聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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忘れ物に御注意を
「あ~…っと…忘れ物した…」
その日の職務も終わり、これから帰路に着こうかとしていた時、突然そう声を上げたのは、蒼き悪魔。
「…忘れ物?だったら、取って来いよ」
その蒼き悪魔を迎えに来たのは、赤き悪魔。今夜は久し振りに二名で呑みに行こうと蒼き悪魔に誘われ、早々と職務を切り上げた赤き悪魔自らこうして軍事局まで迎えに来たのだった。そして、蒼き悪魔が声をあげたのは、彼の執務室を出て数歩のところ。だからこそ、赤き悪魔も安易にそう口にしたのだが…どうも、蒼き悪魔の表情は苦渋顔である。
「…どうした?」
思わず問いかけた声に、蒼き悪魔の溜め息が零れる。
「いや…俺の執務室じゃなくて…」
「なくて?」
「…ダミ様のところ…」
「は?ダミアン様の執務室か?」
「…いや……その…」
どうも、言葉が曖昧である。まぁ、はっきり言えないと言うことは、それなりに理由があるのだろうが…。
「…私邸、か?」
「………」
「図星か」
くすくすと笑う赤き悪魔に、蒼き悪魔はぷぅっと頬を膨らませた。
「やっと報われたからって、幾ら何でも、ぼんやりし過ぎだろう?朝帰りでもしたのかよ」
「…良いでしょ、別にっ!」
赤き悪魔は、何を想像しているのだろう。顔を伏せ、肩を振るわせながら、くっくっと笑いを押し殺している。その姿に、それが事実だと言わんばかりに蒼き悪魔は耳まで朱に染まる。
「もぉっ!そんなに笑うことないじゃんよぉっ!自分だって年中デーさんのところに泊まってるクセにっ!俺だって泊まりたいのっ!まったりしたいのっ!それなのに…エースの馬鹿っ」
「悪い、悪い」
言葉ではそう言うものの、全く悪びれた様子のない赤き悪魔…。だが、懸命に笑いを堪え、笑い過ぎてうっすらと涙の浮かんだ瞳を指先で拭うと、改めて蒼き悪魔に問いかけた。
「で、何を忘れて来たんだ?」
「…指輪とブレスレット…」
「…は?指輪はわかるが…ブレスレット??」
そう返され、思わず赤き悪魔の視線が、蒼き悪魔の手元へと下がる。勿論、忘れてきたのだから、今着けているはずはないのだが…何故か、蒼き悪魔も、照れ臭そうにすっと赤き悪魔の視線から手元を隠していたりなんかする…。
普段、魔力と感情制御のピアス以外の装飾品を好まない赤き悪魔とは違い、この蒼き悪魔は時々指輪やペンダントなどをつけていることは知っていた。だが、ブレスレットまで着けていたとは初耳である。
「今まで、ブレスレットなんか着けてたか?」
「…最近ちょっと…」
「…なんで外したんだ?」
「…だって…手ぇ洗う時濡れるから…」
「………あぁ…」
そう言えば…と、赤き悪魔はあることを思い出した。
手洗い厳守。それが、皇太子の部屋(執務室、私邸を含む)に入る為の条件の一つ。だが、忙しさに感けて、赤き悪魔は忘れることが多かったのだ。それを恐らく、この蒼き悪魔は律儀に守っていたのだろう。そしてどうやら、その時の手洗いで外したまま忘れたらしい。
「今日の日中は執務室にいたんだろう?何で今まで忘れていたんだ?」
「…だって…」
蒼き悪魔の視線が、彼の袖口へと落ちる。それに従い、赤き悪魔の視線もまた、袖口へと注がれた。
「…長袖、だったから…」
「…ベタな奴だな…」
「…だってぇ~~…」
蒼き悪魔の表情は、既に半べそである…。これはからかい過ぎたかと、赤き悪魔も小さな咳払いを一つ。
「…ったく…気を付けろよな。まぁ、ダミアン様のところにあるなら、直ぐ見つかるだろう?」
