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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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キスの意味から始めよう 序章
こちらは、本日UPの新作です

拍手[2回]


◇◆◇

 その日。久し振りに雷神界から魔界へと遊びに来ていたライデン。いつもなら、まずダミアンやデーモンの執務室に顔を出してから、真っすぐゼノンのいる文化局へ向かうのだが…その日は珍しく、文化局ではなく軍事局へと足を運んでいた。
「珍しいじゃん。先にこっちに来るの」
「うん、ちょっとね~」
 来客として御茶を出して出迎えつつ、ニヤニヤするライデンの姿に苦笑するルーク。
----…絶対何か目論んでるよな…
 そう思いつつ、ライデンが何を言い出すのかをちょっと楽しみにしていたりする。
 ルークのところに直行なのは、ゼノンに内緒で何かをやろうとしている訳で…ニヤニヤしているところを見ると、大抵は下ネタな訳で。ルークも興味がない訳ではない。だからこそ、こうして出迎えている訳だ。
「…で?何よ」
 ソファーの正面に腰を下ろしたルークが問いかけると、上着の内ポケットから折り畳んだ紙を取り出すと、ルークへと手渡した。
「まぁ、ちょっとこれ見てよ。面白いから」
 受け取った紙を広げると、幾つもの単語に挿絵が添えられている。カップルが、キスをしている挿絵が。
 当然、困惑するルーク。
「…えっと…?」
「キスする場所の意味、だって」
 ライデンにそう言われ、改めて良く見れば言葉と挿絵が確かに同期している。
「…場所って…手の甲とかはわかるけど…そんなに幾つも意味あんの?」
 思わず首を傾げるルークに、ライデンは笑う。
「そう。ちょっと良く見てよ。超エロくない?」
「…エロい、って…あんたねぇ…幾ら俺だって、こんな絵じゃおかずにはならないけど…?」
 ライデンの言葉に、思わず苦笑する。そしてライデンの方も、ルークの言葉に苦笑する。
「違うって。流石にあんただって初心じゃないから、幾ら妄想出来たところで現実知ってりゃそりゃ無理だろうよ。別に、この絵をおかずにしろって言うんじゃなくてさ…まぁ、絵も良く見りゃなかなかエロくてそそられるから良いんだけど、俺が言いたいのはその文字の方よ」
「文字がエロいってなんだよ」
 言葉だけで言えば、確かに何を言っているんだ、と言うところだが。イマイチ理解出来ていないルークに、ライデンは更に言葉を続けた。
「キスなんかしょっちゅうするとしても、場所って興奮するとそんなに考えないじゃん?目の前にあるところとか、相手が喜ぶところとかにキスする感があるんだけど…改めて見ると、深くない?」
「…何かさらっと惚気られてる気がするけど…まぁ…そうだよね…」
 力説され、改めてじっくりと目を通す。
 そこに書かれているのは、身体にキスをする場所。髪から始まり、彼らがいつもキスをする唇や耳、首筋だけではなく、身体の二十二か所が書かれていて、それぞれに意味がある。当然、彼らも経験したことのない場所もある訳で。意味を考えると、なるほど…と思わなくもない。
「…確かに、ちょっとエロいかも…」
「でしょ?ダミ様で想像してみ?なかなかよ」
 くすくすと笑うライデン。その言葉に唆され、ふっと脳裏を過ぎる姿……が、そこでルークもハッと我に返る。
「…っていうか、あんたどっからこんな紙持って来たのさ…っ」
 思わず赤くなって、テーブルの上に紙を放り出すと、ライデンは笑ったままその紙を手に取った。
「いや、なんか昔貰ったんだけどね。本の間から出て来たのよ。昔は流石に無造作に置いとくのは恥ずかしくて、隠してたのかなぁ?挟んでおいた経緯の記憶はないんだけどさ。でも、今なら…まぁ、出来そうじゃない?取り敢えず、相手もいることだし…ねぇ?」
「…で、何で俺に話を振るかね…」
