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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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最後の晩餐 6
こちらは、以前のHPで2003年3月14日にUPしたものです
 ※シリーズ小説はカップリング小説です。
(基本DxAですが、色々複雑です…スミマセン…/苦笑)
6話完結 act.6

拍手[2回]


◇◆◇

 エースはデーモンを屋敷に送り届け、その足でダミアンを解放する手続きをする為に枢密院に向かった。
 ゼノンは未だ能力を抑えることが出来ない為、結界を張ったまま、ルークが屋敷まで送り届けることとなった。
 ルークが前以て連絡を入れてくれたおかげで、そこには既にライデンが待っていて、レプリカと一緒に出迎えてくれた。
「…御帰り…」
 ゼノンもルークも、返り血も浴びている上に、着ていた戦闘服もぼろぼろ。顔も身体も薄汚れた姿に、二名とも半ば絶句しているようだった。
 そして何より…ゼノンは未だ、尋常ではない気を纏っている。ライデンでなくても、困惑するのは当然と言えば当然。
「悪いんだけど…ゼノンを押さえられるのは、あんたしかいないみたいだし…俺に出来ることがあれば、協力はするけど…」
 表情の固いライデンを前に、ルークの方が心配してそう口を開く。
「…うん…どうしようか…」
「…どうしようかね…」
「…ちょっと、あんたたち…どうやって能力を抑えるか、って解決策もなく、鬼化したっての!?」
 顔を見合わせて、御互いに困惑した表情を浮かべるゼノンとライデンに、ルークは溜め息を一つ。
「まぁ…打開策はきっとあるよ。ピアスはレプリカが準備しておいてくれたからちゃんとあるし。ある意味、俺よりもライデンの方が"鬼"の扱いは上手いから…俺たちは大丈夫。心配しないで。ダミアン様の所に行って、顔を見せておいで。きっと、心配してるよ」
 ゼノンの声に、ルークは再び溜め息を吐き出す。けれど、自分が立ち入る必要がないことはわかっていたのだから…素直に頷いた。
「じゃあ…ダミ様の所に行って来るよ。何かあったら、ちゃんと連絡してよ」
「わかってる。色々有難うね」
 そう返したゼノンに、にっこり微笑みを返すと、ルークはゼノンの屋敷を後にする。
「…わたくしは…御風呂の準備をして参ります…」
 ゼノンのあんまりな姿に、レプリカはそう言うと、そそくさと踵を返す。勿論、理由はそれだけではないのだが…。
「…じゃあ…取り敢えず、部屋に行こうか…」
 ライデンに促され、ゼノンはゆっくりと自室へと向かう。
 そして、自室のソファーに腰を据えると、やっと大きく息を吐き出す。
「…それにしても酷いね…」
「まぁ…戦線も久し振りだしね…」
 頭の先から足の先まで、じっくりと視線を向け、零れたライデンの言葉に、ゼノンは小さく笑う。ボロボロの姿はそれだけ凄まじい戦いだったのだと実感すると共に、無事に帰って来てくれたことに、ライデンは安堵の吐息を零す。
 ゼノンは自ら制御ピアスを耳に填めていたが、二つ填めた時点でもう一つ手に残ったピアスを見て溜め息を一つ。
「…そうだ。俺、最後の一つ…引き千切ったから、ピアスホール一つないんだ…」
 言われてみれば、左の耳朶に血がこびり付いている。
「…無茶するんだから…」
「死ぬよりはましでしょ?」
「…そんなに…ギリギリだったの…?」
 ゼノンは言ってしまってから、しまったと後悔した。それは…目の前のライデンの顔が、悲しそうに歪んだから。
「…ちょっと…思ったよりも人数が多くてね。でも、その後デーモンの所にも行けたから、そこまでは……」
