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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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AMNESIA 3
こちらは、本日UPの新作です
 4話完結 act.3

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◇◆◇

 エースと共に屋敷に戻って来ると、心配そうな…と言うよりも、怒っている、と言った方が当て填るようなデーモンと、こちらはホントに心配そうな表情のゼノン、ライデンが出迎えた。
「御前なぁ…っ!一体、どう言うつもりで…っ!!」
 突然、デーモンはエースにそう怒鳴りつけた。
「狙われていることぐらい、わかっているだろうっ!?それを、連れ出すなんて、どう言うつもりなんだっ!」
 エースの胸倉を掴み挙げて怒鳴るデーモンを、エースは涼しい顔で見ている。こっちの方が、ドキドキしてるってのに…。
「気分転換だよ。俺が着いてるんだ、心配するな」
「そう言う問題じゃないっ!」
「じゃあ、どう言う問題だ?」
「エースっ!」
 顔を真赤にして怒るデーモンを横目に、エースはその涼しい顔で俺に向いた。
「篁、久し振りで疲れただろう?荷物置いたら、シャワー浴びて来いよ。直に飯だぞ」
「あ…うん…」
「エース…っ!」
「ちょっと待てよ」
 怒鳴るデーモンを制し、横目で俺に合図するエース。
 俺は、エースに言われるままに部屋に入って荷物を置き、バスローブを抱えてバスルームに飛び込んだ。
 怒った悪魔って…恐いや……。

 篁がバスルームに消えると、エースは胸倉を掴んでいたデーモンの手を取り、おもむろにリビングに向かった。
「ちょっ…エースっ!」
 声を上げるデーモンに構いもせず、ソファーに座らせる。心配そうに見つめる両名もソファーに促し、エースはその口を開いた。
「篁の回りには、ちゃんと結界を張って置いた。それに、俺が終始目を離さずにいたんだ。天界人が来たら直ぐにわかる。第一、毎日毎日、こんな屋敷の中だけじゃ、ルークの記憶だって戻りゃしない。わかるだろう?」
「それはわかるが、唐突過ぎるだろうがっ!せめて一言、吾輩たちにだって言ってくれれば…っ」
「御前にギターが弾けるか?」
「…は?」
 思いも寄らない方に話が向かい、デーモンは当然眉を潜める。
「…そう言えば、篁、ギター持って来たね。マンションに行って来たの…?」
 思い出したようにそう問いかけたゼノンの声に、エースは頷く。
「多分、何かのきっかけにはなったと思う。悪魔だの、人間だのを引き合いに出すよりも…彼奴の好きなことを引き合いに出した方が、思い出すきっかけが掴めるだろう?」
「…それで買い物にギターか。成程ね」
 くすっと、ライデンが笑った。
「確かにそうかもね。嫌だったら、ギターだって担いで来なかっただろうし。ま、結果オーライだよ、デーモン」
「…ったく…」
 ゼノンにも賛成されてしまっては、デーモン一名が反論を唱えたところで、誰も加勢してはくれないのだからしょうがない。
 それに…帰って来た時の篁の顔が、いつもよりも多少柔らかくなっていたことには、エースの発想にも脱帽せねばなるまい。
「とにかく、無茶はするな。何処で天使が狙っているかわらないんだからな」
 念を押すようにそう口にすると、エースは素直に頷いていた。
「…それより、何か手がかりは?」
 いつもよりも早々と帰宅して来たには、理由があるに違いない。
 そう察したエースは、デーモンとゼノンの顔を見比べる。