 何故、ここに来たのか。それを思わず問いかけずにはいられないのだが…そんな表情の前、ライデンは少し身を乗り出し気味でその言葉を口にする。
「折角だから、実践、しない?みんな巻き込んでさ」
「…はい?みんな、って…まさか、乱…」
「違うし!俺はゼノンしかいらないからっ!」
 ルークの言葉に食い気味に惚気の突っ込みを入れつつ、更に身を乗り出す。
「くじ引きかあみだくじにすんの。勿論、俺もあんたも平等に参加ね。で、自分が引いたやつをパートナーに実践すんのさ。自分が引いた場所の意味は教えるけど、あとは秘密にして…一名三つずつぐらい?面白くない?」
「…あんたねぇ…良く思いつくよね、そう言うの…」
 半ば呆れたような言葉だが…興味がなくもない。
「…みんな、って言ったけど…まさか、ダミ様も…?俺、全部見ちゃったけど?」
「当然参加よ。ダミ様だもの、きっと面白がってやってくれるよ?あんたに一番に種明かししたのは、あんたとデーさんは絶対照れるでしょ?でもデーさんは結構ムッツリだからね。今までの様子からすると、一度始めたらエロエロよ。まぁ相手がエースだしね。同じ状況じゃ逃げそうなのはあんただったから、最初に全部見せた訳よ。興味があれば乗ってくれるでしょ?」
「…どういう分析だよ…ってか、あんたデーさんにも色々聞いてんのかよ…」
「だって、如何にもって感じで上機嫌になってんだもん。スゲー倖せそうなんだもん、そりゃ気付くでしょうよ。だからね、ちょっと突っつくと真っ赤になって面白いんだ~」
 そう言って笑うライデンに苦笑しつつも、確かに…と納得する。
 直ぐに顔に出るのは、実はルークも同じ訳で…これは気を付けなければ、と改めて思ってみたりもする。
「…まぁ……良いけどね?ってか、流石に後で報告はしないよ?」
 流石にそれはどうかと思う…と思いながら、結局好奇心には勝てず…。結局、ライデンの目論見通り、ルークが折れた。
「別に報告はいらないよ。各々楽しめばそれで良い訳だからさ。直ぐじゃなくても良いし、一名ずつでも良いんじゃない?後で全部教えるし。意味を考えてさ、何処でどうキスしようか、って考えるのも楽しくない?ただ、興奮し過ぎて忘れないようにね」
 にっこり笑うライデン。どうやら本気で楽しんでいる。その無邪気でありながら欲望に素直な姿に脱帽しつつ、楽しめば良い、と言う言葉はちょっと羨ましくも思う。
「…楽しむ、か…」
 ソファーの背に凭れながら思わず零した言葉に、ライデンが首を傾げる。
「楽しくないの?ダミ様とイチャつくの」
 問いかけられ、ルークは少し考える。
「楽しい、っつーかさ…緊張が抜けない、って言うか…照れるって言うか…そりゃね、ダミ様のことは大好きだし、一緒にいれば倖せだと思うよ?でも、俺はあんたと違ってあれこれやりたがる訳でもないからさ…」
 そう言いつつ、何を零しているんだ、と馬鹿らしく思ったりもするのだが、どうやら話を聞いているライデンの方はもっと真剣な顔で聞いている。
「楽しくないと、長く続かないよ?」
「…あんたと一緒にしない。俺は別に今のままで満足だし」
 相手たるゼノンを気の毒に思ってみようかとも考えたが…ゼノンも別にライデンの扱いに困っている訳でもない。ゼノンはゼノンでライデンの性格は把握しているので、問題はないのだろう。
「…ったく、あんたと言いゼノンと言い…まぁエースもだけど、性欲の強い種族って大変だ」
 なければなくても困らない。ただ、一旦火が付くと何処までも貪欲なのは、赤の種族の特徴なのだろうか。そんなことを考えつつ、小さな溜め息を一つ。
 だがしかし。
「素直になりな?」
 ルークの表情を見つつ、ライデンが声をかける。その言葉に、思わず笑いを零す。
「よし、乗った!どうせ、誘われればダミ様はノリノリだろうしね。やったろうじゃないの」
「それでこそルーク!」
 やっと吹っ切れたルークに、ライデンもにっこりと笑う。
「じゃ、気が変わらないうちに準備準備♪」
「ったく…」
 御機嫌なライデンに、ルークも笑いを零す。
 取り敢えず…ライデンの言葉ではないけれど、楽しむことを前提に。