「今更そんな言い訳しない!」
「…はい…御免なさい…」
 思わず謝ったゼノンに、ライデンは泣き出しそうな表情のまま、小さく笑った。
「このままこうしていても何にもならないしね。じゃあ…やってみっか」
 そして、大きく息を吐き出すと、目を閉じて封印の呪を唱え始めた。
 ゆっくりと、ライデンの魔力が高まる。それを、ゼノンは黙って見つめていた。
 呪を唱えるその声を聞いているだけで、不思議と…気持ちが安らぐ気がする。そして、溢れるばかりで留まることを知らなかった魔力も、次第に落ち着いて来た。
 呪の詠唱が一つ終わると、ライデンはゼノンの結界を解く。そして、意を決したようにその指先でゼノンの頬に触れた。
 喰らってしまうかも知れない。
 自身の能力を制御出来ないゼノンは、大きな不安を前にきつく目を閉じた。そんな緊張が指先に伝わる。けれど、ライデンは臆することなく、そのままゼノンの左耳へと触れると、顔を寄せてピアスの一つに口付ける。そして続けざまにもう一つ呪を唱え、再びピアスに口付ける。
「…後一つ」
 小さくつぶやくと、引き千切られて血のこびり付いた耳朶を一舐めして傷を塞ぐ。
 ゼノンは小さく身動ぎしたものの、ライデンは表情を変えない。
「…ちょっと我慢してね」
 傷を塞いでからもう一度傷をつけることは矛盾しているような気がしなくもないが…改めてピアスをつけるにはそれしか方法はなかった。
 最後の一つのピアスを耳朶に突き刺す。溢れ出る血を押さえながら、呪を唱えてピアスに口付けた。
 そして。
「…これで仕上げ」
 そう言うと、両手でゼノンの頬に触れ、深く口付ける。そしてそのまま両腕を首に回すと、ゆっくりと魔力を送り込んで"鬼"を中和させる。
 やがて、唇を離すとその頭をぎゅっと胸に抱き締めた。
「はい、おしまい!」
 その声と同時に、ライデンは床へと腰を落とす。
「…大丈夫…?」
 強制的に能力を抑えられ、封じられる喪失感を感じながらも、座り込んだライデンを心配して声をかける。
「…三つ連続の上に鬼化の中和だからね、ちょっと疲れたけど大丈夫。あんたは?」
 にやりと笑ったライデンは、座り込んだまま問い返す。
「…まだちょっと変な感じだけど…直に落ち着くと思う」
「そう、良かった」
 やっと、安堵の表情に変わったライデン。
「思ってたよりも、素直だったよ?あんたの中の"鬼"」
 ライデンのその言葉を、ゼノンはちょっと困惑した表情で聞いていた。
「…俺も予想外。今まで…こんな風に、穏やかに封じられたことはなかったんだけど…」
 昔のことは…余りにも無残過ぎて、思い出したくもない。それをライデンにさせるのかと不安ばかりだったのだが…予想外にすんなりと行ったことは、ゼノンも困惑せざるを得なかった。
「別に良いんじゃん?これで、俺があんたの傍にいる限り、もう何の心配もないじゃん」
 くすくすと笑うライデン。
「…そうだね」
 ゼノンも、ライデンにつられて笑いを零す。
 そう。もう、それで良いのだ。ゼノンの中の"鬼"もまた、ライデンを素直に受け入れたのだから。
 勿論、ピアスの制御を外すことは出来ないが…もし何かあっても、またライデンがちゃんと押さえてくれる。
 やはり、"鬼"の扱いはライデンの方が手馴れている。"鬼"そのものと対面したことのあるライデンだからこそ、"鬼"も納得して封じられたのだろう。だがそれは、ゼノンにとっても大きな安心感となった。
「…さて、それじゃ御風呂入って、みんなの様子を診に行かないとね」
 ゼノンはそう言って、ゆっくりとソファーから立ち上がると、床に座り込んだライデンの手を取り、立ち上がらせる。
「みんな…ちゃんと、戻れるよね…?」
 ふと、そんな不安が過ぎったライデンが、そう口を開く。
「…そうであって欲しいね…」
 現実問題として…すんなり戻るのは厳しいだろう、とゼノンは思っていた。
