聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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GO FOR IT!
その日のライブが終わった夜。
遅い時間に帰って来たにも関わらず…自宅のマンションの前で、待ち構えている姿があった。
それは、昔から良く見知っている悪魔。勿論、ここでの姿は人間だが。
「…おい。何やってるんだ…?」
その姿を見つけるなり、思わず口から出た言葉に、彼は顔を向けた。
「…御帰り」
「…御帰り、じゃなくてな…何してるんだよ…」
呆れた顔でそう返すと、相手はくすっと笑った。
「たまには顔を見て、話したいと思ってな」
「だからって、何で今日なんだ?こっちはライブ上がりで疲れてるってのに…」
思わず零れたのは本音。昔馴染みだからこそ、吐き出せた言葉だった。
けれど、相手も引かなかった。
「なかなか会えないだろう?御前もライブであちこち行っているんだし。吾輩も忙しいしな」
「だったら、無理して来るなよ」
溜め息交じりの言葉に、相手は…その表情を僅かに変えた。
何とも言い難い…強いて言えば、色々な感情を抑え込んだ表情。
「…悪かった。でも…会いたかったんだ…」
素直にそう言われては、それ以上は責められない。
「……ったく…で?ウチに入るか…?」
彼の表情に絆された訳ではないが…この押し問答が長引くのはいただけない。
だからこそ、問いかけた言葉だったのだが…彼は、首を横に振った。
「中には入らない。"そこ"は、御前のテリトリーだろう?もう…昔のように、なし崩しに踏み込むことは出来ない。それくらいの分別はあるつもりだからな」
外ならまだしも、マンションの部屋という完全プライベートな空間は、流石の悪魔でさえも一線を引いたようだ。
「…じゃあ、その辺で良いんだな?」
「あぁ。長居はしない」
その言葉に溜め息を吐き出しつつ、場所を変える。遅い時間なのでそれ程人目はないが、それでも目立つ場所は避けたかった。
直ぐ近くの公園の片隅に場所を変え、素直に着いて来た姿を振り返る。
「…で?わざわざ顔を見に来た理由は?電話では事足りないのか?」
昔に比べ、電話で話すことに抵抗は少なくなった。けれど、顔を見て…となると、どうしても言葉に棘が増えることは、自分でもわかっていた。だから…出来れば、会いたくはなかったのだが。
「…ツアー、頑張っているんだろう?それに、アルバムも出したとか…」
その情報は何処から…とは、敢えて聞かなかった。まぁ、同じ業界にいるのだから、話は嫌でも耳に入るだろうから。
「まぁ…な。ライブハウス巡りだから、御前からすれば客の人数も少ないし、アマバンに毛が生えたようなもんだろうが…」
「何がアマバンだ。30年モノの立派なプロだろうが」
思わず苦笑した彼。
「別に、御前のやっていることに何かを言いに来た訳じゃない。それが楽しいんだろう?だったらそれが一番良いじゃないか」
「…デーモン…」
「自分たちの思う通りに仕事が出来るんだ。そんなに良いことはないと思うぞ?何より、顔が生き生きしてる」
「…昔は死んでたか?」
「さぁ、どうだったかな…思い出せんよ」
多分…この相手のこと。忘れているはずはない。ただ…言わないだけで。
「今が、楽しいんだろう…?」
改めて、問いかけられた。
「…あぁ、楽しいよ。だから、精一杯頑張ってるんだ」
その言葉は、自分自身にも、言い聞かせているようで。
「曲作って、あちこち行って、歌って、また曲作って。その繰り返しだ。でも…色んな所に行って、色んな人たちに出逢って…抱いた色んな想いを、歌詞に込めて…曲に乗せて…今まで、当たり前のようにやって来たことでも、環境が変われば抱く気持ちも変わる。少しでも、その想いが伝われば良いと…」
沢山の人に支えられて来た実感と、その想いを誰にも邪魔をされないように。頑なに守ってきたその想いは…何処まで、理解して貰えるかはわからないが。
でも、少なくとも…そんな言葉を聞いている彼の表情は、とても柔らかかった。
「わかっているさ。そう思っているのは御前だけじゃない。みんなそうだろう?ただ、歩き始めた道が違うだけで。目指す場所は、みんな違うが…昔はみんな、同じ道を歩いて来ただろう?まぁ、腹の中はそれぞれ色々あったろうが…それでも、最後まで辿り着けた。それは、評価して良いと、吾輩は思ってる」
確かに。それが根本にあったから…今、歩いていける道があるのだろう。
「御前がどう思うかは別として…吾輩は、御前の作る曲も、奏でる音も、歌う声も好きだ。だから、邪魔はしない。ライブで楽しそうに演奏してる御前が一番カッコイイと思うんだ」