「あぁ、ちょっとな」
 そこで一端言葉を切ったデーモン。篁が未だシャワーを浴びているのを確認すると、改めて口を開いた。
「情報局からの連絡があった。ラヴェイユと言う天界人が、"ルカ"を捜して徘徊しているらしいと言う情報だ。魔界にも、それらしい理由で何度か天使を送り込んでいるそうだ」
「…"ルカ"を…?」
 怪訝そうに眉を潜めたエース。一緒に聞いていたライデンも、眉を潜めている。
「"ルカ"って…ルークの昔の名前、だよね?」
 確認するように言葉を発したライデン。
「あぁ、そうだ。ルークと言う名は、魔界に降りた時に、ダミアン様が付けた名だからな。同じ綴りだが…悪魔と天使の名の違いはある」
 そう言うデーモンの声を聞きながら、何かを思い出そうとしている表情のライデンに、一同の視線が向く。
「…何か、心当たりでもあるのか?」
 問いかけるデーモンの声に、ライデンはちょっと間を置いて言葉を返す。
「…聞いたことあるような気がするんだよね、ラヴェイユって名前…ちょっと待って……」
 首を傾げて、懸命に思い出そうとしているライデン。だが、その記憶の糸は、なかなか辿れないらしい。
 その沈黙の間に、篁はバスルームから出て来てしまった。
「しょうがない。また後でにしよう。今、食事の用意をするから」
 ゼノンがソファーから立ち上がる。
 まだ篁には言えない事実が、そこにあるのだから。

◇◆◇

 食事の後、俺は真っ直に部屋へと戻って来ていた。
 その理由はただ一つ。
 ギター、だった。
 まだ、ケースに入ったままのギターをそっと取り出すと、改めてじっくりと見つめる。
 懐かしい感覚。エースが弾いたあの音が、まだ耳の奥に残っていて。
 恐る恐る、弦を弾いてみる。すると、零れた音に、慌てて弦を押さえ、息を潜める。
 大丈夫、誰も来ない。
 ほっと息を吐き出し、俺はもう一度弦を弾いた。
 懐かしい音。
 エースの言う通りかも知れない。俺は…ずっとこの音が好きだったんだろう。だから…こんなにドキドキするんだろう。
 無意識に手が動く。それは、エースがあの時弾いたのと同じ曲、だった。

「あれ…?この曲…」
 微かに聞こえた音に、耳を澄ます。すると、廊下の向こうから聞き慣れたギターの音が聞こえていた。
「…ルークだ…」
 その音に気がついた一同は、はやる気持ちを押さえつつ、リビングで息を潜めていた。
 多分、部屋に押しかけたなら、もうギターを弾いてはくれないような気がして。
「…まだ、思い出してないのかな?」
 独言のようにつぶやいたライデンの声に、エースはくすっと笑った。
「無意識、だろう?彼奴のことだから、意識しなくたって弾けるのさ」
「早く…戻るといいのにね」
「そうだな」
 その音に、リビングにいた四名の表情は、自然と柔らかくなる。
 暫し、その音に酔い痴れる。
 と、その時。
「…そうだ…っ!」
 声を上げたのは、ライデン。
「思い出したよ、ラヴェイユって名前!」
「で、何処で聞いたんだ!?」
 思いがけない朗報に、一斉にライデンに視線が向く。
「まだ、俺が雷神界にいた頃だよ。確か、ガブリエル軍の腕利きの女戦士だったかな。その姉の子供が…堕天使だった、って聞いた記憶がある」
「…それって…ルークのこと?」
「良くわかんないけど…多分、そうだと思う。"ルカ"って聞いたような気がするし…年齢的に俺と同じぐらいだって聞いた覚えがあるから。話は合うでしょ?」
「まぁ…手がかりとしては十分だな。だが、一体何故、今頃…?」
 デーモンの投げかけた疑問符は、皆の頭の中に、同様に浮かんでいたことだった。
「もっと詳しく覚えてないのか?その話」
 エースに問いかけられ、ライデンは暫し口を噤む。
