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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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それぞれの想い 5
こちらは、以前のHPで2001年8月18日にUPしたものです
 ※シリーズ小説はカップリング小説です。(基本DxAです…/笑)
5話完結 act.5

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◇◆◇

 ルークが任務に復帰したその日、エースは任務の書類を手に、副大魔王の執務室を訪れた。
 向き合った御互いに、特別な表情はない。
 エースが持って来た書類に目を通すデーモンを、エースは目を細めて見つめていた。
 いつから、こうなってしまったんだろう。ちょっとした誤解が原因だったはずなのに…いつの間にか、取り返しが着かないところまで来てしまったような気がして。
「…俺がいなくても…平気だろう?」
 不意に口を開いたエースの言葉に、デーモンは顔を上げた。
 見つめたその顔に、表情はない。
 手に持っていた書類を机の上に置き、デーモンは答える。
「何が言いたい?」
「…そう言うことだ」
 たったその一言を残して、エースは踵を返した。
 デーモンは、何も言えなかった。何を言って良いのか、わからなかったから。
 そしてそれっきり……


 任務で出かけていたルークが局に戻って来た時、丁度ゼノンが訪れて来た。
「あぁ、ルーク。捕まって良かったよ」
「ん?」
 ルークの執務室に身を置き、ゼノンは口を開いた。
「ねぇ…エース、知らない?」
「エース?局にいないの?」
「うん…今朝、デーモンの所に書類を届に行ったところまではわかってるんだけど…その後の消息がわからなくて…情報局の方にも連絡が入ってなくて、俺のところにも連絡が来たんだけど…デーモンの所からはもうとっくに帰ったって言うんだ…」
「…デーさんとこ、行ったんだ…エース…」
「…?」
 表情を曇らせたルークに、ゼノンは首を傾げる。
「だって職務でしょ?それがどうかしたの?」
「…ううん。それより、ホントにわかんないの?エースの行き先」
 話題を変えるように尋ねた声に、ゼノンは頷いた。
「一応、情報局の局員たちも捜してるらしいんだけど、あんまりアテにはならないよね。あの、エースだもの。普通の局員が捜して見つかるような所に、いる訳ないよねぇ」
 呑気にそう言うゼノンに、ルークは思わず呆れた溜め息を吐いた。
「まぁ、デーモンも心当たりを捜してくれるって言ってたから、頼みの綱はそれだけだよね」
「……」
 あの状況では、それも余りアテにならないと思いつつ、ルークは曖昧に笑って見せた。
 まぁ、あのエースのことだから、何れ帰って来るだろうとは思うが…と、ルークはぼんやりと考えていた。

