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聖飢魔Ⅱです。(face to ace、RXもあり…) 完全妄想なので、興味のある方のみどうぞ。

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絶愛 6
こちらは、本日UPの番外編です 
※番外編のメインは天界側です。本編の遠い伏線と言う感じです(苦笑)
6話完結 act.6

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◇◆◇

 レイが目を覚ますと、日は高く上っていた。時計を見ると、昼少し前。二時間程、眠っていたようだ。
 隣を見ると、ラファエルはまだぐっすりと眠っている。その安らかな寝顔と、すっかり暖かくなった体温に、安堵感を覚えていた。
 休暇は明日まで。なので、帰る時間を考えると、遅くても明日の昼にはここを出なければならない。
 その前に…レイは、やっておかなければならないことがあった。
 そっとベッドから抜け出ると、服を羽織って自分の部屋へと一旦戻る。そしてシャワーを浴びて身支度を整えると、一旦ラファエルの様子を見に戻って来る。
 ラファエルは、まだ眠っている。それを確認すると、再びそっと部屋を出て、階下へと降りて行った。
 リビングには、誰の姿もない。と言うことは…シーリアは、ルシフェルのところにいるのだろうか…となると…ミカエルは何処へ…?
 ソファーに腰を下ろし、そんなことを考えていると…階段からシーリアの姿が見えた。
「レイ様。降りてらっしゃったんですね」
「えぇ。貴女は…ルシフェル様のところへ?」
「はい。調子はだいぶ良いようです。先程、ミカエル様もルシフェル様と御話していらしたようで」
「…そうですか。で、ミカエル様は…?」
「御散歩に行かれましたよ。食事までには戻るとおっしゃっておりましたから、直に戻られるかと思います」
「そうですか。ラファエル様はまだ寝てらっしゃいます。夕べは良く眠れなかったようで…」
 まぁ…それが誰の所為、と言う訳ではないが…。
 そんな話をしていると、外からミカエルが戻って来た。
「…あぁ、降りて来ていたのか」
 レイの顔を見るなり、ミカエルはそんな言葉を向ける。しかし、その視線は向かず…何か、気まずそうに見えなくもない…。
----…まさか…聞こえていたとか…?
 ミカエルがどのくらい前にルシフェルのところへ行っていたのかはわからないが…間が悪ければ、聞こえていたかも知れない。そう思うと、レイも何だか気まずい所もあるのだが…ここは、平然とした表情を保っていた。
「…ラファエルは?」
 ラファエルの姿が見えないことに、ミカエルはレイに問いかける。
「まだ寝てらっしゃいます。夕べは、良く眠れなかったようで…」
 先程と同じ台詞を口にすると、溜め息が帰って来た。
「まぁ…そうだろうな」
 その言葉は、明らかにレイに向けられた嫌味。
 しかし…。
「…もう…御心配はいりませんから…」
 そう零した言葉に、ミカエルは小さく吐息を吐き出す。
「…なら良いけどな。でもな…ほどほどにしろよ。昼真っから…」
 完全に、聞こえていたようだ。
 けれどレイも、にっこりと微笑んで平生を貫く。
「……何の、ことですか?」
「心辺りがなければ良いけどな…」
 ミカエルも、それ以上深入りはしない。
 その奇妙なやりとりを、シーリアは不思議そうな顔で見つめていた。
「…何かあったのですか…?」
 そう問いかけられ、ミカエルは小さな溜め息を吐き出した。
「…何でもない。さぁ、食事にしよう」
 ミカエルはそれだけ言い残すと、先にリビングを後にした。
「ラファエル様はいかがしましょうか…」
 ミカエルの背中を見送ったシーリアは、レイにそう問いかける。
「ラファエル様の分は、後でわたしが持って行きますから。今は休ませてあげてください」
 にっこりとシーリアに微笑んだレイ。朝よりも随分機嫌が良さそうだったので、シーリアも小さく微笑みを返していた。