 ダミアンやエース、ルーク、自分。その辺りは然程問題がないにしても…さっき見たデーモンの姿は、その不安を大きくせざるを得ない。
「…とにかく、一度きちんと診ないとね」
 それは、ゼノンが自分自身に言い聞かせた言葉だったのかも知れなかった。

◇◆◇

 魔封じの塔へとやって来たルークは、その牢の前へやって来た。
「…生きて、いたようだね」
 ぼろぼろのルークの姿を前に、幾分窶れてはいるものの…小さく微笑んだその顔は、安堵の表情を見せていた。
「…心配を…おかけしました…」
 そう言葉を零すと、ルークは深々と頭を下げる。
「御前が生きていれば、それで良いんだ。それで、十分だよ」
「…ダミ様…」
 その言葉で、胸が一杯になる。溢れる涙を拭うことも忘れていた。
 ただ…その姿を、真っ直ぐに見つめるのが精一杯で。
「…エースが、ダミ様の解放を訴えに枢密院に向かいました。直に…ここの鍵はエースが開けてくれると思います。済みません。俺が、開ける事が出来なくて…でも…どうしても、ダミ様の顔を見なければと思って…」
 そう言うと、ルークは大きく息を吐き出してその背中に翼を構えた。
 蒼黒の翼は…ルークを縁取るように、艶やかで…とても美しかった。
「…その翼は…?」
 ダミアンもその美しさに目を細め、そう問いかける。
「…ミカエルに…切られた翼と引き換えに、引き出して貰ったものです……御免なさい、勝手なことをして…」
 真白き翼を、切ることも染めることも許さない。ダミアンは、ルークに出逢った最初の時に確かにそう言った。けれどそれは、ダミアンにとってはルークを縛り付けるモノではなかった。
 ダミアンはくすっと小さく笑いを零すと、手招きをしてルークを鉄格子の手前まで呼んだ。
 そしてルークが鉄格子越しにダミアンの前に跪くと、その隙間から手を伸ばしてルークの頬にそっと触れた。
「…馬鹿だね、御前は。そんなことで、わたしが怒るとでも?良く…似合っているじゃないか。真白き翼は…御前と、母上様とを繋ぐ、唯一のモノだったはずだ。だからわたしは、切ることも染めることも許さないと言ったんだ。真白き翼を失ってしまって…一番辛いのは御前だろう?ミカエル殿もきっと…それをわかっていたんだろう。だから御前に、新たな翼を授けた。御前はもう…天界に捕われず、自由に飛んで良いのだと。ミカエル殿はそう言いたかったのだと、わたしは思うよ?」
「…ダミ様…」
 再び、はらりと黒曜石の瞳から零れた涙を指先で拭い、ダミアンはにっこりと微笑む。
「大丈夫。御前は堕天使じゃない。もう歴とした悪魔だ。自信を持て」
「…ミカエルにも、同じ事を言われました。今までの真白き翼は母様が…今度の蒼黒の翼は父様が、俺を護ってくれるんだ、って…」
「そうか。そうだね。その蒼黒の翼を背負った御前は、"彼の君"に良く似ている。きっと、こうなることは御前の運命だったんだろうね」
「……はい」
 ミカエルの想い。そして、ダミアンの想いを受けて、ルークはにっこりを微笑んだ。
 自分は、みんなに護られている。それが、今は重荷ではない。とても、心強くて。
「御前は、そうして笑っている顔が一番良いよ」
「…有難うございます…」
 ダミアンに言われ、ちょっと照れ臭そうに顔を赤らめるルーク。けれど、その胸の中は暖かい気持ちで一杯だった。
 ルークが幸せな気持ちに浸っていると、バサリと大きな羽音がして現れた悪魔。
「…間が悪い…」
 ポツリとつぶやいたルークの声が届いたのか、届いていないのか…やって来た悪魔…エースは、小さな吐息と共に言葉を零す。
「…何だ、御前も来てたのか」
「まぁ、ね。ゼノンはライデンに預けて来たから」
 ルークは背中の羽を仕舞うと、エースに向き合った。
「良い報告は…聞ける?」