「…『なくしたらどうなるかわかってるね?』、って言われてたんだけど…」
「…ダミアン様からのプレゼントか!?…ったくぅ…」
まさか、忘れ物が皇太子からのプレゼントだったとは…それでは、蒼き悪魔の歯切れも悪い訳である。勿論、どうなるか…と言うのは冗談だろうが、この状況下では、流石の赤き悪魔も笑えない。
上着の内ポケットから煙草を取り出すと、その一本を口に銜えた。
「早いうちに取りに行けよ。そうすりゃ、御前の罪も軽い」
「…エースったら…面白がってるでしょう…」
恨めしそうに見上げる眼差しに、赤き悪魔は煙草を銜えたまま溜め息を吐き出した。
「馬鹿言え。冗談でも『なくしたらどうなるかわかってるね?』、なんて言われている相手を前に、遊べる訳ないだろう?まぁ、忘れた御前が悪いんだろうけれどな」
「…じゃあエースは、忘れ物したことない訳~っ!?」
ぷぅっと頬を膨らませた蒼き悪魔に、赤き悪魔は再び溜め息を一つ。
「御前ほど馬鹿な忘れ物は………あ?」
ふと、何かを思い出したのだろう。赤き悪魔の言葉が途切れる。そして、その表情も僅かに強張っている。
「…どしたの?」
思わず問いかけた蒼き悪魔の声に、赤き悪魔は我に返ったように、銜えたまま火も付けていなかった煙草を、徐ろに元に戻した。
そして。
「呑み会、中止。急用思い出した…」
「ちょっ…エース…っ!?」
「御前も早く、忘れ物取りに行けよ!」
そう言葉を残し、赤き悪魔はそそくさとその場を立ち去って行く。その後姿を、蒼き悪魔は不思議そうに首を傾げて見送っていた。
「…何、あれ…まさか、デーさんとの約束、忘れてたりしてね…」
赤き悪魔の、尋常ではない慌て振りを思い出し、蒼き悪魔はくすっと小さく笑いを零していた。
「…しょうがない。呑み会なくなっちゃったから…取りに行くか…」
忘れ物をそのままにしておく訳にも行かず、蒼き悪魔も僅かに重い足取りで、皇太子の私邸へと向かったのであった。
さて、赤き悪魔は…と言うと、蒼き悪魔と別れた後、とある店へとやって来ていた。
「遅~い!一時間の遅刻~っ!」
「悪い、悪い」
気まずそうにポリポリと頭を掻きながら、待ち悪魔の隣へと腰を降ろす。
「吾輩との約束、忘れていたんだろう?」
「…まさか。ちょっと、ルークと話し込んでいたからな。彼奴、ダミアン様の私邸に忘れ物した、だなんて言うから…」
実際、はっきり言ってこの大事な約束を忘れていた赤き悪魔だが、そんなことを噫気にも出さず、平然としている。
「ルークがダミ様の私邸に忘れ物?なぁにやってたんだか…」
くすくすと笑う相手に、赤き悪魔の表情も僅かに緩んでいる。
最愛の恋悪魔。この相手との約束を忘れていたのは、思わぬ失態だった。けれど、相手はそれ程怒っている様子でもない。
「…さて、これからどうする?」
頼んだ酒に口を付けながら問いかけた声に、恋悪魔はにっこりと微笑む。
「取り敢えず、ここは遅刻して来た御前の奢りだろう?」
「あのなぁ…」
「その後は……まぁ…なぁ?」
御機嫌の恋悪魔の姿に、最早何を言い返すことも出来ず…。
「まぁ…なるようになる…さ」
くすっと、赤き悪魔も笑いを零す。
長い夜は、まだまだ始まったばかりだった。
後日談。
ダミアンの私邸の有能な使用魔のおかげで、ブレスレットと指輪はダミアンの目に触れる前に回収されていたとのこと。
おかげで、蒼き悪魔の左手にはブレスレットと指輪が、何事もなかったのように無事に光っていたのであった。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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