 食事が終わった後、レイはラファエルの様子を見に行った。けれど、まだぐっすりと眠っている。
 どうしようかと暫し考えた後、レイは意を決したようにその部屋を出て、ルシフェルの部屋へと向かった。
 軽くノックをすると、中から小さな声が届く。
『どうぞ』
「…失礼します…」
 ドアを開けると、真っ直ぐに自分を見つめる眼差しと目が合った。
「…独りか?」
「…はい」
「ラファエルは?」
「今は眠っています」
 立て続けに問いかけられ、レイはドアの前から動けないまま、言葉を返す。
「…で?何か用なのか?」
「…はい。貴方と、一対一で話がしたいと思って」
 その真剣な表情に、ルシフェルは小さく笑った。
「ならもっと近くへ来ると良い。一対一なら、聞かれたくないだろう?そこでは通りかかれば誰にでも聞かれてしまうぞ」
 そう言われ、レイは小さく息を吐き出すと、背中にドアを閉め、ベッドの傍へと歩み寄った。
「それで?何の話だ?」
 どうせ、ラファエルがらみだろうとは思いつつ、そう問いかけてみる。
 レイは再び息を吐き出して、気持ちを落ち着ける。そして、真っ直ぐにルシフェルを見つめると、その口を開いた。
「…率直に言います。わたしは…貴方が大嫌いです」
 ルシフェルの紺碧の眼差しは、真っ直ぐにレイを見つめたまま。けれどその眼差しは、興味深く観察しているようにも見えた。
「貴方は…ラファエル様を傷つけた。あのヒトが、貴方に振り回されてどれだけ辛い思いをしたか。わたしは…全てを見た訳ではありません。でも多分…一番、荒んでいたであろう時に、あのヒトに出逢った。だから…あのヒトを助けたくて…精一杯頑張って来たのに、またこうしてラファエル様の前に現れて…」
「…言って置くが、今回のことはわたしの知らないところでこう言うことになったものでな。それまで言及されてもどうにもならないんだが?」
 そう。今回のことは、マラフィアが手引きをしたものであって、ルシフェルの意思はそこにはなかったはず。
「確かにそうかも知れません。ですが、貴方の話を聞いてから…ラファエル様はずっと、苦しんでいました。そんな姿を見て、貴方を憎まずにいられると思いますか?」
「だから、大嫌いと言ったんだろう?憎むだけ憎めば良い。はっきりわたしにそう言えるんだ。その想いで、ラファエルを護ってやれば良いじゃないか」
「……っ」
 思わず口を噤んだレイに、ルシフェルは小さな微笑みを浮かべた。
「わたしは裏切り者だ。それはわかり切っているだろう?天界の事もラファエルの事も、全部捨てて魔界へ逃げた。それが気に入らないんだろう?だがな、ラファエルはわたしのことを吹っ切ろうとしている。それは何の為だ?御前の、為にじゃないのか…?」
「…それは…」
「何を躊躇うことがある?御前がラファエルを護る為に精一杯生きようとしているのなら、どうしてラファエルを信じない?わたしに言われたくはないだろうが…例えどんなに苦しんだって、最終的に御前がそこにいるから、わたしにあんなことを言えたんじゃないのか?そうでなければ、わたしとの接点を徹底的に潰すだなんて、昔のラファエルなら絶対に言わなかった」
「………」
 大きく息を吐き出したレイ。
 文句を言いに来たはずなのに…ここまでルシフェルに言われてしまうと、返す言葉も見つからない。
 目線を伏せてしまったレイの姿に、ルシフェルは更に言葉を続けた。
「ヒトのことなんて、正直どうでも良いことだ。御前はただ、ラファエルを信じて傍にいれば良い。誰に何を言われようと、ラファエルが幸せになれる手段を、御前がちゃんと護ってやれば良いんだ。それが、共に歩んで行くと決めた御前のやるべきことだろう?」
 そう言って小さく笑う。
「…悩む気持ちは良くわかる。だがそれは、御前がまだ若い証拠だ。もっと、自信を持て。わたしを敵対視するくらい…誰にも負けないくらい、ラファエルを愛しているんだろう?」
「…勿論…愛しています」
「その気持ちがぶれないうちは大丈夫だ。ラファエルとて、わたしが何を言ってもぶれなかっただろう?」
「…そう、ですね…」
 確かに。夕べの話でも、ラファエルは頑なにルシフェルを排除しようとしていた。それが、何よりも確かな答えだったはず。それは、レイもちゃんと理解出来たはず。
 ただ、色々話が一気に巡って来て…自分の中の受け入れ態勢が整っていなかった。それが原因であることはわかっていた。