◇◆◇

 ルークの執務室で準備をしたライデンは、上機嫌でダミアンの執務室を訪れていた。
 そしてそこにデーモンも呼び、二名を前に準備してきたあみだくじを差し出す。
「…えっとですね、取り敢えず…あみだに三つ、名前書いて貰えます?それから、適当に横線も」
 既にルークの記名済みのあみだくじ。ルークの提案で、今は敢えて多くは語らず、結果と共に説明することにしたのだが…当然怪訝そうに眉を寄せるデーモンと、何か面白そうなことが始まるであろうと読んだ、上機嫌のダミアン。両名が正反対の表情を浮かべていた。
「ルークはもう記名してあるんだね?」
 ダミアンにそう問いかけられ、頷きを返す。
「えぇ。用事があって先に会って来たので、そのついでに。で、ダミ様とデーさんに書いて貰ったら、ゼノンとエースにも書いて貰おうかと。最後は俺で。みんなで楽しみたいな~と思って…」
 デーモンの様子を窺いつつ…ここでダミアンが乗ってくれれば、多分デーモンもそれに従うだろう。そう予測して来たのだが、どうやらそれで正解だったらしい。
 ルークが記名してあることが、ダミアンには有効だったのだろう。
「楽しいことなら良いね。じゃあ、わたしは…こことここと、ここにしようか」
 率先して線の上に記名し、追加で横線を数本引くと、その紙とペンをデーモンにも渡した。
 ダミアンに促されては、拒否は出来ないデーモン。ただ、ライデンの表情で何かを察した様子だった。
「楽しいこと、って…御前まさか、妙な事始めるつもりじゃないだろうな…?」
 ギクッとしつつ、ライデンにとっては楽しいことなので、にっこりと笑いを返す。
「多分、エースも楽しんでくれると思うよ?ルークだって名前書いてくれてるんだし、何の心配もなくない?」
「…一番にルーク、って言うのが引っかかるんだがな…」
「まぁ、良いじゃないか。楽しいことなら別に御前だって構わないだろう?」
 ルークとライデンの同年齢コンビ。職務から離れると一緒になって悪ふざけになり兼ねないので、デーモンの警戒範囲なのだが…ダミアンが御機嫌で記名してしまった手前、断ることも出来ず。
「ったく…」
 小さくぼやきつつ、デーモンも自分の名前を書くと、横線を幾つか書き込み、紙をライデンへと渡した。
「これで良いんだな?」
「ん、有難う。みんなに書いて貰ったら、詳細は伝えるからね」
「楽しみにしているよ」
 にっこりと笑うダミアンに、にっこりと笑いを返すライデン。デーモンは小さな溜め息を吐き出してはいたが、拒否されなかった事実だけを持ち帰ることにした。
「じゃあ、また後で」
 そう言って、そそくさと執務室を後にした。

 次にやって来たのは、文化局のゼノンの執務室。
 先ほどと同じようにあみだくじの紙をゼノンへと差出し、ダミアンやデーモンにした説明と同じことを話す。
「…あみだくじ…」
 暫し、あみだくじの紙を見つめ、何か考えている様子のゼノン。
 ゼノンが拒否すれば、ライデンとしては自分がゼノンにキス出来ても、ゼノンからはして貰えない。ライデンにとっては一番分が悪い。
「…何か、目論んでるでしょう…」
 ライデンの行動は御見通し、と言わんばかりに、溜め息を一つ。
「目論むだなんて、ヒト聞きの悪い…俺は純粋にね、楽しいことしたいな~って…」
「周りを巻き込んでることが目論んでる、って言うの。詳しい話もしないでサインだけ求めて来るのはそう言うことでしょ?」
「…ゼノ…」
「みんな、納得したの?ダミアン様は、多分同意するだろうけど…デーモンとか、ルークとか…エースの名前がないのは、拒否されたからじゃないよね?」
 心から心配しているのだろう。問いかけるゼノンの声に、ライデンは小さく溜め息を一つ。そして椅子に座るゼノンの背後に回ると、腕を伸ばしてゼノンの首へと回して抱き付く。
「ちょっと、ライ…」
「あんたに、何の不満もない。ただ、一緒に楽しみたいだけ。ルークが一番嫌がると思ったから、先に全部話して、その上で賛同して貰った。デーさんは、ダミ様に促されてだけど…大丈夫、嫌がるようなことは別にないと思うし、何よりさせないし。エースの名前がないのは、連絡したら忙しそうだったから。職務が終わったら会う予定」
「…なら、良いけど…」
 常々心配をかけていることは、重々承知。だからこそ、気晴らしも兼ねて楽しみたかったのだ。
「…嫌?」
 後ろから覗き込むようにして改めて問いかけると、再び溜め息が一つ。
「もぉ…」
 結局のところ…ゼノンも、愛しいライデンを無碍には出来ない訳で。
「…絶対、周りに迷惑かけちゃ駄目だよ?」
「わかってるって。大丈夫。みんな、機嫌良くなる…はず」
 確証はないが、みんな嫌いではないはず。愛しい恋悪魔との時間を楽しむ為のものなのだから。
 幾度目かの溜め息を吐き出しながら、ゼノンもあみだくじに記名と横線を入れる。
「はい。これで良いのね?」
「有難う~~」
 その首元にぐりぐりと額を擦り付け、笑いを零す。
「はいはい」
 ポンポンと頭を撫でつつ、こっそりと溜め息を吐き出すゼノン。
----ここに至っても、何を目論んでるか言わないんだから…
 いつになく、口の堅いライデンに、溜め息しかなかった。

