聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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Birthday
ふと、脳裏を過ぎったモノは…眩いばかりの青い光。その光が、ゆらゆらと揺らめいていて。
「…じゃあ……これにしようか」
その色は、決定打だったのかも知れない。
「綺麗な色ですね」
笑顔でそう言われ…彼は、満足そうに微笑んだ。
イメージ通りの品物が手に入った。それだけで十分だった。
「…デーモンは?」
問いかけた声に答えたのは、蒼き悪魔。
「デーさん?今日は帰りが遅いんじゃなかった?」
「…そうだったか…」
「なぁに、デーさんに用事?」
「いや…大丈夫」
それだけ返すと、彼は踵を返す。
長居は無用。そう言わんばかりにそそくさと姿を消した。
「…何だ、あれ…?」
その後姿を見送りながら、蒼き悪魔は首を傾げていた。
その日は夜遅くまで時間を潰し、後一時間程で日付が変わると言う時間になって、マンションの一室を訪れた。
チャイムを鳴らしても、返事はない。
「…仕方がない。ここで待つか…」
小さな溜め息と共に、ドアの前に腰を下ろした。
一応、夕方に仲魔に連絡を取ってみたのだが、今日はマンションに戻る、と言っていたと聞いた。だからこそ、わざわざ出向いて来たのだ。
「…意外と冷えるな…」
上着は着ているものの、コート程の厚みはない。ひんやりとした空気は凛として気持ち良いのだが、流石に寒いのはいただけない…。
「はぁ…何やってるんだろうか、俺は…」
誰にも内緒で…なんて、考えなければ良かったんだろうか?
でも、他の仲魔の前では、余りにも意味深過ぎて…格好のからかいの的になってしまうだろう。
彼自身、相手がどう受け取るかもわからないのだが…折角準備したのだから…と、内緒で訪ねて来た訳で。
幾度目かの溜め息を吐き出し、腕時計を見る。
ここへ着てから、30分程が経っている。
身体は冷えて来るし、腰は痛くなるし…さて、どうしようか…と思い始めた時。
「…清水?」
聞き慣れた声。視線を向ければ、驚いた表情で彼を見つめる仲魔の姿。
「……遅い…っ」
思わず、口を突いて出た言葉。
「…いや…来るなんて聞いてなかったが…?」
「言ってないが?」
「……まぁ…入るか…?」
玄関の前で待たれていながら、そこで追い返したら後で何を言われるか…と言う心境だったのだろう。素直に玄関の鍵を開けると、彼を中へと促す。
「寒かったろう?今、何か暖かいものでも…」
「心配するな。酒持って来てるから」
「……そう、か…」
彼の行動が、どうにも掴み取れない。そんな表情を浮かべながら、グラスを出して来る。
「…シャワー、浴びてきてもいいか…?」
「どうぞ」
「…じゃあ…」
怪訝そうな表情を浮かべながらも、着替えを手にシャワーを浴びに行く。
その背中を見送った彼は…さて、これから何と言おうか…と、まだ考えあぐねていた…。
シャワー浴びて、着替えをした主…デーモンは、仲魔の突然の訪問を奇妙に思いながらも、何か急用でもあったのだろうか…?と変な心配をしつつ、部屋に戻って来た。
ダイニングのテーブルには、仲魔の姿。先ほど置いていったグラスは…まだ、空っぽだった。
「…先に呑んでたんじゃないのか?」
「あぁ…待ってた」
「…そう、か…」
何だろう、この奇妙に張り詰めている空気は…。
そう思いながら、仲魔…エースの前へと腰を下ろす。すると、エースは徐に持参して来た酒をグラスに注いだ。
「もう直だ」
腕時計を見ながら、グラスを一つ、デーモンへと渡す。
「…エース…?」
受け取ったは良いものの…エースはまだ、腕時計とにらめっこをしている。
そして。
「……5、4、3、2、1、0!」
「…えっと……?」
「発生日、おめでとう」
「……あぁ…ありがとう…」
カチンとグラスを合わせ、乾杯をする。
グラスに口をつけている目の前のエースは、少し照れ臭そうだ…。
「…そうか、吾輩の誕生日、だったな。でも、今日は屋敷でパーティーやるとかってルークが言っていたが…?」
「そう。でも、みんなの前では渡し辛かったから…」
「……?」
エースはそう言うと、グラスの中身をぐいっと一気に煽ると、持ってきた鞄の中から、小さな箱を一つ、取り出してデーモンの前に差し出した。
「…何と…言って渡したら良いか…今でも良くわからないんだ……お前が、気に入ってくれると……良いんだが…」
「………」
いつにないエースの姿に、デーモンもどう言葉を返して良いのかわからなかった。
渡された箱を開けてみると…中には指輪が一つ。
銀の縁に青い波の指輪。正しくそれは…デーモンの色、だった。
「…これは…」
「…綺麗、だったから…お前に似合うだろうと……」
視線を上げてみれば、エースは下を向いているが…その顔は、耳も首筋も、みんな真っ赤に染まっていた。
エースが、自分の為に選んでくれた。ただ、それだけで胸が一杯になる。
デーモンは、小さな吐息を吐き出すと、にっこりと笑って口を開いた。
「…有難うな…エース」
「……あぁ…」
エースは、まだ赤い顔をしている。
「初めてだな。お前から、プレゼント貰ったのは」
「…そうだな。だから…特別、だ」
「…特別、か。じゃあ、お礼をしないとな」
くすっと笑いを零すデーモン。そして椅子から立ち上がると、エースの背後へと回る。
そして腕を伸ばし、その身体を背後からそっと抱きしめた。
「…有難う」
耳元で、小さく囁く。
甘い声。そんな声で囁かれたら…。
「…くすぐったい…」
小さく笑って身を捩るエース。その姿を、デーモンは笑って見ていた。
「…彼奴等には…内緒にしてろよ」
「吾輩が填めてたら、そのうちバレるだろうけどな」
「その時は…その時だ」
そこまで行けば潔いのに、何でこんなに照れるんだろう。
全く…可愛いんだから。
くすくすと笑いながら、デーモンはそんなエースを愛おしそうに見つめていた。
翌日…と言うか、既に日は変わっていたので本日、と言うのが正しいのだろうか。
とにかく、その日の夕方。
構成員みんなで集まって、デーモンの発生日のお祝いパーティーが開かれた。
今日のエースはいつもと全く変わらず。だからこそ、一番最初に祝ってくれたあの姿が、本当に幻だったんじゃないかと思うくらい。
自分だけに見せてくれた、エースの照れた顔。
デーモンにとっては、その姿も、喜ばしいプレゼントだった。
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HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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