 未だぼろぼろのルークとは違い、エースはきちんとした服装の上、髪も顔も手も、薄汚れてはいない。つまりは、シャワーを浴びて着替えを済ませている、と言うこと。
 この状況でそこまで容姿を整える必要があるとすれば…それ相応の身位を持つ相手に会っていた、とルークは推測していた。
「…まぁ、黙って聞いていろ」
 エースはそう言うと、ダミアンへと歩み寄る。ルークは一歩引いて、ダミアンの正面をエースに譲った。
 エースは鉄格子の前に跪くと、懐から王家の紋章の印を押した一通の封筒を取り出すと、ダミアンへと手渡した。
「…大魔王陛下からの、詔勅です。ダミアン様に、皇太子殿下の身位を返却する旨が書かれています」
「…親父を起こしたのか?」
 眠りについているはずの大魔王陛下…ダミアンの父親を起したことに対して、僅かに眉を寄せたダミアン。けれど、エースの表情は変わらない。
「皇太子たるダミアン様と、副大魔王たるデーモンの身位が剥奪されたままである以上、一番権力を持っているのは大魔王陛下しかいらっしゃいません。大魔王陛下を起さず、どうやって貴方様の身位を元に戻せると…?」
「…わかったよ。世話になったね、エース」
 苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、溜め息を吐き出したダミアン。けれど、エースの言うことは尤もであり、大魔王陛下なくしてダミアンの皇太子の身位を戻せる者など他にはいないのだから、仕方のないこと。
「…で、俺たちはどうなったの…?」
 様子を伺うように問いかけたルークに、エースは小さな溜め息を一つ。
 そして、先ほどと同じように懐から封筒を取り出す。
 その数は、三通。その一通は開封済みだった。
 未開封の一通をルークに手渡しながら、言葉を続ける。
「…これは…御前と、ゼノンと、俺の分だ。どれも、元の身位へ戻す、と言う内容だとのことだ。俺の分は既に開封して、その旨を確認している」
 ルークは、封筒の中身を確認する。それは、今エースが言ったことに相違はない。
「…デーさんは…?」
 残りの封筒は、開封済みのエースのものと、未開封のゼノンのもの。となると、デーモンは…?
 ルークに問いかけられたエースの表情は、変わらない。けれど…その瞳は、酷く苦しそうで。
「…残念だが…復職の許可は下りなかった。今はまだ保留だ」
「…そう…」
 ルークの表情も、暗く落ち込んでいる。
「…まぁ、仕方ないだろう。だが、これで終わりじゃない。まずは…ここを、開けて貰えるかな?」
 ダミアンも小さく溜め息を吐き出したものの、直ぐにそう言葉を続けた。
「…失礼致しました…」
 エースは持って来た鍵で牢を開けると、一旦中へ入り、手足の械を外す、そして改めてダミアンを外へと促す。
 牢の外へ出たダミアンは、大きく伸びを一つ。
「…さて、それじゃ王都へ戻ろうか。詳しい話はそれからだ」
「…御意に」
 ダミアンに頭を下げたエースとルーク。
 そして、ダミアンを始めエース、ルーク、ゼノンの身分も正式に元に戻った。
 ただ一名、デーモンを除いては。

◇◆◇

 彼等が王都へと戻った翌日。
「わかっているとは思うが…」
 己の執務室で、ダミアンはデーモン、エース、ルーク、ゼノン、ライデンの五名を前にしてそう言葉を綴った。
「他の構成員が元の身分に戻ることに、何ら問題はなかった。だがデーモンは、ターディルに声を奪われたことにより魔力が激減している。親父の見解では…今の状態では、副大魔王の御位に戻ることは不可能だろう、と言うことだ」
----わたしが認めても、他の有力者たちが認めない。
 目を伏せ口惜しそうにつぶやくダミアンの声を、全員黙って聞いていた。
『ワカッテハ…イタ』
 ふと、全員の意識下に、デーモンの声が届いた。