「わたしは、幾ら憎まれても構わないよ。ラファエルにも、ミカエルにも…多分、一生憎まれ続ける。だが、それで良い。その反動力で、彼らはもっと強くなれる。だから、もう一名ぐらいその相手が増えたところで、大差はない。わたしのことを精一杯憎めば良い。その気持ちで、ラファエルを護ってやってくれれば、それで良い」
 そう言って笑うルシフェル。その姿に、レイは…ほんの少し、胸が痛いと感じていた。
 もしも…このヒトがまだ熾天使だった頃に、少しでも同じ場所にいることが出来ていたら。そうしたら…また、自分の気持ちの持ち様も何かが違ったかも知れない。
 ルシフェルには、ミカエルともラファエルとも違う、ヒトを惹きつける魅力がある。それが、全ての天使たちの頂点たる熾天使として、ルシフェルが培って来たモノなのだろう。
「…わたしには…貴方のように、笑って話をすることは出来ません」
 それは、レイが吐き出した本心。
「貴方が、そうやって笑って話せるようになるまで…どんな気持ちでいたのか。わたしには、到底理解は出来ません」
 その言葉に、ルシフェルはふっと目を細めた。
「さっき言っただろう?ヒトのことなんて、どうでも良いことだと。わたしのことは、知らなくて良い。何があったって…どんな状況にあったって、御前たちには関係のないことだ。天界を捨てて、魔界でぬくぬくと暮らしやがって…とでも思っていてくれ」
「…貴方は、魔界の医師に治療を拒否されたと聞きました。どう考えても、ぬくぬくと生活しているようには思えません。もし、何不自由なく受け入れて貰えているのなら…マラフィア殿が、あんなに必死になって、天界に助けを求めたりはしないはずです。貴方は、あの時のマラフィア殿を見ていないからそんなことが言えるんです」
 敵対する国に、必死になって助けを求めて来たその姿を思い出し、それがどれだけ覚悟がいることかわかっている。だからこそ、ルシフェルの言葉も虚勢を張っているとしか思えないのだ。
 けれど、ルシフェルはそれを一笑した。
「生きている間には、色んなことがある。わたしは、御前よりもずっと長く生きている。ミカエルもラファエルも生まれる前からな。その中で、何度も絶望を味わって来た。そしてその度に、何とか生き延びて来たんだ。もし仮に、わたしが今魔界で苦労していたとしても…その頃に比べれば、何てことはない。周りが大騒ぎしているだけに過ぎない。わたしは…多分、今が一番、気が楽なんだろうな」
 そう言って笑うルシフェルの表情には、確かに絶望の光は見えなかった。
 例え、一部の悪魔に拒否されていたとしても。全ての天界人を裏切っている、と言う重圧よりは、気が楽なのは確かなことなのだろう。
 溜め息を吐き出したレイ。
「若い頃は、何をしても悩むものだ。今までの御前の経験を足場にして、もっと強く生きるべきだな」
「…貴方に、説教をされる為に来た訳ではありません。わたしは…」
「わかっているよ。文句を言いに来たんだろう?わたしが大嫌いだ、と言うことは最初に聞いてるからな。後はただの戯言だ。この部屋を出たら、忘れるべきだ」
「………」
 レイは…どんな顔で、ルシフェルを見つめていたのか、自分ではわからなかった。ただ、傍から見れば…酷く、困惑しているように見えただろう。
 小さな、溜め息を一つ吐き出した時。ふと、ドアをノックする音が聞こえた。
「…はい?」
 答えたルシフェルの声に返って来たのは。
『…ラファエルですが…』
 その声に、レイはハッとしたように息を飲んだ。そして、ルシフェルに一つ頭を下げると、踵を返した。
 ドアを開けると、そこでラファエルと目が合う。
「…レイ?何処に行ったのかと思ったら、ここで何を……」
「…済みません…失礼します」
 黙ってルシフェルに会いに来たことが、どうも居た堪れなくて。レイはラファエルにも頭を下げると、その身体の横をすり抜け、階段を駆け下りる。そしてそのまま、外へと出て行った。
「…レイ…?」
 レイの姿を目で追いながら、首を傾げたラファエル。部屋の中からその様子を眺めていたルシフェルが、見かねたように声をかけた。
「レイに用があるのなら、追いかけて行ったらどうだ?」
 その声に、ラファエルの視線がルシフェルへと向いた。
「…レイと…何を…?」
「たいした話じゃない。わたしが大嫌いだ、と宣言に来ただけだ」
「…ルシフェル…」
「御前を護る為に必死だ。まぁ、御前たちを掻き乱すつもりはない、安心しろ」
 くすくすと笑うルシフェルに、ラファエルは溜め息を一つ。
「…失礼します」
 ラファエルはルシフェルに頭を下げ、そのドアを閉めた。
 その姿を、ルシフェルは小さな笑いを零して見つめていた。