「……親父は色々言ってたような気がするけど…」
「…気がするけど?」
 不意に口を噤んだライデン。うつむいた表情は、何かを隠しているのがあからさまで。そして、上目遣いに一同を見上げる。
「……御免、やっぱり…覚えてない」
「…は?」
「御免ね。俺も昔の記憶だからさぁ…」
 そう口にするライデンの表情は…明らかに、何かを隠している。けれど、口を割ろうとはしない訳で…そこに何かがあったのは、明確だった。
「まぁまぁ、わかった。取り敢えず、それはそれで良しとしよう。で、他に御前が覚えている内容はあるのか?」
 話の先を催促され、ライデンは再び記憶の糸を手繰り始めた。
「えっと…確か、堕天使だってことが発覚した後、母親が殺されたんだ。その時、最初に剣を向け…生命を奪う結果になったのが……ラヴェイユ…」
「………」
 つまりは、ルークの…"ルカ"の、母の仇。しかも、"ルカ"にしてみれば、叔母にあたる相手。多分…それ以上の、何かはそこにあるのだろうが。
 重い沈黙が続く。
 ルークの、母への深い愛情は、誰もがわかっていたこと。そして…その心を、幾度も傷付けられたことも。
「呑気に話してる場合じゃないようだな。ラヴェイユがルークと…いや、篁と接触しないうちに、何とかしないとな」
 そう、口にしたエース。
 "ルカ"がラヴェイユの手の内に入ってしまったら…多分もう二度と、ルークに逢うことはないだろうから。それだけは阻止せねばならなかった。
 沈黙が続く中…篁が弾くギターの音だけが、微かに聞こえていた。

◇◆◇

 それから何日か経った日のこと。
 気分転換と称して、またもやエースの買い物(今度は本当に買い出しだったが…)に付き合っていた俺は、エースの後ろを歩きながら、ふと何かに呼ばれたような気がして足を留めた。
 俺の視線の先には、公園がある。
 買い物に行く時にはまだ明るかったから、遊んでいる子供も大勢いた。でも、今はもう薄闇が降りて来ていて…そんな中、もう遊んでいる子供はいなかった。
 ただ一名を除けば…。
 エースは足を留めた俺に気が付かなかっただろうか?そのまま先を歩いていく。尤も、俺の方も…エースの存在を忘れていたのだが。
 公園の街灯の下。立っているのは、女だった。
 金色の髪が、眩しくて…
 思わず目を細めた俺は、その女性が俺に近寄って来るのを、ただぼんやりと見つめていた。
 その瞬間。
 ズキン…
 怪我はもう直っているはずなのに…頭が疼く。
 思わず顔を顰め、片手でこめかみの辺りに触れた時。
「…ルカ…」
「…え?」
 いつの間にか、その女性は俺の前に立っていた。
 金色の髪に白い服…いや、これは装束と言うのが正しいのかも知れない。
「…っ!?」
 その女性は、突然俺の首に腕を回し、有無を言わさずに抱き締めた。
「ちょっ…」
 抵抗しようとしたその瞬間。
「…ルカ…逢いたかった…」
「…ラ…ヴェイ…ユ…」
 無意識のうちにつぶやいた言葉。
「覚えていてくれたのね、ルカ。私の名前を」
 瞬間、俺はぞくっとして彼女を引き離した。
 彼女の潤んだ眼差しが、真っ直に俺を捕えて…離さない。
「誰…だよ、ルカって…俺は、篁…」
「いいえ、貴方は"ルカ"よ。この私が断言するのですもの、間違いはないわ」
 物凄い嫌悪感から、俺はエースの姿を捜そうとした。でも…彼女の眼差しに魅入られて…視線を動かすことも出来ない。
「…姉様は愚かだったわ。貴方が悪魔に覚醒するとわかっていても、それを阻止しようとはしなかった。愛して…いたのね、貴方のことも…貴方の父親のことも。でも、姉様が許しても、私が許さなくってよ、ルカ。貴方の媒体であるこの肉体が、折角彼の存在を拒否してくれたのですもの。これ以上…最良な時はないわ」