にっこりと笑ってそう言った相手。
昔だって…別に、嫌々やっていた訳ではないけれど…今に比べれば、やっぱり色々思うところはあっただろう。何せ…主体は悪魔だったから。
作る歌詞も曲も、昔とは違う。それは当然のこと。それでも、それを受け入れてくれる環境がここにあることが、何よりも恵まれていたのだろう。
見上げた空に、半月が浮かんでいた。流石に東京の空では星はなかなか見えない。けれど…月は、空を見上げれば見える。
それが、何処にいても。
「まだまだ…やりたいことはあるんだ。ぼんやりしていても、時間は過ぎて行く。だから、休んでいる暇はないんだ。もっと、もっと…突き進んでやる」
空を見上げたままそうつぶやいた言葉に、小さな笑い声が零れる。
「吾輩もだ。立ち止まっている暇はない」
その言葉に、視線を向ける。
そこには、同じように空を見上げている彼の姿があった。
「周りに何と言われようが、自分で行こうと決めた道だ。諦めるつもりはない。吾輩を良く思わない連中がいることも事実だし、叩かれることにも慣れてしまったがな。それでも、妥協はしない。少しでも受け入れてくれる場所がある限り、立ち止まる訳には行かない。待っていてくれるヒトがいるなら、尚更だ」
そう口にした彼の表情は、とても穏やかで。
カタチは違っても、抱いた想いは同じ。
そうやって…共に、走り抜いて来たのだから。
「…もしも…もう一度、"エース"と一緒にステージに立てたら…今ならもっと、楽しいだろうな」
ポツリと零れた言葉。
胸が、痛まない訳ではなかった。もしも、自分が頑なにそれを拒まなければ…チャンスはあったはず。けれど…それが、自分が出した答えではないような気がして。
小さな溜め息を吐き出し、その言葉を続けた。
「悪いが…期待はするな。もしもは、ないと思え。それは、散々言ったはずだ。その気持ちは、今でも変わらない。でも…」
「…でも…?」
彼は、自分を見つめていた。真っ直ぐな眼差しで。
「いつだって、同じ気持ちではいる。俺たちが進むべき道は枝分かれしているだけで…何処にいても…見上げれば、同じ空だ。この地球にいる限り、届けたい気持ちは同じ。待っているヒトの心には、ちゃんと想いは届く」
その言葉に、相手は小さく笑った。
「相変わらず気障だな~」
「うるせー」
そう言いながらも、笑いが零れた。
歩み寄ろうとか、理解しようとか…最早、そう言う次元ではなかったのだろう。
最初から、抱いていた想いは同じであるなら。表現の仕方が違っても…進む道が違っても、共有出来る空があるのなら。
「まだ、ツアーも続くんだろう?」
問いかけた彼の声に、小さく頷いた。
「あぁ。俺は、御前とは違うからな。ちまちまとやって行くさ」
あくまでも、自虐ではない。どんな仕事にも、プライドを持っているのだから。
だから…真っ直ぐに、進んで行ける。
「体調には気をつけろよ」
「昔みたいに無茶はしてないから大丈夫だ。酒も煙草も、昔ほどじゃないし、夜遊びしている暇もない。それに、無茶が通る年でもないしな」
「それは、みんな一緒だって」
くすくすと笑う彼に、笑いを零す。
大丈夫。迷いは、ないから。
「じゃあ…吾輩はそろそろ帰るな。元気そうな顔が見れて良かった」
彼はそう言って、その右手を差し出した。
「御前も、しっかりな。テレビで顔を売れるのは御前だけなんだからな。彼奴等の"またいつか"の為に、ちゃんと帰るべき場所を、残しといてやれよな」
そう言いながら、その手を握る。
「気が向いたら、いつでも帰って来て良いからな。御前にとっても、"帰るべき場所"として、残して置くから」
「しつこいな、御前も」
くすくすと、笑いが零れる。
そんなことはもうないと思いながらも…いつまでも、仲間であると言う絆は消えないと言う安心感が、そこにはあった。
「今日は御疲れ。邪魔して悪かったな。ゆっくり休んでくれ」
にっこり笑って、彼は踵を返した。
「あぁ。サンキュー」
その背中に声をかけ、こちらも踵を返した。
束の間の再会。以前とは違って、ほんのりと胸が温かくなった。
彼等は、また歩き出す。立ち止まっている暇はないのだから。
それば、新しい未来へと続く道だった。
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HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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