 職務時間も終わり、約束通りエースの屋敷を訪れたライデン。
 エースと顔を合わせて直ぐに、あみだくじの紙を差し出す。そして皆にした説明と同じことを話す。
 当然、エースも怪訝そうに眉を寄せる。そしてライデンから手渡されたあみだくじへと視線を向ける。
「…あとは俺と御前?誰が最初に書いたんだ?」
「…そう…俺が言い出しっぺだから、最後にね。書いた順番は、ルーク、ダミ様、デーさん、ゼノンね」
「…へぇ…ルークが一番、ね…」
 そう言いながら、煙草を銜えて火を付ける。
「……何で理由は秘密なんだ?」
「いや…だってね、みんなが書いた後じゃないとさ…途中で誰かに聞いたら面白くない、って言うか…」
 ソファーに座りながらそう答えたライデンだったが、エースはペンを持って来るとライデンの前に置いた。
「俺は最後で良いから、今御前が先に名前入れろ。そうしたら書くから。それで全員だろう?だったら、理由も説明出来るよな?」
「…もぉ…用心深いんだから…」
 エースには逆らわない方が無難。そう察したライデンは、エースの前で空いている場所に名前を三つ書く。そして幾つか横線を入れると、そのままエースへとペンを渡した。
「空いてるところがあるけど、そのまま空けておいて良いのか?」
 あみだくじを眺めながら問いかけるエースに、ライデンは頷く。
「良いよ。平等にすると、足りないから。余る分には別に平気だし」
「そう、か」
 そう言いながら、エースは素直に名前を書き入れる。そして横線も入れると、改めてライデンへと視線を向けた。
「…で?これは何のあみだくじだ?ルークが最初に書いたってことは、彼奴は共謀なんだろう?」
「えっと……」
 何処までも鋭い。と言うか…面白そうだとすんなりと書いてくれたのはダミアンだけ。残りの面子は皆、ライデンが何か目論んでいる、と言うことが丸わかりなのだ。理由も言わずにあみだくじに名前を書かせるなど、碌なことを考えていないだろう、と。
 まぁ…内容が内容だけに、全部話せばエースなら喜々として受け入れてくれそうなのだが…と、暫し考えを巡らせる。
「…えっとね…ルークが共謀、って言うより…一番警戒してそうだったから、一番最初に話を持ち掛けた訳。それで、理由は後、って言うのは…知らない方が面白いかな、って…ルークがね…」
「結局ルークが共謀じゃねぇか」
 呆れたように、溜め息と共に紫煙を吐き出すエース。
「何かやりたいなら、最初に必要なことは伝えろよ。だから、デーモンだのゼノンだのが心配して連絡入れて来るんだろうが…」
「デーさんとゼノンから連絡あったの?」
「ないと思うか?あの過保護の心配性たちから」
「…まぁ…」
 何か目論んでいる、と見抜かれている時点で、既に恒例の連絡網が回っている訳で…だからこそ、ゼノンも必要以上に心配していたのだろう。
「…大丈夫。変なことでは決してないし。寧ろ、あんたなら…喜ぶんじゃないかと…」
「俺が喜ぶ、って何だよ」
「いや、だからね……」
 エースの前で、これ以上秘密にしていくことは無理な話で。
「…わかった。じゃあ、ここで振り分けさせて。でも、あんたも見ちゃ駄目。終わったら一番に話すからさ。それで良い?」
「…まぁ…」
 何処までも内密にしておきたい気持ちは変わらないのだろ。そう察したエースは、溜め息を一つ。
「でさ…人数分の紙と封筒、くれる?」
「…ったく…」
 煙草を銜えたまま机へと向かい、その引き出しから便箋と封筒を取り出してライデンへと渡す。
「有難う!で、三十分だけ時間頂戴。その間に終わらせるからさ」
「はいはい。待ってりゃ良いんだろう?」
 にっこりと笑ったライデンは、机を借りてごそごそと何やらやり始めた。
 最早、ライデンの思う通りにしなければ進まない。諦めたエースは、ライデンの背中を眺めつつ煙草を吹かし、グラスに入れた酒を呑みながら、素直に待つしかなかった。