◇◆◇

 辺りはもう、薄暗かった。
 情報局の建物の屋上の更に上。高いアンテナのてっぺんの鉄柱に寄りかかり、エースは座り込んでいた。
 デーモンの執務室から出て来て、ずっとここに居座っているにも関わらず、誰一悪魔として、エースがここにいることに気付かない。真下にいる局員も、相当間抜けである。
 これぞまさしく、灯台下暗し。
 ま、それは扠置き。
 ぼんやりと暮れかけた空を見上げているエースの耳に、小さな音が聞こえた。そして、感じ慣れた気配。
 横に立った姿を見上げなくても、それが誰であるかはわかっていた。
「…まさか、御前が来るとはな…」
「仕方がなかろう。御前が行方不明だと、局員が大騒ぎしているんだ。吾輩のところにも、捜索協力が来たぞ」
 エースの声に答えた、不機嫌そうな声。
 その声に、エースは顔を伏せる。
「注意力が散漫だ。もっと厳しく指導しないとな」
 エースが口を噤んだ後、暫しの沈黙。
 隣の姿も、動かない。
 だが、その沈黙を破ったのは、彼…デーモンだった。
「…心配…したんだぞ」
 その声に、エースは思わず苦笑する。
「笑い事じゃない。吾輩は、本気で…」
「どうして俺を信じない?」
「…エース…」
 ふと、その眼差しがデーモンへと向けられた。
 何処か寂しそうな…いつものエースには見られない色。
「本気で俺が…ルークに手を出すとでも…?」
「……それは…」
 答えが、見つからない。
 ダミアンやゼノンがからかった所為で、苛々していた気持ちはある。だが、それだけの想いじゃない。それだけでは、こんなに意固地になったりしない。
 それなら…どうして?
 心の中で自問自答するデーモンを、エースは黙って見つめていた。
 これで想いが通じないのなら、仕方がない。
 そんな気持ちも、エースの中にはあった。
 だが、それよりもエースの心の中にあった想いは…
「もしも…御前が俺を信じられないと言うのなら…この関係はここでおしまいだと結論付けるのなら、俺が何をするかぐらい、わかるだろう?」
 立ち上がったエースは、徐ろにその手に一振りの剣を呼び出す。そして、その剣先をデーモンへと向けた。
「覚えているはずだ。俺は、その想いが通じないのなら、御前を殺す覚悟だったことを。咎められても構わない。死を宣告されても構わない。俺は、御前を殺す。それが…俺だ。今でもその想いは、変わらない」
「…そう、だったな…」
 小さくつぶやいた、デーモンの声。
 そう。それが、エースの想いの深さだったのだ。
 御互いの生命は、御互いの手に委ねたはず。それを忘れた訳ではないが…デーモンを襲った懐疑心が、その想いを一時忘れていただけで。
 大きく、溜め息を吐き出す。
 ここで殺されても、文句は言えない。きっかけを作ってしまったのは、確かに自分なのだから。
 そんな思いを込め、デーモンはその眼差しをエースへと向けた。
「殺しても…構わないさ。吾輩は…御前に殺されるのなら、本望だ」
「……」
 つと、デーモンが一歩を踏み出す。
 向けられた剣先が、軽くデーモンの胸に触れた。
「…誰よりも愛してる。だから…嫉妬したんだ。ルークと御前の秘め事に…」
「……察しろよ、ば~か…」
 大きな溜め息が、エースの唇から零れる。
 そして、その剣はエースの手の中へと消えた。
「最悪、ルークや俺に何かがあったとしても、御前にだけは危害が及ばないように…秘密にしてたって言うのに…」
「御前のことに関しては…感情を操作するのが下手なんだな、きっと。だから…信じていても、いらない嫉妬までするんだ」
「…不器用、だな。御互いに…」
「…だな」
 くすっと、笑いが零れた。
 それは、両名から。
「全部誤解だ。あの時の、ルークとのことも…」
 そう口を開いたエースに、デーモンは問い返す。
「ならば、何をしていたんだ?どう見てもあれは、恋悪魔同士、だったぞ?」
 脳裏に甦って来たのは、あの時の二名の姿。
 それを問いかけた言葉に、エースは眉を寄せた。
「だから、あれは…ルークを早く回復させてやろうと思ってだな…」
「どうしてそんなに急ぐ必要があるんだ?放っておいても、すぐに良くなるだろう?重傷を負った訳でもなし…。御前がそうやって変に気を遣ってるから、誤解を招くんじゃないか」
「…御前なぁ、そう絡むなよ。それに、御前が勝手に誤解したのを、俺に所為にするな」
 エースは溜め息を吐き出す。
 言っても、良いものだろうか…?
 ふとそんな思いが過ったが、目の前のデーモンの興味深げな眼差しを、今更回避することも出来ず。
