聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。
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Little Happiness
こちらは、以前のHPの一周年記念の
リクエスト企画でいただいたもので、
2000年09月03日にUPしたものです。
リクエスト内容は、本文最終で。
(コメントは当時のままですが、リクエストいただいた方の名前は念の為伏せてあります)
リクエスト企画でいただいたもので、
2000年09月03日にUPしたものです。
リクエスト内容は、本文最終で。
(コメントは当時のままですが、リクエストいただいた方の名前は念の為伏せてあります)
「御前は、悪魔だから」
その一言が、俺の人生を変えた。俺が生きるべき道を、照らしてくれた。
あの日から…ずっと、俺の中にあった想い。
それは、誰にも負けないくらいの敬愛と…愛しい、想い。
「何だ、随分機嫌が良いじゃないか?」
そう声をかけられ、俺は振り返った。
そこに立っていたのは、俺が最も敬愛する悪魔、デーモン閣下。
「そう?」
問い返してみると、デーさんはくすっと小さな笑いを零した。
「含み笑い、してただろう?」
「…見られたか」
「見てた見てた」
くすくすと笑いながら、デーさんは持っていた二つのコーヒーの紙コップの一つを俺の前へ置き、自分は俺の前の椅子へと腰を降ろした。
含み笑い、と言葉を選んでくれたことは、せめてもの感謝である。これがエースだったら、絶対スケベ笑いとか言われてただろうな…。
因みにここは、某スタジオ。今はその休憩時間である。
「何か良いことでもあったのか?」
コーヒーを啜りながら、そう問いかけるデーさん。
「ん…いや。良いことって言うか…ちょっと思い出したことがあってね」
そう口を開いた俺に、デーさんは更に笑った。
「思い出し笑いする奴ってな…」
「知ってるよ。スケベだって言いたいんでしょっ」
「そうそう。わかってるなら、その通りだな」
「…そう言うことにしといて」
あぁ、弁解する気も起こらない…。別に良いや。今更、だし。
「…で、何を思い出したって言うんだ?」
気を取り直したように再びその話題に戻ったデーさんに、俺は考える為にちょっと間を置いた。
そして。
「電話」
「…は?」
「デーさんからの電話。思い出したんだ」
「…何の?」
デーさんの方は、どうやらピンと来ないらしい。そりゃそうだよな。電話なんか何回もしてるし、一つ一つ覚えてないだろうし。
それに何より…その一言が、ずっと俺の中に残っている一言だなんて、気付いていないのかも知れないし。
「デーさんが、"俺"に最初に電話してくれた時のこと…覚えてる?」
そう、問いかけてみた。
するとデーさん、腕組みをして、首を傾げている。本気で思い出そうとしてんのかな、このヒト…。
「…何だっけ?」
結局出たのは、それか。まぁ、しょうがない。もうずっと前のことだし…ね。
「ほら…覚えてない?俺が悪魔だって、自覚するきっかけになった電話」
「………………あぁ!」
暫しの沈黙の後、デーさんは思い出したように手をぽんと叩いた。
「悪魔だから、ってヤツか?」
「そうそう。それ」
一応は覚えていてくれたみたい。それだけでちょっとホッとしていたりなんかする…。
「…で、それが何でその笑いに繋がる訳?」
デーさんは、不思議そうに首を傾げている。
「…何でって…」
そうか。その意味までは、デーさんにはわからないんだ。
「俺にとっては、一大事よ?あの電話がなかったら、暫くもやもやしてただろうしね」
「…そうか」
「そうですよ?」
そう。その一言がなければ、俺は…あのまま、自分が悪魔であると言うことを、きちんと納得出来ずにいて、今ここにはいないかも知れなかったのだから。
「吾輩の世仮は、悪魔っ子として、吾輩の意識を持って生まれて来たからなぁ…」
思い出すようにそうつぶやくデーさん。
そう。だからデーさんには、俺の想いはきっとわからないんだ。
いつでもみんなから出遅れて…常にみんなの背中を追いかけていく、切ない気持ちは。
「俺ね…悪魔だってわかっても、最初はどうもすっきりしなくってさ。でも、デーさんがあぁ言ってくれたから…」
「ルーク…」
「子供の頃の自転車なんかよりも、ずっと嬉しかったんだから。やっと、追いつけたと思ってね」
「自転車を引き合いに出すか」
くすっと、デーさんが笑った。
「出す出す。置いて行かれる辛さは同じだもん」
小さく笑った俺。目の前のデーさんは…急に表情を変え、何かを考えているかのように、口を噤んだ。
そして、零れた言葉。
「御前がそんな風に思ってたなんて…知らなかった」
「でしょうね」
くすっと笑った俺の声に、デーさんは小さな溜め息を一つ。
それには…どんな意味があったんだろう。
「おーい、始めるぞ~」
遠くから、そう呼びかける声が聞こえた。
「今行く~」
俺とデーさんは椅子から立ち上がると、声のする方へと足を向けた。
その時の会話は、それで途切れた。
ルークは、まだスタジオに入ったまま出て来ない。