◇◆◇

 小さな水音がした。その水音に呼ばれるように、ラファエルは湖の畔へとやって来ていた。
 そこには、両足を水の中に放り込んだまま、畔に座るレイの姿。頭からずぶ濡れである所を見ると、どうやら一度湖に飛び込んだようだった。
「…風邪引きますよ?」
 少し離れたところから、そう声をかける。
「…風邪をひいたら…看病、してくれますか?」
 振り返らずに、そう問いかける声に、ラファエルは小さく笑った。
「良いですよ?」
 すると、レイは小さく笑いを零し、立ち上がった。そしてラファエルを振り返る。
 髪を伝う水滴をそのままに、微笑んだまま小さな吐息を一つ吐き出す。
「…貴方にそんなことをさせたら、ミカエル様に怒られます」
「そんなこと…気にする必要はないのに。将来の伴侶、でしょう?」
 くすっと、笑ったラファエルに、レイは頭を横に振った。その拍子に、雫がその髪から落ちる。
「今はまだ、ただの従者ですから」
 その言葉に、ラファエルは笑うのをやめた。そして、真っ直ぐにレイを見つめる。
「ルシフェルに…大嫌いだと、言ったんですって?」
「…言いましたよ。わたしの一番大切な貴方を、傷つけて苦しめたのはあのヒトですから。それだけは…言って置かなければ、と思って。もう…会うこともないかも知れませんから」
「まぁ…良いんじゃないですかね」
 小さく吐息を吐き出し、ラファエルはレイへと歩み寄る。そして手を伸ばし、未だ雫の垂れる前髪を掻きあげた。
「わたしも、彼には言いたいことを言いましたし。貴方も、吐き出してしまった方が楽になりますからね。色々抱えたまま王都に戻るのも、消化不良でいけない」
 その指先が、レイの頬にそっと触れた。
「帰りましょう。本当に風邪を引いたら、王都に帰れなくなりますから。ルシフェルといる時間が増えますよ…?」
「…それは、困ります。折角…割り切ろうとしているのに」
「…御互いに、長居は無用みたいですからね。そんな時はさっさと帰ってしまうに限ります。さ、戻って温まりましょう」
 差し伸べた手を前に、レイは少し躊躇う。
「濡れますよ…?」
「これぐらい、大丈夫ですよ。さ、早く」
 その声に導かれるように、レイはラファエルの手を取った。
 にっこりと微笑み合う。多くを問いかけないのは…誰よりも、信じているから。
 ラファエルに手を引かれ、帰路に着く。その、道すがら。
「…有難うございます」
 小さくつぶやいた、ラファエルの声。
「何が…ですか?」
 思わず問い返したレイの声に、ラファエルは小さく笑った。
「何でもありません」
 固く握られた手は、ずぶ濡れのレイよりもずっと温かかった。