『声ヲ失ッタ時…モウ、元ニ戻ルコトハ出来ナイト悟ッテイタ。幾ラ、魔界ガ元ノ平穏サヲ取リ戻シタトシテモ』
「…デーモン…」
『吾輩ノ身分ハ、ダミアン様ニ返還スル』
 その言葉に、誰もが息を飲んだ。
「そんなことしたら、御前はどうなる!?今の御位から離れたら、御前の今後だって保証されないんだぞっ!?そんな状態で、これからどうやって生きて行くんだ!?」
「落ち着け、エース」
「しかし…っ」
 心配そうに声を上げたエースを宥め、ダミアンはゼノンに視線を向ける。
「御前は…どう思う?デーモンの声は、元に戻ると思うか?」
 問いかけられたゼノンは、その眼差しをデーモンへと向けた。
 昨日、一度診察はしている。けれど…ゼノンもまた、"鬼"を解放したことによって自身の魔力も揺らぎが大きく、安定していない。その為どうしてもはっきりとした診断を出せずにいた。
「…申し訳ありません。まだ、わたし自身魔力が安定していないもので…所見では…はっきりわかりません。ターディルがどんな手段を使ってデーモンの声を潰したのか、まずそこからだと思います。何らかの呪であれば…その呪が解ければ、回復は見込まれます。ただ、薬物であれば…回復は、難しいかと…」
 溜め息を吐き出しつつ、そう口にしたゼノン。
 デーモンから聞いたところでは、デーモン自身、その辺りの記憶が曖昧で…はっきりしないのだ。
 捕らえられてから、声が出なくなったまでの記憶が酷く曖昧で。喉に違和感を感じるものの、そこに至る経緯は…あまりのショックで忘れてしまったのか、それとも…故意的に記憶を奪われているか。それは、ゼノンにもはっきりわからない。
 そんなゼノンの報告に、ダミアンは溜め息を一つ。
「ゼノンが回復したら…もう一度、診断を受け、それから決めるしかないな。とりあえず暫くの間は副大魔王の御位は保留にしておく。だが、エースの言う通りいつまでもそうしている訳にはいかないと言うのも現実だ」
 困ったように眉を潜めたダミアン。幾ら一番古い付き合いだとは言っても、デーモンのプライドを捩じ曲げることは、ダミアンにも無理なのだ。副大魔王であった彼の、それは当然とも言える強靱なプライドは、そう簡単には崩せない。
 ダミアンが小さな溜め息を吐いたその時。不意に、エースが口を開いた。
「それなら…暫くの間、俺が…デーモンを引き取ります。それなら文句はないでしょう?」
「そりゃ、わたしは構わないが…」
 目を丸くしたダミアンはエースからデーモンへと視線を流す。
「デーモン、それで良いな?」
『エース…』
 デーモン自身も、エースがそんなことを言い出すなどとは到底考えてもいなかったのだろう。しかしそう決断したエースは、とても真剣な表情をしていたから、何も言えなくて。
 エースが意図するところは、正直わからなくはない。
 エースの屋敷にいれば、目の届くところで身の安全を確認出来る。魔力が著しく減っている今、デーモンの身を護るには、それが一番安心出来る状況なのだと。
 ダミアンもそれは察したのだろう。小さく吐息を吐き出して目を伏せる。
「まぁ…とにかく、暫くはエースの屋敷で厄介になってみるのも良いだろう。良い気分転換にもなるだろうし、エースの所にいれば無理も出来まい。安静に過ごせるだろう」
 それが、どう転がるかはダミアンにもわからない。けれど、エースも簡単には引かないだろうし、暫く様子を見るしかないのだろう。
 取り敢えずの状況ではあるが、副大魔王の地位は保留となり、一時的にデーモンはエースの屋敷に身を置くこととなった。


 共にいられれば、それで良い。
 だから、一緒に行こう。何処までも。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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