 その微笑みは、酷く不敵で…恐怖すら感じた。
----誰…だ?こいつ…
 恐怖感から、呼吸が乱れる。心拍数も高くなり、俺は…完全にパニックに陥っていた。
「貴方は天界人よ。悪魔に心を許してはいけないわ」
「……っ」
 一瞬…心臓が止まったかと思った。
----天界人…だって?…この、俺が…?だって、彼奴等は……
 訳がわからない。
 混乱する意識の中、目の前の彼女の表情は変わっていた。
 俺は背筋に悪寒を感じ、思わず身を震わせる。
 だが、彼女はお構いなしだ。
「思い出して、ルカ。彼の…"ルーク"のことは、忘れなさい。貴方は、天界の大事な戦力なの。魔界を良く知る…ね」
「…っ!」
 彼女の手が、俺の額に触れた。その瞬間、何かが流れ込んで来るのを感じた。
「…っぁ…っ!!」
 身体中の力が抜け、俺は地面に膝を落とす。それでも、彼女の精神的な圧力は緩まない。
「消えなさい、ルーク!貴方は必要ないのよ!必要なのは、魔界の情報とルカだけよ!」
 激しい痛みが俺の身体を包み込み、俺は固く目を閉じて、両手で自分の身体を抱き締めた。
 汗が流れ落ちた時…待ち人は来た。
「そこまでだ」
 不意に身体が楽になり、うっすらと目を開けた俺は、そこで背後から彼女の首筋に剣を押し当てる、赤き悪魔を見た。
「貴方が噂に聞く、情報局長官のエースね」
 不思議と、彼女は微笑みを浮かべていた。
 俺は呼吸を整えるべく、大きく息を吐き出した。そして、その二名の姿を見つめていた。
 エースの表情は、とても冷たくて…とても美しくて。それはまさに悪魔だった。
 エースは、その赤い唇をゆっくりと開き、いつもとは違った低いトーンの声でつぶやいた。
「それ以上、そいつに触れてみろ。殺すぞ」
 だが、彼女は微笑みを絶やさなかった。
「無理よ。貴方に、私は殺せないわ。私は、貴方の生命を狙った刺客ではなくってよ。私は、"ルカ"を取り戻しに来ただけ。彼が…"篁"と言う媒体が、"ルーク"を拒否したのですもの。彼が"ルーク"を受け入れなければ、彼の任務は遂行されるものではないわ。"ルカ"は元々、私たちの仲間ですもの。連れて帰ることに異論はないはずよ」
「いいや、異論だらけだな。"ルーク"は最早"ルカ"には戻らない。それが、悪魔になった彼奴の意志だ。それに、"ルーク"は俺たちの仲魔だ。護って当然だろう?例え"ルカ"は口説けても、御前に"ルーク"は口説けない」
 そう言ったエースの言葉に、彼女は唇の端を上げて笑った。
 そして、その指先で首筋に当てられていた剣先を掴むと、動じることなくゆっくりと引き離す。
「もう一度言うわ。貴方に、私は殺せない。だって…私が貴方を殺すのですもの」
 くすくすと笑いながら、彼女はその掌をエースに向けた。
「…っ!!」
 瞬間、光が弾けた。弾き飛ばされたその先で、エースは目を見開き、小さく息を飲み込む。
 だがその直後、地面へと倒れ込んだ。
 俺の目に映ったのは…地面を濡らす…大量の赤い血。
「エース…っ!!」
 目の前で起きた、とてつもないことに動揺した俺は…思わず口を吐いて出た名前にすら、気が付かなかった。
「他愛もないことね。これで邪魔者はいなくなったわ。さぁ、"ルカ"。いらっしゃい」
 俺に向け、差し伸べられた手。
 これはホントに…神の使いである天使が差し伸べた手、なのだろうか…?
 残忍さを露にした彼女は、確かに美しかった。
 でも、その微笑みは冷たくて…天使とは、人間の意識の中で、闇雲に美化された虚像であるのだと、改めて感じていた。
----助けて…
 ズキン。
 俺は、瞬間的に頭を押さえた。
 頭が疼く。何かを求めて…。
「俺は…"ルカ"じゃない……俺は…」
----俺は…誰だ…?俺は、一体……
 ズキン!