「…今回のことは…彼奴のことだから顔には出さないが、ルークも精神的に辛かったと思う。だからそう言う時こそ、"魔界"が、彼奴の帰る場所で良いんだと実感させてやりたかった。早く安心感を与えてやりたかったんだ。心が病む前に…早く、想う悪魔に逢いたいだろうと思ってだな…」
 そう、口を開いた。
「…想う悪魔?ルークの…?」
 首を傾げるデーモン。ダミアンの傍に付いていることも多い副大魔王。それに、ルークはデーモン付きの参謀。てっきり気付いていると思っていたばっかりに、口を割ったエースは深みに填った。
「…まさか…気付いてなかったのか…?」
 きょとんとするデーモンに問いかけた言葉。
「知らない」
「…鈍感」
 呆れたように吐き出したエースのその言葉に、流石にむっとしたデーモンであったが…エースの言葉が余りにも興味深かったので、怒っている場合ではないと察して、自制した。
「…誰なんだ?」
 問いかけた声に、エースはくすっ笑った。
「ホントに気付いてないんだな。あんなにあからさまなのに」
 その言葉に、デーモンもちょっと考えを巡らせてみる。
 感情を出す時と出さない時の差がはっきりしているルークだから、多分エースには直ぐにわかったのだろうが…参謀について直ぐにデーモンに忠誠を誓ったくらい、デーモン大好きのルークである。デーモンに向かっている時のルークが、それ以上の反応を見せる相手となると…当のデーモンには、どうしても想像がつかなかった。
「エース…っ!いい加減に教えてくれっ」
 デーモンに急かされ、エースは小さな吐息を吐き出す。
 そして。
「御前の、上司」
「…は?」
 副大魔王であるデーモンの上司、と言えば…心当たりは一名しかいない。
「まさか…ダミ様…?」
「ビンゴ」
「…はぁ…」
 暫し茫然としていたデーモンであったが、やがてくすくすと笑い出した。
「成程な。納得行くわ」
「だろ?」
 確かに。対ダミアンのルークも、テンションが高いと言えば高い。あからさまと言えばその通り。
 それが、恋愛感情からだったとは気付かなかったのは…余りにも、あからさま過ぎたから。
 まさか、本当に恋愛感情だとは思いも寄らなかったのだ。
「可愛いな~、ルークは」
 二名してルークの純な想いを笑い話にした挙げ句。
「いい加減、仲直りしようか」
 そうつぶやいて、エースはデーモンを抱き寄せる。そして、軽く唇を合わせた。
「愛してる」
 エースの口から零れた言葉。
 甘く、響く声。それは、誘惑だろうか。
 闇に閉ざされ始めた空の下、冷たい風が吹き抜けて行く。
「…勝手に暴露されて…ルークが聞いたら怒るな」
「だな。だから…秘密にしておこう」
 二悪魔だけの秘め事。その細やかな秘密が、デーモンには心地良かった。
 仲魔外れではない。誰よりも…愛されていること、実感して。
「さ、そろそろ帰らないと…局員が大騒ぎだ」
「…しょうがないな」
 大きな溜め息を吐き出すエースを、デーモンはくすくすと笑って見つめていた。
 誰よりも大切な、悪魔の姿を。

◇◆◇

「…で?余計なことは言わなかっただろうね…」
 その夜、ルークの様子を見に来たエースに、当のルークは不機嫌そうに言った。
 それもそのはず。エースは殊の外上機嫌だったのだ。これは、仲直りをしたことが明確であるが…その方法に不安を抱かないはずがない。
「秘密」
 にやりと笑うエースに、ルークは溜め息を一つ。
「…あんたに知られた時から、嫌な予感はしてたんだよね…でも、ダミ様にだけは内緒だからねっ!絶対、言っちゃ駄目だよっ!良い!?」
「照れることはないじゃないか」
「駄目ったら駄目っ!だって、ダミ様はそんな……」
 口籠るルーク。そこに、身分を考えていることは、一目瞭然だった。
「ダミアン様も、満更じゃないと思うけどな…」
「…良いの!俺のことは放っておいてよっ!」
「わかった、わかった」
「…ったく…」
 頬を赤らめるルーク。その純な姿に、エースはくすくすと笑いを零していた。
 純粋だからこそ、断ち切れない想いもある。
 ルークのそんな一面を垣間見たエースは、デーモンと喧嘩する羽目になったとは言え、ちょっと得した気分だったことは、言うまでもない。
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趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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