 そして約束通り、三十分ほどが経った頃。
「OK!出来上がり~」
 上機嫌な声と共に、振り返ったライデン。そして、封筒を一つ持ってエースの元へとやって来た。
「御待たせしました…」
 そう言って両手で封筒を持ち、頭を下げてエースへと差し出す。
「…んだよ、仰々しく…」
 一体何を書いていたのかと気になったエースは、受け取った封筒を直ぐに開け、中の便箋を取り出す。
「…何だよ、これ…」
 便箋に目を通したものの、イマイチ意味が良くわからない。
 怪訝そうに首を傾げたエースに、ライデンはにんまりと笑う。
「書いてある通りなんだけど、キスする場所に意味があるのさ。で、あんたが選んだ三つの場所の意味も書いてあるでしょ?それを、デーさんで実践すんの」
「…あみだくじ、ってことは…デーモンはまた別の三つなのか?」
「そう言うこと。デーさんが選んだのはデーさんにしか教えないから、どんな意味だろうって考えてみるのも面白いかな~って……言うことなんだけど…」
「…成程な…御前らがこそこそ目論んでた意味がわかったよ。こんなの大っぴらにしたら、確かにデーモンは逃げるな…」
「でしょ?折角だから、あんたとデーさんと、一緒に楽しんだら良いんじゃないかな~って。勿論、みんな違う場所だから。キスする場所と意味を考えると、なかなかエロいでしょ?」
「無邪気な顔して…そんなこと考えてたのか、御前は…」
 思わず苦笑するエース。確かにこの内容なら、ルークに最初に話して正解だったのだろう。まぁ、ルークもその手の話題には照れるものの、決して嫌いではない。だから、納得したのだろう。
「因みに…余ったやつは何だったんだ?」
 確か、全員が記名をしても、四本ほど余っていたはず。それを思い出して問いかけると、ライデンはポケットから紙を取り出して目を通す。
「えっとね、驚くことに王道が残ったんだよね。"髪"と"頬"と"唇"と"手の甲"」
「意味は?」
 何となく思い当たる節はあるものの、一応聞いてみる。
「"髪"は思慕。"頬"は親愛や厚意、満足感。"唇"は愛情。"手の甲"は敬愛。まぁ、王道だぁね。俺は全部知ってるし、ルークも一通り目は通してるから、残りの四つはあんたには言っとく。それで、みんなに伝わるし。今回は自分以外のは内緒だけど、そのうち全部書いてあるのあげるね。あ、報告はいらないから」
 にんまりと笑うライデンに、エースは笑いを零す。
「頼まれたって教えるか」
 どうやら、エースの機嫌はすっかり上向きになったようである。その顔にホッとしつつ、エースがここまで乗り気になれば、デーモンも問題はないだろうと安堵する。
「そろそろゼノンのところに帰らなきゃ。心配してるだろうしね。じゃ、明日配って来るからね。楽しみにしてて」
「あぁ、楽しみにしてる」
 笑うエースに見送られ、ライデンも漸く肩の荷が下りたのだった。

 そして、各々の御愉しみが待っている……はず。
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プロフィール
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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