「…そんなもんか?」
「そんなもん、そんなもん」
 まるで達観しているかのようなライデン。その姿は、かつての雷帝であるライデンの父親の姿と重なるようだった。
「…御前が一番、成長してるよな…」
「はい?」
 首を傾げるライデンの表情は、昔と変わりはない。けれど、中身は随分変わったのだ。
 初めて出会った時は、皇太子としてはそれなりの能力を持っていたにも関わらず、まだ精神的な強さは不安定で、時として大きく崩れることもあった。けれど今は、誰よりもしっかりとした意思を持ち、雷帝としても"親"としても申し分ない。それだけ大きく成長したと言うことになるのだ。
「デーさんももう直ぐ"親"になるんだからね、頑張ってね~」
「…ったく…他悪魔事だと思って…」
 実に暢気なライデンの姿に、デーモンは溜め息を吐き出さずにはいられなかった。
 楽天家のライデンだからこそ、その不安を簡単に受け入れられたのだろう。だからこそ、自分たちが思いも着かない解決方法を持っているのだ。
 それを、羨ましくさえ思う。
「…吾輩も…強くなれるかな…」
 思わず、ポツリとつぶやいた声に、ライデンの表情が僅かに変わった。
「…デーさん?」
 問いかけた声は、不安を感じていた。
 その言葉が、嫌な未来を予想させて。
「あぁ、そんな顔するな。別に、変な意味で言ったんじゃないから」
 ライデンの表情が不安に曇ったと思われる原因を察したデーモンが、慌ててそう繕う。
「…別にな、後ろ向きな意味で言ったんじゃないんだ。ただ、御前みたいに、"親"として強くなりたいなと思っただけなんだ。吾輩の今の状態は、十分満足とは言えないだろう?それを、逃げの理由にはしたくない。だが多分、結論としてはそうなる。今のままでは十分な子育ては出来ないし、エースにも負担をかけてばかりだ。そうなることがわかっているけれど…せめて、子供にとっては、頼りになる親になりたいと思う。都合の良い話かも知れないが…吾輩が後ろ向きになる訳にはいかないだろう?そう言う意味で、強くなりたいと言っただけなんだ」
 それは、未来に向けての希望。そこには、必ず自分が生きているのだと言うことを信じての言葉。その言葉に、ライデンはほっとして、ほんの少しだけ涙が出そうになった。
「…俺は…別に、強かないよ。ゼノンや、デーさんやエースやルーク、ダミ様たちがいてくれたから…みんなが、支えてくれたから、頑張ろうと思えた。俺一名の功績じゃない。だから…デーさんだって大丈夫、だよ。エースがついてるもの。ゼノンや、ルークや、ダミ様だってついてるもの。それに、離れているけど…俺だって…」
「…あぁ、わかっている」
 デーモンは、くすっと笑ってライデンの頭に手を伸ばし、ポンポンと軽く叩いた。
 目を赤くし、懸命に涙を堪えるライデンは昔と変わらない。
 誰一名、欠けてはいけないのだ。それが、大切な仲魔と言うものだから。
「…頑張るから、な」
 にっこりと微笑むデーモンに、ライデンも小さく笑いを零す。
「うん。応援してるよ」
「あぁ」
 その笑顔が、確かな生命の証だった。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
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がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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