 別荘へと戻って来た二名だったが、ずぶ濡れのレイはそのままバスルームへと直行となり、残されたラファエルはリビングのソファーでぼんやりとしていた。
 すると、そこへやって来たのはミカエル。
「…起きていたのか」
 小さくそう言葉を零すと、ラファエルの向かいに腰を下ろす。
「えぇ。十分休ませていただきました。わたしがやるべきことはもう何もありませんから、予定通り明日の午前中には王都に帰ります」
「そう、か」
「…何か、不満でも?」
 小さな溜め息を吐き出すミカエルの姿を笑い、ラファエルはそう問いかける。
「不満?当たり前だろう?御前たちばっかりすっきりしやがって…」
 思わずそう零したミカエルに、ラファエルはもう一度笑った。
 そして。
「後は、貴方ですね」
「…ラファ…」
「言いたいことは…この際ですから、全部吐き出した方が良いですよ?」
「…言いたいこと、ね…」
 ラファエルが何を言わんとしているのか…正直、ミカエルには見当も付かなかった。何より、自分が何を吐き出したいのかもわからないのだ。
 ただ、何となくすっきりしない。それだけは確かなのだが。
「まぁ…わたしのことは良い。御前は、王都に戻ったら…もう、ルシフェルのことは忘れろ」
 吐き出したその言葉に、ラファエルは微笑んだまま小さく頷いた。
「もう大丈夫ですよ、心配しなくても」
「…なら良いんだがな」
 ラファエルの表情を見れば、もうその心が燻っていないことは明白だった。
「王都へ戻ったら、ルシフェルの容態のことは、マラフィア殿に連絡を入れておきますね。心配しているでしょうから」
 そう切り出したラファエルに、ミカエルは溜め息を一つ。
「そうだな…わたしが帰ってからでも良いんだが、向こうも気がかりだろうからな。悪いが、そうしてやってくれ。わたしが帰ったらまた連絡を入れると伝えておいてくれ」
「わかりました」
 そう言って、にっこりと微笑むラファエルの姿。それは、夕べとはまるで違う表情で。
「…ぶれるなよ」
 小さく零した声に、ラファエルは笑った。
「有難うございます」
 その笑顔が、何よりの答え。
 もう、この二名は心配はいらないだろう。
 そんな思いで、ミカエルも小さく笑いを零していた。

 翌日。朝もまだ早い時間だったが、ラファエルとレイは王都へと出発した。
 その背中を見送ったのは、ミカエルとシーリア。まだベッドの中から出られないのルシフェルには、ドアの外から声をかけただけで、顔は見なかった。
 勿論、ルシフェルも彼らの気持ちは良くわかっていた。だから、それに異論はなかった。
 何よりも…"彼"が、幸せに過ごしてくれれば。それ以上、もう何も言うことはないから。

◇◆◇

 ラファエルとレイが王都に戻って数日後。
 ラファエルの屋敷には、レイの姿があった。
 立場上は執事と言う名目で迎えられたのだが、事実上の同居である。勿論、ミカエルはまだその事実を知らないのだが。
「…ミカエル様に知られたら、大事ですよ…」
 空いていた使用人の部屋で、荷物の整理を終えたレイが零した言葉に、ベッドに腰掛けてその様子を眺めていたラファエルは笑いを零す。
「大丈夫ですよ。ミカエルもそこまで無粋ではないですから」
 くすくすと笑うラファエル。その心は、すっかり安定したようだった。
 何よりも、その笑顔を護る為に。その為なら…多少の嫌味も、流していける。
 レイも、そんな思いで笑いを零していた。
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如月藍砂(きさらぎ・あいざ)
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非公開
自己紹介:
がっつりA宗です。(笑)
趣味は妄想のおバカな物書きです。
筋金入りのオジコンです…(^^;
但し愛らしいおっさんに限る!(笑)
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