一足先に廊下へ出て来たデーモンは、続きに備えてコーヒーで喉を潤していた。
と、そこに現れたのは。
「あぁ、ここにいたんだ」
声をかけて来たのはゼノン。
「どうした?」
「うん、さっきのとこなんだけど……」
と、先程までの仕事の話になる。
その話が一息付くと、デーモンは思い出したように、ゼノンにそれを問いかけた。
「御前は…覚醒した時、どんな想いだった?」
「…は?」
唐突な問いかけに、当然ゼノンは眉を潜めている。
「いや、だからな…」
デーモンは、先程のルークとの会話を話して聞かせた。
「ふう~ん…」
暫く考えているような表情を浮かべていたゼノンだが、やがてその口を開いた。
「俺は別に、出遅れたことが不安ではなかったよ。まぁ、ルークとは状況が違うし…俺は出遅れたとかそんなことよりも、覚醒出来たことにホッとしてたから」
その言葉の通り、ゼノンは通常とは違う覚醒ルートだった。
恋悪魔たるライデンに見つけて貰うこと。それが、ゼノンが覚醒する為に必要な条件だった。だからこそ、ライデンが覚醒しなければゼノンも覚醒出来なかった。必然的に、出遅れることは想定内だった訳で。
そんな記憶を思い出しながら、ゼノンはふとその考えを口にする。
「多分…ルークだから、感じたんじゃないかな…?」
「ルークだから?」
「そう。いつ声がかかるか…本当に呼んで貰えるのか。そんな不安はあったんじゃないかな。堕天使として、誰よりも辛い想いをして来たんだし…それに、ホントに御前に対して、忠誠を誓ってた訳だから…先に行かれてしまったことはショックだったと思うよ。だから、御前のその一言が嬉しかったんじゃない?」
「…成程なぁ…」
デーモン自身、ルークの言葉をそこまで深く考えていなかったものだから…それが…あの電話が、漸く願いが叶った瞬間なのだ、と言う感覚はなかった。
「それを笑って言えるのが、ルークだよね」
----ルークは、強いよね。
ゼノンはそう言って、小さく笑った。
デーモンは…ゼノンの言葉で、更にその想いを深めたのだった。
翌日もまた、某スタジオで過ごすこととなった。
暫く籠もり切ったスタジオから、休憩で廊下へ出ると、そこにはデーさんがいた。
「休憩?」
「そ。根詰め過ぎて、流石にちょっと疲れたしね」
俺はそう答えて、デーさんの隣へと腰を降ろした。
その時俺は、昨日の話を忘れていた訳だけれど…口を開いたデーさんは、その話題を再び持って来た。
「…昨日の話、なんだが…」
「昨日?」
「そう。ほら、御前が覚醒した時の電話の話」
「…あぁ」
「吾輩も…色々、考えたんだ」
その言葉に、俺は思わずデーさんへと視線を向けた。
「考えたって…何を?」
今更、何を考えたって言うんだろうか…。その発想も、良くわからないんだけど…
そんな俺の思考など気にもせず、デーさんは更に言葉を続けた。
「吾輩もダミ様も、意識を持って覚醒した。そりゃ、御前たちを見つけ出すのには苦労したが…待たされる気持ちは、わからなかった。だから尚更、不安を癒してやることが出来なかった。だが…」
そこで一端言葉を切り、デーさんは俺を見つめた。
「御前は、吾輩の参謀だ。それには変わりない。御前を置いてなど、行くものか。だから…」
----安心して良いぞ。
そう言って、にっこりと微笑むデーさん。
「デーさん…」
その言葉が嬉しくて…ずっと考えてくれていた気持ちが、何よりも嬉しくて。
「俺……」
胸が一杯で、なかなか言葉が出て来ない。
伝えたい想いは…伝えたい言葉は、あの時からずっと同じ。
大きく息を吐き出し、俺はゆっくりとその言葉を紡いだ。
「俺…絶対、デーさんに付いて行くからね。俺が、デーさんの参謀である限り…」
「あぁ」
微笑みが零れる。
俺も、満面の笑みを零していた。
その一時が…何よりも倖せだった。
デーさんには、恋悪魔がいる。それは、俺にとっても、大切な仲魔。
でも、そんなことは問題じゃない。
想いを返してくれなくても良い。
俺はただ、デーさんが笑っていてくれるのが、何よりも嬉しいから。
気にかけてくれるだけで、倖せだから。
俺の想いは、そんな些細な倖せで満たされていたりなんかする。
それでも良いじゃない?
ヒトの倖せの価値観なんて、みんな違うんだから。ねっ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※リクエスト内容は「たまにはいいかもDLでちょっと幸せハートウォーマーストーリー」
と言うことでした。
で。どうして自転車の話が出て来たのか覚えていませんが…本人ですら、頭の中が理解不能だ、とコメントしてました…(^^;
少しだけ加筆、修正してあります。
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HN:
如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
性別:
非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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