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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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Bastard Xmas
こちらは、以前のHPで2000年12月23日にUPしたものです

拍手[1回]


◇◆◇

 街を歩けば、聞こえてくるのは同じ曲が多いなぁ~…と思う、今日この頃。
「猫も杓子もクリスマス、か」
 そう言って溜め息を吐き出すのは、ルーク。
「大半がキリスト教徒じゃないクセにな」
 そう言うのはデーさん。
「でも、猫はクリスマスを祝わないよ。祝うのは飼い主。それに杓子だって…」
「それは言葉のあやでしょうが」
 ルークの言葉に、すかさず合いの手を入れたのがゼノンで、それに突っ込み返すのがこれまたルーク。
 そして、無言で煙草の紫煙を吐き出しているのがエースと来た。
 そしてそれを傍観している俺は、ライデンと言うことになるか…。
 で、そういう会話になった原因が、俺の手元にある某飲食店の出前のチラシだったりなんかする……。
「ねぇ…で、結局、なに頼む~?」
 思わず、そう零した俺の声。だって、なかなか決まらないんだ。これが。
「お前は何がいいんだ?」
 反対に問い返すのはデーさん。
「…えっとねぇ……」
 悩んでいるのは、実は建て前。
 ホントは……。
 曖昧に言葉を濁していると、それを見透かしたのか、エースが口を開いた。
「クリスマスセット、じゃないのか?」
 ドキッ!!
「クリスマスセット~!?」
 エースを除いた3名の視線が、一気に俺に向く。
「…そ…そんなことないよぉ…」
 でも、ホントは当たりだったりなんかする…だって、おいしそうだったからさぁ……。
「ホントはどうなんだ?クリスマスセットがいいのか?」
 うっ……これじゃ、まるで尋問じゃないかぁ………。
「………」
「ライデン」
 名前を呼ばれ、俺は、俺を見つめる4名の眼差しを上目遣いで見上げた。
「…だってぇ…」
 それだけの言葉で、俺が何を言いたいのかを察した4名の溜め息が零れる。
「悪魔がクリスマスセット頼んでどうするんだよ~」
 みんなで溜め息吐かなくたっていいじゃん……と、俺は一悪魔でむくれていると。
「まぁ…仕方ない、か」
「…デーさん?」
 なんと、溜め息を吐き出しながらも、俺の意に賛同してくれたのは、デーさんだった。
「別に、頼むぐらいは良いんじゃないか?悪魔でありながら、クリスマスと言う一種の神の行事に流されるのはいただけないが、要は某飲食店の割引サービスだろう?まぁ、この時期だから多少の飾り付けはあるだろうが、お徳だろう?」
「まぁ…ねぇ…」
「じゃ、決定。良いな、ライデン?」
「え?…あぁ、俺は嬉しいけど…」
 良いのかなぁ、ホントに…。
 デーさんに押し切られるように、結局俺は電話を取って、その某飲食店へと出前の電話を入れた訳だ。

◇◆◇

 某飲食店のクリスマスセットは、予想以上に豪華で、俺も大満足だった。
 それをつまみに、当然宴会状態になった訳だ。
 …で、食べるモノもほとんどなくなり、酔っ払ったメンバーは早々に部屋に引き上げた訳だけど…俺はまだちょっと物足りなくて、冷蔵庫を物色していたりなんかする。
「ま~だ足りないのか~?」
「…あ…」
 薄暗いキッチンで、冷蔵庫の中を覗き込んでいた俺の背後に、いつの間にかデーさんがいた。程良く酔っているのは知っていたけど、まさかデーさんまでキッチンに来るとは思ってもいなかった。
「どしたの?」
 そう問いかけた俺の声に、デーさんは俺の隣へとやって来て、冷蔵庫から牛乳を取り出すと、徐にラッパのみにする。
「あ~あ。口付けちゃって~…怒られるよ~?」
「んな細かいこと気にするなっつーの」
 酔ってるから、口調もぞんざいだわ。
「満足したか?」
 ふと、俺にそう問いかけるデーさん。
「ん。まぁね。もうちょっと量があっても良かったけどね。でも、良かったの?クリスマスセットなんか頼んじゃって…」
 そう。確かに、言い出したのは俺だけど…最終的に決めたのはデーさん。だから、それを問いかけずにはいられなかった。
「何だ。喰ってから後悔しても仕方ないだろう?」
「そりゃそうだけどさぁ…」
「良いんだよ。みんな満足してたみたいだし。旨かったしな」
「でもさぁ…俺たち…」
「悪魔だし、か?」
「…そう」
「気にするな、そんなこと~」
 けらけらと笑うデーさん。酔ってるんだから仕方ないけど…ちょっと気になる。
 どうして、デーさんがそれを了解したのか。
 やがて、笑いを納めたデーさんは、すっとその表情を変えた。
 もう、酔ってはいない表情。それは酷く優しかった。
「記念すべき日、だろう?」
「クリスマスが?」
「そう」
 くすっと、小さな笑いを零した。
「我らが宿敵の神が…再来した日、だ」
「デーさん…」
「イエス・キリストの姿を借りて、人間共の前に現れようと試みた日だ。ある意味、こんな日ぐらい認めてやっても良いかな、ってな」
「へぇ…」
 デーさんが、そんな風に考えているだなんて、思わなかった。
「でも、俺たちには"Bastard Xmas"だよ?」
 そう。俺たちには、それは祝うべき日ではない。
 幾ら神が再来した日だとしても。世界中の全ての生命あるモノが、倖せになれる日ではないのだから。
 でも、デーさんは俺の言葉に笑ってみせた。
「あぁ、そうだ。神が再来した日だからこそ、我々が打っ潰せるんだろう?神がいなければ、吾輩たちだって、ここにはいなかった。だからこそ、意を敬して打っ潰してやるんだ」
「なぁる…」
 俺の口からも、くすっと笑いが零れる。
 それは、神の汚点。再来してしまったからこそ、悲劇が起きたのだ。
 だから、俺たちが使わされて来た。神を倒すその日を、祝する為に。
「軽く呑むか?」
 缶ビールを一本取り出すと、グラスに1/3ぐらい注いで、俺に差し出す。
「貰おうかな」
 まぁ、これくらいなら大丈夫…のはず。少しは慣れたはずだからね。
 デーさんは自分の分もグラスに注ぎ、そのグラスを掲げた。
「何に乾杯する?」
 問いかける声に、ニヤリと笑うデーさん。
「そりゃ勿論…決まってるだろう?」
「だぁね」
 そして、俺たちはこっそりと、キッチンで乾杯をした。

「Bastard Xmas!!」
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趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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