 顔を顰めた俺の頬に、彼女の手が触れた。
「…ルカ」
 体温のない、冷たい感触。ぞっとして、俺はその手を払い除けた。
「触るな…っ!俺はルカじゃない…っ!俺は……」
----助けて……"ルーク"…っ!!
 ズキン!!
 瞬間、その強烈な痛みに耐え切れず、俺は両手で頭を抱えた。
 汗と共に、その頬に、涙が伝う。
 それは、頭と…そして、心の痛みに対して。
 俺は、失った記憶を取り戻していた。
 その思いは多分…俺が、篁として…悪魔の媒体として、"ルーク"を受け入れようと思った時と同じ気持ち。
「そうだ…わかったよ」
 全てを取り戻した俺は、荒い呼吸を宥めると、小さくつぶやき始めた。
 まるで、自分自身に言い聞かせるかのように。
「あんたは…俺を必要としてくれた。誰よりも、俺を大切に思ってくれた。だから、俺はあんたに応えようと思ったんだ。思い出したよ、ルーク。誰よりも…あんたが信じられると思った。勿論、今でも…」
 そう。誰よりも、俺をわかってくれたから。俺を一番…理解してくれたから。だから…俺は、ルークを受け入れたんだ。
 悪魔の媒体として…共に生きることを選んだ俺は…決して、間違いじゃなかった。
 俺は、涙を留めることが出来なかった。ルークの温かさが…躰の内側から伝わって来るから。
「…た…かむら…」
 ふと、俺を呼ぶ声が聞こえた。顔を上げた俺は、自分を見つめる眼差しに気が付く。
「…エー…ス……エース…っ!」
 傍にいたラヴェイユを押し退け、俺はエースの元へと走る。
「ルカ…っ!」
 ラヴェイユは、咄嗟に"ルカ"の名を呼んだ。だが、俺は止まらなかった。
 血に塗れ、地面に伏していたエースは、血の溢れる胸を押さえて起き上がっていた。
「…ルー…ク…?」
 俺の、名を呼ぶ。それは、とても甘い声で。
「…無事、か…?」
「あんたこそ…」
 小さく言葉を零し、俺はエースを抱き締めた。
「…御免ね…エース…」
 その時、背後からラヴェイユの叫ぶ声が聞こえた。
「ルカ!彼から離れなさいっ!」
「嫌だ…っ!」
 傷付いたエースを背後に隠すように、俺はラヴェイユを振り返った。
「俺は"ルカ"じゃない!俺は…もう、天界人じゃない。悪魔だ。あんたの知っている"ルカ"は、もういないんだ。何故わからない?あんたが彼女に剣を向けたあの時から…あんたが彼女を殺したあの時から、"ルカ"は完全に死んだんだ。俺は…もう、天界人には戻らない」
 それは、昔の…天界にいた頃の、"ルカ"の記憶。
 俺の頬を、止め処無く零れる涙は…ラヴェイユとの思い出を、切り捨てた時の記憶。
 俺は袖で頬を拭うと、真っ直にラヴェイユを見据えた。
「あんたがエースを殺すというのなら、今度は俺があんたを殺すよ。仲魔を、護る為にね」
「…そう」
 一端目を伏せたラヴェイユは、再び顔を上げた。
「今度もまた…貴方は"ルーク"を受け入れてしまうのね。"悪魔"と言う名の下に」
それは、一つの重大な決断。
 俺は、ゆっくりと口を開いた。
「…ルーク、出ておいで。この躰は…あんたのモンだ」
 刹那。俺の身体の中から、熱い何かが込み上げて来た。
《…遅くなったな。暫く休んでな。後は、俺が決着を付けてやるぜ》
 久しく聞いていなかった声。だが、とても温かかった。
 背中が、熱い。
 そう思った瞬間、大きな羽音が耳元で聞こえた。
----ルーク…
 その名前を最後に、俺の記憶は途切れた。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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